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VTuber 2019.04.29

VTuberドラマ「四月一日さん家の」バーチャルとリアルが交差した記者会見レポート

4月18日、テレビ東京本社でドラマ「四月一日さん家の」1話先行上映&記者会見が行われました。このドラマは、VTuberが役者として登場人物を演じるという画期的なスタイルで、長女・四月一日一花役のときのそらさん、次女・四月一日二葉役の猿楽町双葉さん、三女・四月一日三樹役の響木アオさんの3名が出演。両親を亡くした3姉妹の一軒家での同居生活が描かれます。
 
今回の記者会見は、出演者3名が現実の記者からの質問に答えていく、バーチャルとリアルが交差したユニークなもの。スクリーン越しのステージ上で出演者たちは何を語ったのか、会見席の記者たちの様子はどのようなものだったのかレポートします。
 

バーチャルな会見に戸惑うリアルの記者達、上映後には「おもしろい!」の声

開演の少し前、会見席で見られたのは、しきりに相談し合う記者たちの姿。「画面に向かってカメラを向けるということですか?」「出演者は画面のどこから登場?」「今回の出演者たちの姿はどうなるんですか?」と、はじめてのバーチャルな会見に戸惑いながら準備を進めていました。

会場が暗転しスクリーンが点灯すると、紳士VTuberの七瀬タクさんが登場。ドラマ第1話先行公開についての案内を記者席に向かって説明すると、会場は先程のザワザワとした雰囲気から一転、緊張感のある空間へと変化。記者たちの視線は画面に釘付けとなりました。
 

まもなく本編上映開始。しばらくすると、映像関係者や記者たちから笑い声が漏れ始めました。今回のドラマは、物語に合わせて画面外からの笑い声が入るシチュエーション・コメディ。会場の張り詰めていた空気も、ドラマの雰囲気に合わせてゆるんでいくようでした。
上映後、聞こえてきたのは「これ凄くおもしろい!」「新しいことが起こってますね」といった声でした。記者や関係者たちがその場で和やかに感想を交わし合っていたのです。VTuberたちの織りなすドラマに強い関心を持って話している姿が印象的でした。


 

ときのそら「いつもの動画とは違う、新しい挑戦を楽しめました」

記者会見はテレビ東京のバーチャルアナウンサー、相内ユウカさんの進行で始まりました。ゲストとして登場したのは、番組プロデューサーの五箇公貴さん。カブトムシ姿での登場に、「ふざけているわけではないんですよ!」とフォローしつつ、今回の番組の魅力を語りました。

「『四月一日さん家の』は、実写ドラマ制作スタッフとVTuber技術専門スタッフとが共同で、去年の夏頃から制作開始したのですが、何もかもが新しい試みでした。この業界で働き始めて20年ほど経ちますが、 最初の仕事を始めた頃のような大変さと嬉しさを感じられましたね。今回出演してくれた3人は、朝早くから夜遅くまで、毎日膨大なセリフを覚えて演技してくれて、本当に頭が下がる思いです」
 

続いて出演者3人が登場。相内ユウカさんから今回のドラマの見どころだと思うポイントを質問されると、猿楽町双葉さんが「話数によって監督さんと脚本家さんが変わるので、1話ごとの雰囲気の違いを楽しんでほしいです」と回答。「わたしたちの演技もそれぞれの監督さんの指導によってちょっとずつ変わっているので、その違いに気づいてくれたらうれしいですね」と話しました。
 
ドラマ収録時の感想を聞かれると、ときのそらさんは「いつも自分が投稿している動画とは違って、制作に大勢の人が関わっているので、様々な人たちのアドバイスを聞ききながら自分の役を作っていくという体験が新鮮でした」と発言。25歳という年上設定のキャラクターの演技に難しさを感じながらも、新たな挑戦として楽しめたと語りました。
 
響木アオさんは「最初はセリフ覚えるのが大変で、録音したセリフを寝ているときにも聞いていたんですが、段々慣れてきて、現場でみんなに会えるのが楽しみとなっていました。コメディドラマ独特の笑いの間の取り方についてはとても勉強になりました」と話し、成長を実感できたと笑顔を見せました。
 

猿楽町双葉「ふたりが自然とお姉ちゃんでいてくれた」

出演者3名のお互いの印象について質問が飛ぶと、3人は顔を見合わせつつコメント。
 
ときのそら「(猿楽町)双葉ちゃんは今回が初の共演でした。はじめは『シャイな子なのかな?』と思っていたら、イタズラや変顔で笑わせてくるお茶目な子で、かわいかったです。(響木)アオちゃんは、今回クールな性格の役でしたけど、普段はチャキチャキ動く明るい性格ですね」
 
猿楽町双葉「(ときの)そらちゃんは今回スピリチュアルワールド全開な長女役なんですけど、雰囲気は普段とあんまり変わらないお姉ちゃんっぽさがありました(笑)。アオちゃんは、役とは違って積極的に撮影現場を盛り上げてくれる太陽みたいな子でした。ふたりが自然とお姉ちゃんでいてくれたから、自分も次女役ができたんだと思います」

響木アオ「わたし的にはそらちゃんはお姉ちゃんというより、妹みたいなイメージがありますね。まったりしていて、どこか抜けている感じが『ほっとけない!』って気持ちにさせるんです(笑)。双葉ちゃんは、第一印象はすごいイケイケな感じで『怖いのかも!』と思っていたんですけど、周囲を笑わせてくれるし、みんなを引っ張ってくれる子でした」
 
撮影期間中は、控え室でお互いのセリフを確認し合ったり、休憩時間にお芝居の話で盛り上がったりと、常に一緒に行動していたとのこと。会見中もリラックスして話し合う様子からは、3人の仲の良さがうかがえました。
 

響木アオ「ダンケシェーンはアドリブなんです」


3人によると、撮影中には笑いをこらえきれずにNGを出してしまうこともあったそうです。響木アオさんは「誰かがNGを出すと、両手を広げたり動き回ったりして場を和ませていたんですが、段々それがヒートアップしていって、後半は独創的なダンスを踊って盛り上がるようになっていましたね」と、撮影中の裏話を明かしました。
 
また、ドラマ本編にはモノマネや意図的な言い間違い、アドリブなどが含まれているという話も飛び出しました。響木アオさんが「ほんのちょっとネタバレになりますが、1話のドイツ語の『ダンケシェーン』っていうセリフはアドリブなんです。小声でぼそっと言ったのがそのまま採用されました(笑)」とコメント。ときのそらさんが「いろんな場面に散りばめられている小ネタを探してみてくれるとうれしいです!」と話しました。
 
今後挑戦したい役について聞かれると、ときのそらさんが「教師」、猿楽町双葉さんが「悪役」、響木アオさんが「刑事」とのこと。日常では経験できないような役に挑戦してみたいと語りました。
 
記者会見が終ると、記者がVTuberを囲んでのカメラ撮影へと移行。しかし、スクリーン上の被写体を接近して撮影できないため、カメラマンたちは遠目の席から撮るという意外な流れとなり、最後まで、バーチャルならではの独特の光景が見られる会見となりました。
 
ドラマ「四月一日さん家の」は、毎週金曜深夜0時52分「ドラマ25」枠で放送中です。彼女たちの本気の演技をお見逃しなく!
 
今回の会見の様子は、以下のYouTube配信のアーカイブから確認できます。


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