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VTuber 2024.04.22

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~4月19日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

エイプリルフールにボイチェンを外したらどうなるの?【VRChat】

甘野氷がエイプリルフールに行ったドッキリを動画にしています。普段ボイチェンでかわいい声を出している甘野氷がボイチェンを外して地声が聞こえたらどう反応するか、というもの。ボイチェンを使っている、というのは聞けばみんな気づくものですが、実は結構ナイーブな話題。そのため聞いた人たちの反応がとても面白いです。

「ボイチェン外れているよ」と言えばいいのは確かです。しかしメタバースアバター使用者やVTuberに対して第三者が「ボイチェンを使っている」というのは基本的にNGな場合が多いです。というのも努力で作り出した「かわいい声」はその人のパーソナリティだという認識があるからです。「ボイチェン」という言葉を相手に向けるのは、いわばその人の身体的特徴を指摘するような無粋な行為になりかねません。
今回のドッキリを仕掛けた相手はそのあたりがわかっている人たちだからこそ、空気の読み合いと茶番が楽しいものになっています。甘野氷自身もそのあたりがエイプリルフールという特別な日でネタにできると踏んだからこその、ユニークなやりとりです。相手を理解し配慮するみんなの認識の様子は、未来的なマナーとして見てみると、ほんわか楽しめると思います。

【民俗学系VTuber】比較宗教学に詳しいVTuberと喋りました【コラボ】 #70

民俗学に詳しい諸星めぐると、民俗学を専門に扱っている対談ラジオチャンネルゆる民俗学ラジオがコラボしています。VTuberひとりと人間ふたりのコラボで、諸星めぐるを真ん中に挟んでゆる民俗学ラジオメンバーが一緒に話す、全員が同じレイヤーに並んで映るちょっと面白い絵面でのコラボです。

どちらも興味をそそる視点で民俗学を語っており、身の回りのものをふと見たときに新しい発見をしたり視点が変わったりするきっかけを作ってくれるチャンネルです。その姿勢が両者とも同じなので、話していくにつれてシンパシーが通じ合っていく様子が見られます。お互いの専門が重なったときのテンションのあがりかたを見ていると、民俗学の面白さがどこにあるのかも伝わってきます。
このコラボ自体の目的と別の部分でも、話せば話すほど次々に民俗学ネタが会話中に出てきて「へー」となる部分てんこもりなのでで、ちょっと知っておくと生活するのが楽しくなる学びのコラボになっています。

【 格付け企画 】#にじさんじ格付けし合う男たち 【 にじさんじ 】

竜胆尊による大型格付けコラボ再び! 以前は女性ライバー格付けをしていましたが、今回は「#にじさんじ格付けし合う男たち」。「自分が好きすぎる男」「恋人にしたい男」などかなりソリッドな質問を視聴者にアンケートで答えてもらい、参加メンバーはどう考えているかを発表した後に視聴者投票と意見を公開するというもの。褒められることもあれば、痛烈な意見もあるあたりの「格付け」の面白さが生かされた配信でした。投票数24832という数字が注目度の高さを物語っています。
参加メンバー卯月コウ剣持刀也三枝明那風楽奏斗ましろローレン・イロアス。先輩後輩の幅がものすごく広く、個性バラバラなのが面白いところです。コメンテーターは魔界ノりりむと、女性編で大変なことになっていた奈羅花。司会に夢追翔が参加しています。

集まった意見は具体的なものが多いです。今までの配信やXのポストを踏まえたものもあれば、なんとなくこの人はこういうイメージ、という二次創作に近いようなネタも。それぞれが反論したり周りが突っ込んだりするバランス、また適切な思いやりがあるため、険悪なムードになることは一切なくエンタメとして楽しめます。ただとあるライバーへのとある評価が大変なことになってしまい、それに対する本人の反論でさらに地雷が大爆発し続けるというとんでもないことになっていますが…ここでの全員の反応はみものです。

前回行われた女子版は3Dで行われていました。こちらも「男を見る目がなさそうな女」など出てくるネタはかなり鋭く、順位が発表されるたびに阿鼻叫喚が起きています。
男女の恋愛系のネタが多い中、コメンテーターに異性のライバーをそれぞれふたり呼んでいることが、視点が広くなるいいスパイスになっています。

【#Vコンビ愛選手権】夢星家🎤🌟 VS ロベルないとめあ🍷🍥【犬山たまき/夢追翔/星川サラ/夕刻ロベル/神楽めあ】

犬山たまきのチャンネルで行われたのは「#Vコンビ愛選手権」。夢追翔(にじさんじ)と星川サラ(にじさんじ)の「夢星家」、夕刻ロベル(ホロスターズ)と神楽めあ(個人)の「ロベルないとめあ」の二組を呼んで質問を用意。「相方と今後やってみたいこと」などそれぞれに答えてもらいながら、その解答を相方が当てる、というものです。どちらも長く続いているユニットなので、出てくる話には懐かしい話題もあり、ファンならにっこりできると思います。そして4人を知らない人が見たら、個性のぶつかりあいと相性の良さがあまりにも楽しいので興味がわくと思います。4人の魅力がうまく引き出された内容になっています。

VTuberの男女コラボはかつてから慎重に動く場合が多かったのですが、この4人の場合はどういうつながりなのかがはっきりしているのと、4人の自身のキャラクター性と距離感を使ったエンタメの作り方がうまいため、男女ユニットであることが視聴者みんなのニヤニヤポイントとして安心して楽しめます。
夢星家は星川サラが夢追翔を「パパ」と呼んで追いかけ回して遊んでおり、夢追翔は引っ掻き回されながら全部にツッコミをいれていく漫才のようなやり取りができており、そのムーブが会話にいかされホームコメディのようになっています。
ロベルないとめあは最初は罰ゲーム的に始まった月一コラボで、お互いのボケとツッコミの殴り合いや芸人魂がぴったりだとどんどん判明して今でも続く定期コラボ化した、というコントの相方発見的な流れがありました。
犬山たまきは4人とも仲がいいこともあって、そのあたりの4人の活動と考え方はきっちり踏まえているようです。また犬山たまきと4人が双方向で信頼感が厚いのは、今回の解答を見ているとわかります。
後半4人がぽろっと本音を解答に出して慌てている様子などは、見ていてほっこりできます。犬山たまきによる一時間強の配信の流れの操作や、それぞれの「いい話」も含め、5人がお互いのエンタメを熟知しているからこその見事なバランスの配信でした。

「プロジェクトセカイカラフルステージ」の曲「トンデモワンダーズ」を5人で歌ったMVもアップされています。これも元はワンダーランズ×ショウタイムという男子ふたり女子ふたりプラスKAITOの組み合わせで、みんなをハッピーにする活動をしているという部分も今回のメンツにぴったりです。5人の声のバランスは個性豊かで華やか。特に夢追翔と夕刻ロベルの声の相性が抜群によいのは聞き所です。

TROUBLE “WAN”DER! / 戌神ころね (official)

戌神ころねの新曲MVはフル英語曲。まるで古いカートゥーンのようなスタイルになっており、これには海外のファンも大喜び。彼女の歌声はほんわか丸みがあり、聴いていて不思議な安堵感を与えてくれます。それがうまく生かされた楽曲になっており「TROUBLE “WAN”DER!」と歌う彼女の声は、やんちゃに遊ぶ犬のよう。アップテンポな曲ながらも、聴いていてほっこりする作品に仕上げられています。

映像を手掛けているのはかねひさ和哉。レトロアニメーション風の映像を作るアニメーターで、普段は昭和30年代風のアニメーションを作っています。今回は戌神ころねの描くイラストをうまくレトロに調整し、レトロ日本アニメと60年代カートゥーンを融合させたような独特な映像を作りました。メロディが80年代調なので、これもピタッと雰囲気にマッチ。戌神ころねが上下左右を向くパートのアニメーションは、まるで昔の子どもの動きを見ているようなほほえましさ、かわいらしさで表現されています。

エレクトロスイングの「Doggy god’s street」とセットで聞くと、戌神ころねボーカルの独特な魅力が伝わってくると思います。歌においても人に楽しさを伝えることに長けた存在です。

渋谷の街の桜の丘で – アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ/天籠りのん/安心院みさ/音門るき/トゥルシー・ナイトメア【オリジナル曲】

アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノとSONY MUSICのVEEに所属する面々が歌うオリジナル曲が発表されました。タイトルはVEEの本拠地とも言える土地名から取られており「渋谷の街の桜の丘で」。天籠りのん安心院みさ音門るきトゥルシー・ナイトメアが3Dの姿で参加しています。かなりキャラ性の強い面々が集まっているので、歌声の個性はそのままに活かしながら、サビではうまい具合に混ざり合っていくあたりに、この曲の、そしてVEEメンバーの活動の本質がありそうです。

VTuber集合曲としては非常に珍しい、合唱曲スタイルの楽曲です。それを桜が見える教室の中で歌うというシチュエーションのエモーショナルは、3Dになった面々のフレッシュな魅力にぴったり。開花した桜のように「創造文化(クリエイトカルチャー)ここにあり」「舞台(ステージ)この先に広がる未来(フューチャー)」と高らかに歌うその様子は、彼女たちの思いとVEEの思想が織り込まれたもののようにも感じます。

先日アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノは3D化のお披露目配信も行っています。元気いっぱい華やかで明るい、とても彼女の性格が出ているステージです。こちらでは22/7の西浦そらも登場。sonyグループのつながりで、さらに新しい動きが今後見られる可能性を感じさせてくれました。

【3D一発撮りで演奏してみた】情熱大陸 / 葉加瀬太郎【鈴木勝, セラフ・ダズルガーデン, エリー・コニファー/にじさんじ 】

鈴木勝(ピアノ)、セラフ・ダズルガーデン(バイオリン)、エリー・コニファー(フルート)の三人が演奏する「情熱大陸」の演奏動画がアップされました。それぞれ演奏技術をかつてから発表している面々です。今回は3Dの身体で同じ空間からの演奏披露になります。
全員が音の強弱を使い分けた表現に長けています。演奏する楽しさと軽快さを感じさせてくれる鈴木勝のピアノ、優雅で柔和さを持ちつつ力強さのあるセラフ・ダズルガーデンのバイオリン、優しい表現の裏側に激しい情熱を持つエリー・コニファーのフルート。それぞれが今まで披露してきた演奏の個性が、今回の動画では集大成的に表れています。

VTuberが出始めの2017年ぐらいの時期は、楽器の演奏のリアルタイムキャプチャは鬼門でした。2024年になって出た今回の映像を見ると、一発撮りでこのくらいのことまでできるようになった、という技術革新を実感できると思います。特にバイオリン演奏は、セラフ・ダズルガーデンがどう身体に力を入れて繊細に演奏しているか、かなりはっきり見ることができます。
ANYCOLORの築いてきたVTuber最先端技術が多くの場所で使われるようになることを期待したくなります。またこのレベルの技術がさらに個人のVRでも使えるくらいに広がって、数々のバーチャル演奏家が出てくることを夢見たくなる動画です。

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