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VTuber 2024.04.14

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~4月12日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

【新歓シーズン】新生活で気を付けたい!初心者狩り系ドカ酔いカクテル3選【551】

酒は悪くない、悪いのは人間、という発言には共感せざるを得ません。酒飲みVTuber今酒ハクノが、今まで数多の酒を飲んできたからこそ話せる、飲みやすすぎて酔いやすすぎるカクテルについての注意喚起動画をアップしました。よく言えば美味しく簡単に酔える。悪く言えば人を酔わせられる「初心者狩り」カクテル。被害者にならないよう、新大学生や新社会人は知識として知っておいて損のない内容です。

いつものような軽快なたとえネタ盛りだくさんのトークで、実際に作って飲みながらレビュー。パンチの強いお酒として有名なストロングゼロと比較しながら、美味しさの魅力はどこなのか、そしてどこがアルコールとして危険なのかを両立させて解説しています。初心者がうっかりストロングゼロより遥かに度数の高いお酒をグイグイ飲んでしまったら…語り口は楽しいのですが、聞いているとぎょっとする部分が多いです。
決して取り上げたお酒をだめだとは言っていません。むしろ本当に美味しいから愛されているのであり、悪用することへの嫌悪が伝わってきます。「変なことに使われる酒も気の毒」という発言は、お酒への愛情と酒飲みの矜持あふれるものです。大人の人間関係の注意喚起も兼ねた、今酒ハクノならではの説得力が高い動画でした。

1st night in cage – #Digital_Doll

https://www.youtube.com/watch?v=x2twi8Df9jU

Digital Doll Projectマリア・ブーゲンビリアが活動をスタートしました。リアル寄りで立体感強めな3Dビジュアルが印象的で、ドールらしい球体関節がとても美しいです。肌はビスクドール的な硬質感があるのですが、同時に口元の動きは非常に滑らかで、表情は温かみがあります。
仮想世界から転送している生配信では、視聴者がコメント欄で積極的に会話をしたり、アンケートに参加したりすることで、マリア・ブーゲンビリアの物語に関わっていくようになっています。中身はまだ真っ白なドールが、会話で色を獲得しているかのようです。 言葉を「噛む」ことを「バグ」と説明するなど、細かい発言で人形であることを強く感じさせてくれます。

このプロジェクトは「ドールの制作・販売と、物語朗読の配信を行ってまいります」と記載されています。これが何をするのか、現時点では明示されていません。マリア・ブーゲンビリアと同じスタイルの姉妹モデルが販売されるのか、それともマリア・ブーゲンビリア自体が販売されるのか?
まずはコメントにリアルタイムで参加してみてください。次の配信は4月16日(火)です。

【ぴのらぼ特別編】そもそも和歌ってどういうもの?【#るり先生とぴのらぼ /栞葉るり/カルロピノ】

カルロ・ピノは生物の本を3冊出版するほど、虫や動物についてとても詳しいVTuberです。そんな彼女が生物についてガチで解説する教養系配信シリーズ「ぴのらぼ」に、にじさんじ栞葉るりがゲストで登場しました。文学・古文ガチ勢として知られるVTuberです。

むし好きなカルロ・ピノに対して、和歌の中に出てくるむしを紹介。時代にあわせてどのようなむしが登場するのか、扱いはどう変わっていったのかがフリップにあわせて語られていきます。
例えば奈良時代は秋に鳴く虫は全部「こほろぎ」扱いだったとか、平安時代に入ってからは和歌においてむしはスター街道まっしぐらだったなど、解説が非常にわかりやすく興味深い切り口から語られています。教養の深さが語りのうまさにつながっている見事なプレゼンでした。

「ぴのらぼ」特別編では他に、日本きのこマイスター協会公認VTuberの奇ノ駒たんごに多様なきのこの世界の話を聞いたり、ホロライブの美術好きVTuber儒烏風亭らでんと生物から美術史を読み解いたりと、かなり本格的な教養配信コラボを行っています。
教養系VTuberは以前から多くいますが、最近また光が当たり始めています。カルロ・ピノや出演したVTuberたちがさらに教養を楽しむVTuberとしての発信をし、教養系VTuber全体が盛り上がることに期待できそうです。

【初配信】FMP組、デビュー決定【にじさんじ】

月ノ美兎が行ったエイプリルフール配信は、おそらく謎丿美兎が出るだろう、というところまではサムネイルでファンも読めていたと思います。なぜか同期デビューすることになった月ノ美兎と謎ノ美兎。月ノ美兎には現在のにじさんじの記憶はなく、なにやら変わったキャラ付けになっています。しかも謎ノ美兎に対してかなり上回った圧をかけていますが、どういう関係なのか…このあたりは実際に見てください。

謎ノ美兎との面白い展開を作り出すだけでも十分すごいのですが、今回は大きな仕掛けを用意していました。縦画面の同時配信です。途中に出てくるURLを押すと開くことが出来ます。
現在YouTubeは基本的に同時に2つの配信はできません。しかし縦画面配信と横画面配信はなぜか同時にできます。
この裏技的テクニックを用いて、横画面(メイン)と縦画面(裏)を同時に見せ、何が起きているかの種明かしをしています。縦画面側もしっかりとした配信で同時進行しているため、リアルタイムで見ていた人ならほぼぴったりの流れで見ることが出来たはずです。アーカイブで見る人は視聴者がまとめているタイムスタンプを活用してみてください。
バーチャルな存在だったらどこに移動してもおかしくない、というロジックをネット活用テクニックでエンタメに昇華した月ノ美兎ならではの凝った配信でした。

&night/月ノ宮よる

MVそのままで教育番組に使ってほしいくらい、優しいメロディとボーカルと歌詞、ハイクオリティな映像の、完成度が高い作品です。月ノ宮よるの「&night」はLo-Fiなイントロから夜の空気感を広げ、少ない音数ながらもユニークな音色が詰まっていることで心地よさが表現されています。月ノ宮よるのボーカルはぼんやりした憂鬱とそれを解放する脱力感、ふんわり楽しい夜のテンション、羽布団のような安心感がMIXされた声色で、聞いていてとても心地よく、適度な癒やしを与えてくれます。

月ノ宮よるはMVのアニメーションを自作しており、今回は特に裸足であちこち移動しているため、カットごとに色々なアニメーションが入る凝った映像になっています。シンプルながらも柔らかさが感じられる線の描き方と、目と心に優しい色味の使い方は彼女の素敵な個性になっています。

以前公開している「Filling」ではステラベリー制作の3Dの部屋が登場しており、こちらはVRChatで公開されていて実際に入ることができます。月ノ宮よるの世界観の一部になって写真を撮ることができるので是非足を運んでみてください。

【Official MV】Under, Water【RineiroN】

天秤ひなみ無常りんり笹百合ねね个亞巫めいによる4人組ユニットRineiroNによる5thオリジナルソングが公開されました。「バーチャル楽曲派アイドルグループ」と銘打っているだけあって、曲の構成とボーカルの実力はかなりのものです。

全員がバランスよく、透明な水の中をイメージさせる歌声でかつ個性が出ているのが特徴的な今回の作品。
「私たち泳ぎ続けたら どこまでも波紋は広がっていくよ」という歌詞は、まさに4人の歌と活動をそのまま表現しているかのよう。水の中から外側に波紋をもたらす様子は、爽やかで力強いです。4人が同時に歌うサビのパートは、それぞれの歌のよさを活かしつつうまく音が重なり合っており、響き方自体が波紋のようです。
心の騒ぐ方へと自由に、どこまでも泳ぎ続けるという決意とも言える歌詞を聴くと、彼女たちの未来を応援したくなります。

【初オリジナル曲】Rolling be Alright【谷マム / Vtuber】

谷マムは保健室登校の女子高生。日々様々な憂鬱にかられながらも配信という居場所を見つけてポジティブに暮らしている、自身のキャラクターソング的作品です。
曲調はとてもポップ。等身大女子高生感のあるキュートな歌声のテンションが、激しすぎず落ち込みすぎず、いい塩梅にMVを楽しいものにしています。

お布団抜け出せない、お風呂に入るのめんどくさい、お薬飲むのを忘れた、など一般的にはネガティブな方向に思考が傾きそうなワードがいくつも出てきます。しかし彼女はそれを全部そのまま受け止めて、ギリギリでもなんとかなるもの、明日の自分に期待、独りでいるときの方が楽だし最強な気分、と軽快に歌います。
この考え方は特に、鬱を抱えていたり、過去の悩みから抜け出せなかったり、未来の不安に苦しんでいる人にはかなり刺さるはずです。励ましでも応援でもない、視点の切り替え方を彼女はポップに歌っており、それをなだらかに実践している谷マムの姿は、とても魅力的です。

【オリジナル曲】無故吸 byカンチユウ

強烈に揺れる感情を音と言葉でぶちまける情熱のVSinger閑地游の新作は今までの作品を好きだった人なら確実に射抜いてくるクオリティの、心臓を鷲掴みにしてくる迫力を持った作品でした。
普段言わないことも、曲の中だったら言える。だから閑地游はこの曲の中で幾度も幾度も「死にたい」と、あらゆる感情をこめて叫びます。

絶叫のようなボーカルは鬼気迫るものがあり、中盤からのラッシュには圧倒されます。爆発したときの魂の叫び、高速で訴えるポエトリー、いずれも高いクオリティであるがゆえに、訴えている言葉はハードながらも聴きやすいです。
曲が三拍子になっているのですが、これには理由があるのも作中に出てきます。自虐とニヒリズムが渦を巻き、歌いながら浮かんでくる感情もそのままネガティブな言葉にしているため、聴いている側をも巻き込むパワーが生まれています。「人生の全ては芸の肥やしで 悲しい思いも苦しい思いも全部全部いつか曲になればいいと思って耐えている」という歌詞が入っていることで、歌詞全てが日々の苦しみの具体的な蓄積になっていること、それを全力でぶちまけつづけていることに気付かされると、言葉と歌声の表現の重みがぐんとアップします。

閑地游の曲は感情の熱がダイレクトに伝わってくる作品が多いです。言葉選びの鋭さもさることながら、ハイトーンまじりで難しいメロディを安定感を持って歌う歌唱力があるからこその表現です。一度聞いたら忘れられなくなる、作詞作曲動画すべて自分の閑地游ワールドの温度を是非味わってみてください。

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