日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)の動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。話題のものから個性派まで、要チェック!
【360°】Selow (Wahyu) | Maya Putri Cover
(4月5日)
インドネシアのVTuber・MayaPutriがアップしたのは、自国語の歌動画。さすがにインドネシア語はわからないなあと思ってみていたら、これ実は360度動画。前面にインドネシア語、右面に英語、左面に日本語の字幕が出ているというものすごく凝った、多言語動画になっています。
スマホVR等で見るのを推奨します。彼女の歌う様子のみならず、インドネシアの光景を360度楽しめるユニークな作品。背景も写真ではなく動画なので、臨場感抜群です。
幻惑の道化師・JOEの大サアカス
(4月1日)
毎回軽快なトークを繰り出すにじさんじのピエロ、ジョー・力一。普段は明るいギャグをばらまく彼ですが、エイプリルフールには360度動画で、胡散臭く怪しい「ピエロ」像を演出。PCでみてもこの世界観は十分面白いのですが、ぜひスマホVR等で! どこを向いてもジョー・力一がいて、淡々と話している。色味はめちゃくちゃにサイケデリック。酔います。「ピエロ」の語が持つペテン師感が表現されています。「嘘」の意味の使い方が見事。
Outro.C
(4月1日)
5つの人格があるAIと目覚めない少女の物語を描き続けている、出雲霞。先日そのうちの1つが消える、いわばバッドエンド的な展開が起きてしまいました。
エイプリルフールに、その消えた1番目が復活。また会えた!とファンを喜ばせたのもつかの間、「世界の外側にいる自分」と明言。彼女の世界(消えてしまった可能性)にはありえて、出雲霞の今後の物語には実在しない話を、エイプリルフールの嘘として提示してきました。
パラレルワールドを「嘘」として提示することで、その可能性を1つつぶしておく、という発想が、リアルタイム進行ストーリーテラーとして見事。
なんだかさっぱりわからない、という人も、とりあえず短い動画なので見てみてください。出雲霞というライバーがやっている表現のあり方のやばさが、これ一本で十分わかるはずです。
Living Doll To Virtual Girl
https://www.youtube.com/watch?v=NToeGvxIjgA
(3月30日)
自らの身体を理想にするためドール化し続けていYouTuberのVenusAngelic。彼女が先日、日本でも活躍しているVTuber・ジャバウォッキー・マリスだったことを公開。今後、次元を越えて理想に近づくため、ジャバウォッキー・マリスになったVenusAngelicになることを明かしました。
https://www.youtube.com/watch?v=j94OCD2_DsM
異例のできごとです。元々174万人の登録者をかかえた彼女が、あくまでも「自分の存在と美」の追求として転身した。しかも彼女が、すでに活動していたジャバウォッキー・マリスだと、ほとんどの人に気づかれていなかった。
日本のVTuberでもmillnaという、理想の自己を目指すために、3DCGの身体を作ったり、ドールを実際にかぶったり、試み続けているVTuber・アーティストがいます。バーチャルな身体、という意味では彼女もバーチャルなYouTuberの1人です。
https://www.youtube.com/watch?v=Wxj_0MSVOYE
https://www.youtube.com/watch?v=0JkK7CIH2OE
ジャバウォッキー・マリスが所属するWINKのメンバーは、中国のbilibili動画などで積極的に活動し、人気を集めています。
魂の人を明かしたことで、今後ジャバウォッキー・マリスは「キャラクター」ではなく「13歳の時から8年YouTuber活動をしてきたVenusAngelicのアバター」となりました。どう表現を広げていくか、注目です。
(前半)Re : 自分自身と向き合う放送
https://www.youtube.com/watch?v=cwVlL80H9Zc
(4月3日)
雨森小夜は、配信内で唐突に手の混んだ、ちょっと不思議な仕込みを見せる、視聴していて気が抜けないVTuber。「自分自身を向き合う放送」では、鏡の中にいる自分自身に対して問いかけ、会話していく(返答もある)配信を見せました。3月13日に行われた配信のグレードアップ版という感じ。これ、精神が崩壊するやつだ。
テクニックとしては、自分のボイスボタンを会話にあわせて押していく、というものなのですが、このレスポンスがやたらテンポがいい。配信芸としての能力と、掴みどころのないシュールな空気づくりが際立っているVTuberです。
https://www.youtube.com/watch?v=84d9ooGeH48
https://www.youtube.com/watch?v=KgRZ5ohwLKc
運営から言われた、画面に動きがあったほうがいい、という指摘を受けて、背景と自分が動きまくる配信も披露していました。下準備が大変そうな、かつアバンギャルドすぎる映像です。運営に「ゲームがおすすめ」と言われたがゆえに、自分がゲームになったUFOキャッチャー配信は、ラストの「音ゲー」まで必見。
https://www.youtube.com/watch?v=Il47c3PfFRA
3DS風画面で雨森小夜にタッチする演出の「ときめきサヨプラス+」では、様々な角度で見せてくれる上に、しっかりオチもある。OP(?)にもびっくり。凝った企画の配信が見たい人は要チェック。
【豈朱?ア驥第屆23:00謚慕ィソ】縺励e縺?∪縺、縺ョ繝阪う_10「繝ャ繧、繝ッ20-Tower of Babel-」
(4月5日)
微生物型バーチャルYouTuberの雨ノ葉ネイ。ミジンコと比べられるくらいに小さいVTuber。人間の情報を集めるために活動を始めたそうです。
雨ノ葉ネイは毎週金曜日に「しゅうまつのネイ」という動画を、ナンバリングで9回までアップしてきました。次は10回め……と思って開いた所、猛烈な文字化け。読めるアルファベットは「バベルの塔」。あからさまに怪しい。
今までのネイの動画は、小さい女の子が妖精のように楽しく過ごしている癒やし動画……ともとれました。ただ「人間の情報を集める」のあたりや、「week end」が塗りつぶされているあたり(world endに見えますが……)から、不穏な空気はちらっと見えていた。ここにきて何か大きく動き始めるのだろうか?
https://www.youtube.com/watch?v=Ck3Wl0cxXcQ
バンクシーのストリートアートをパロディ化したものは、ウィットにあふれている動画。今後の展開や動画のテクニック含め、毎週楽しみなVTuberです。
ゆのみユノチャンネルが一年越しで出してきた謎
ゆのみユノは、女の子のユノと猫のゆのみが始めたチャンネル。今週に入ってからの展開、ハラハラします。何かが起きている。
ちょうど1年前の2018年4月1日にスタートしたチャンネルです。なぜかユノは性別等すらも忘れてしまう、ポンコツすぎる子でした。明るい、一般的なVTuberを目指しているかのようでした。
ところが昨年は全く音沙汰なし。今年の2月1日に唐突に復活しまし。その後は頻繁に、ビデオデッキのような機械の上に乗ったゆのみと、ゆったり暮らすユノとの会話のショート動画があげられました。
動画投稿を見続けると、どうも様子がおかしい。ゆのみとユノの間に多数謎があることが浮き彫りになりはじめます。2月27日の動画では、2018年に2月27日(活動開始前)に撮影しているゆのみが登場。ユノの真相を明かします。
これによって、チャンネルが1年沈黙していたわけではなく、1年かけて物語のフラグを立てていたという、ものすごいプロジェクトなのが判明します。
3月26日。ゆのみが泣いています。「ゆのみ」という名前はユノが付けた名前。ところがユノはここでゆのみに対して「泣かないで猫ちゃん」と話しかけている。忘れてしまっている。
3月30日には、ゆのみがYouTube動画を撮ることを提案する動画がアップされています。ということはこれは2018年の3月30日でしょう。
3月31日。制服がかかっている(かかっている回とかかっていない回があり、時系列が異なっています)。機械が降ろされている。ゆのみがいない。不安にかられる映像が映し出されます。
そして4月1日、初投稿から一年。記憶を失っているのであろうユノが、2018年初投稿の動画を、怪訝なような、悲しそうなような顔で見ています。そこにゆのみはいません。
今いるユノは誰なのか? ゆのみは実在しているのか? 1年の間何があったのか? あの機械はなにか? 時系列はどうなっているのか? 他の記録はどのようなものなのか?
何もかもが心を刺激しては、不安にさせてくる作品群。動画同士のつながりが緻密に設計されており、あちこち会話から画面から伏線だらけです。そもそも4月1日の動画の「vol.1 ゆのみユノ」は何を指すんだろう、続くんだろうか?
是非、自己紹介の1話から見てみてください。そして、まさに今リアルタイムで進んでいると思われるので、ここから追い始めてください。個々の動画は短いのですぐ見られます。
【アルテマ音楽祭】音の凝縮版 – Altema Music Festival 60min
(4月4日)
おきゅたんbotのチャンネルに、先日行われた「アルテマ音楽祭」のアーカイブ編集版がアップされました。
アルテマ音楽祭とは、VRChatを利用して最大限の演出を楽しむ、音楽フェスティバルのこと。動画の最初に出てくるらくとあいすや番匠カンナの、空間美術やVR楽器(バーチャル空間内で演奏する楽器)は、その音楽表現の最たるもの。
他にもオルタナティブVRミュージシャンのmemexなども参加。動画でも見るだけでもかなり面白いのですが、この壮大すぎる演出の数々は是非VRで見てみたい! なお「バーチャルマーケット2」でもアルテマ音楽祭のギミックを体験できる部分がありました。
蒼に躊躇う – 花鋏キョウ MV
(4月3日)
花鋏キョウ、初のオリジナルソングが公開、そして3Dモデルのお披露目! Re:A Project初の3D化です。
新曲「蒼に躊躇う」は、ボカロPのポリスピカデリーが担当。花鋏キョウのみずみずしい声が、切なくも力強い曲調を見事に表現しています。
3Dモデルは、ふんわりした彼女の表情と真面目な空気感がばっちり再現されています。普段から凝ったMVを多数作っている彼女、今後幅広い表現でどのようなMVが作られるのか、非常に楽しみです。
Re:A Projectでは今ストーリー展開がはじまり、あわせて連動型楽曲も配信されました。まだまだはじまったばかりなので、今後も見守りたいところです。
#49 渚乃奏「恋と貧困と幸福を 2019」【MV】
(4月1日)
渚乃奏によるMVは、作詞作曲編曲が本人、モデルも本人、それどころか3DCGのビルひとつひとつまで全部本人、という大作。制作についてはこちらのnoteにかかれています。
UnityでMVを初めて作った【making of 恋と貧困と幸福を 2019】|渚乃奏|note
エモーショナルな歌詞に、ミドルテンポの染み込むようなメロディ。背景はところどころサイバーパンク。
3月11日にアップされた、メッセージ性の強い楽曲「僕らの生義は」のMVも、歌詞と内容あわせて、頭に焼き付く印象的な作品になっています。
さくらびと。/ 葵桜玖耶【オリジナル曲】
(4月4日)
葵桜玖耶は、2015年から活動している静岡市のご当地PRキャラクター。昨年11月にVTuberになりました。
彼女が披露したのは、静岡の愛あふれるオリジナルソング。これが疾走感溢れており非常にかっこいい。開始数秒で引き込まれること間違い無しの高速和ロック。スネアの音がリズミカル。背景は静岡の美しい映像が流れます。
歌うVTuberが一般化してきている今、故郷のPRとしてのVTuberMVは、長い目で見て効果がありそうです。
バーチャルライブ(仮)2nd ~前田花奈ソロライブ~ presented by バチャカリ
(4月2日)
バーチャルアイドル(仮)の前田花奈のソロライブ映像のアーカイブがアップされました。先回の大鳥一姫のライブが、いい意味で現実的なライブハウスを再現したものだとしたら、今回の前田花奈のライブはVRらしさを生かしたパーティクルライブを演出として盛り込み、より魅せ方を変えてきた、という印象。途中、メンバーの風見舞子とのデュエットもあります。
Clusterで視聴者が参加できる配信を度々行っているバチャカリ。かなり凝った内容を安価で見られる、至れり尽くせりのものでした。今後もVRライブならではのものにどんどん挑戦し、楽しませてほしいところです。
過去のおすすめ記事はこちらから:
必見!今週のおすすめVTuber