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VTuber 2022.03.14

VTuber甲賀流忍者ぽんぽこインタビュー 動画のアイデアはどのように生まれる?【レンタルぽんぽこコラボ】

現在VTuber甲賀流忍者ぽんぽこさんが「レンタルぽんぽこ始めます。」という企画を実施しており、期間内にコラボできた人数を相棒のピーナッツくんと競っています。今回MoguLiveで、ぽんぽこさんに「レンタルコラボ企画としてインタビューをお願いできないか」を打診してみたところ、ご本人からOKをいただきました。

インタビューテーマは「動画のアイデアはどのようにして生まれるか?」。日頃YouTubeで、100円均一商品レビューや、激辛食品挑戦、VRChatワールド紹介、VTuberドッキリ企画など、ユニークかつ体当たりな動画を数多く制作しているぽんぽこさんに、その舞台裏についてお聞きしました。

メモしてしまった時点でもう基本「面白くないな」って

――「レンタルぽんぽこ」コラボありがとうございます。本当にぽんぽこさんのインタビューは念願の企画でした。

甲賀流忍者ぽんぽこ(以下ぽんぽこ):

本当ですか! 嬉しいです~。ピーナッツくんはよくインタビューとかあるんですけど、わたしは滅多にこないので。(ソロでは)初めてな気がしますね。ハードルは軽く下げてもらえるとうれしいです(笑)。

――いえいえ、こちらこそです。今もYouTubeではショート動画を含めて毎日のように動画を投稿されていますね。

ぽんぽこ:

そうですね。PCダメになったので更新できてないです! ぽこピーレンタル企画でコラボしまくってます!

――本当に数多くの企画動画を制作されていますが、 そもそも動画の企画アイデアはどのように生み出しているのでしょうか?

ぽんぽこ:

アイデアは本当に…… YouTuberさんはめちゃくちゃ見てますね。基本私がYouTuberさんの動画企画を見て、ピーナッツくんは結構テレビの企画を色々知っているので、それを組み合わせることが多い気がします。

例えば、今日上がったショート動画だと「右左どっち?」っていうYouTuberさんの間ですごい流行っている企画があって、パソコンが壊れたタイミングで、ちょっとやってみようかなって思って投稿したんです。

(チェリオから発売されている飲み物を「右左どっち?」で決めて、ミキサーで混ぜ合わせていくショート動画)

普通の「右左どっち?」って、左右に置かれた食べ物を見えない状態で次々と選んで、その結果を混ぜるっていう内容なんですけども、オリジナリティーというか、自分らしさが欲しくて、ピーナッツくんとアイデアを7、8個くらい出して、それでチェリオの飲料水を混ぜるっていう内容にした感じですね。

――ピーナッツくんと企画を相談しながら決めることが多いのでしょうか?

ぽんぽこ:

あ~~、7割私が勝手に決めちゃってます(笑)。アイデアがでなくなったら、ピーナッツくんから持ちかけてくれます。でも企画の内容の7割が決まっていても、残りの3割「もうちょっと面白くしたい」って部分があるんですよね。「ここまでは出てるんだけどな……」みたいな。

例えば「アウトレットで安い物を購入して予想金額の差額を競う」というアイデアまでは固まっているんですけど、もう一息何かほしいってところで(ピーナッツくんが)「ハイブランドのアウトレットで予想金額の差額を競う」って決めてくれるんです。

(高級ブランド店の商品をお互いに購入して値段を当て合う動画)

――その動画を見ましたが、ハイブランドのショップ店員に「一番安いものください」と聞くのは大変勇気がいるなと思っていました(笑)。

ぽんぽこ:

あれは店員さんに「友達にちょっとしたプレゼントを買いたいんですけど」っていうかたちでお願いしてました(笑)。「そんなハイブランドを送るってほどの仲じゃないんですが」って言いながら金額を聞き出すみたいなことをやりまして。

――……本当にすごいですね。そもそも、ぽんぽこさんが企画の内容を7割決めている時点で非常に驚かされたのですが。

ぽんぽこ:

ピーナッツくんにも、だいぶ助けてもらってますけどね。最後の一息の「面白くする要素」みたいなところを「テレビだとこうやってるよ」みたいに言ってくれて、それを混ぜながら考えているところがありますね。

――料理の仕上げの味付けをピーナッツくんが担当しているようなイメージでしょうか?

ぽんぽこ:

そんな感じですね。味付けはピーナッツくんがやっちゃってますね。

――日頃から思いついた企画のアイデアっていうのはメモされたりしてストックしているのでしょうか?

ぽんぽこ:

メモはしてますね。ただ、メモしたものはあんまり意味ないんです。今思いついたものをどんどんやっていきたいタイプなので。メモしてしまった時点でもう基本「面白くないな」って。勢いがないとできないんですよね。「これやったらおもろいやん」でしかできない。「おもしろいかな?」って思う程度のものはメモしてネタ切れしたときに使うって感じですね。

――えっ? ……ということは、その日のうちに動画のアイデアを出して、すぐに撮影に動いているってことですか?

ぽんぽこ:

そうですね。テンション高くないと作れないんで。

――(呆然として)すごすぎます……普通であればスケジュールを組んで、動画のストックを溜め込んでおいて、計画的に投稿するというスタイルになると思うのですが。

ぽんぽこ:

性格上、そういうのが決まっていると面白くなく感じてしまうので。だからストックしていた動画もあったんですけど、全然面白くなくて編集が止まってしまうっていうことがあるんですよね。今を生きすぎている。

もちろん、新商品の発売日とか季節に合わせた企画もあるんですけど、思いついた面白いネタは昨日今日で撮ってしまいたいなって感じですね。

ただ師匠のデカキンさんが「『右左どっち?』とかは絶対やれ!」ってLINEしてくれたのに、弟子としてはちょっと流行に乗るのに遅れてしまったな……って思っています。「攻め続けろ」という言葉を一生背中に背負ってやってます。

――デカキンさんからの影響は大きいわけですね。

ぽんぽこ:

そうですね。それから平成フラミンゴさんやコムドットさんのような新世代YouTuberと言われる方々の動画はほとんど見てますね。振り返ってみると、もともと毎日動画投稿をはじめた頃って、まだそういったことをされているVTuberの方がほとんどいなかったので、スカイピースさんや水溜りボンドさんの動画に影響をとても受けました。最大リスペクトしてます!

――今名前の出たYouTuberさんの企画のアイデアは、ぽんぽこさんの動画と共通する部分があるように感じられます。

ぽんぽこ:

結構影響を受けてますね。そこからしか学んでいないので、動画作りを。「かっこいいなー」ってずっと思っていますね。さっきの新世代YouTuberさんも勢いというか熱量がすごいので。みんなで紅白運動会をやったりもしていて、「やっぱりすごいなーYouTuberって」って思います。勝手にその新世代に混ざった気になって勝手に焦って、勝手に刺激もらってます(笑)。

――行動力という点で言えば、ぽんぽこさんも空港チケットのガチャで決まった北海道旅行に向かったりと、驚かされるものがあります。

(空港券の入ったガチャガチャを回した結果当たった北海道へ旅行することに)

ぽんぽこ:

ああいった動画は全部気分転換ですね。毎日家で動画を撮っていると、VTuberって映像の代わり映えがないじゃないですか。だから旅行動画とかで変化があると、編集するときの気分もリセット感がすごいので。視聴者さんから見ても、色んな動画が出ている方が楽しいかなって。視聴者さんが飽きないためにっていうのもありますけど、自分が飽きないためにやってますね。

「生きてるな」って感じられる瞬間がVTuberで一番楽しいんですよ

――ここ最近投稿した動画で個人的に気に入っている企画はどれでしょうか?

ぽんぽこ:

最近気に入っている動画ですと、伝説のたこ焼きづくりです。

(タコ1匹をそのまま作ったたこ焼き作りに挑戦。ぽんぽこさんの手の動きに注目)

自分の手の動きとタコを焼いているときの動きをリンクさせて、本当にVTuberがたこ焼きをその場でつくっているかのように見せるため、すごい頑張ったんですよね。楽しかったんで、これは気に入ってます。

――リアルな動きに見えるように細かいところまでこだわり抜かれていますね。

ぽんぽこ:

楽しいんですよね。「生きてるな」って感じられる瞬間がVTuberで一番楽しいんですよ。最初にキズナアイちゃんを見た時にほとんどの人が「これって今動いてるの?」って驚くんだと思うんですけど、アニメのような一人ひとりの書き込んだ絵とは違った、リアルタイムのキャラクターの動きがすごい好きで。ぬいぐるみに命が宿ったみたいな感じというか、そういう「生きている」感じが好きなんですよね。だから、たこ焼きつくっているシーンを撮っているときとかは「VTuber楽しい~!」って思います。

――ぽんぽこさんの動画ではよくVRChatのワールドも利用されています。そうした動画でも、おふたりが活発に動かれていて楽しさが伝わってきます。

(大規模なVRChatのホラー動画。全4回にもなる大型企画に)

ぽんぽこ:

VRChatマジで楽しいです! VTuberが生きてますよね。ワールドを背景にして自分を撮影すすると、本当にこの場所に来ているっていう感じが出てきて。

――個人的には、VRChatワールド撮影時の、ぽんぽこさんのカメラワークが素晴らしいと思っていて。

ぽんぽこ:

「あんまり気づかれてない部分かな?」って思っていたんでうれしいです! まだほとんどの人たちがVRChatを知らなくて「これって中に入ってるの?」とか「デスクトップでプレイしてるの?」と聞かれることも多くて。その場でパパッと思いつきでカメラを使って撮っているんですけど、VRChatでは「見やすい」を第一に考えてますね。

VRChatって左手側でスマホみたいに自分が今どのように撮れているのかを確認できるじゃないですか。それでホラーワールドを探索するときも、ビビりながら横目に「いいの撮れてるな」って思ってます(笑)。面白い部分をつくるのはピーナッツくん担当なので、「はい、ここで面白いこと言ってもろて」みたいにお願いしてますね。

後から自分で見て笑えるシーンが絶対欲しい

――動画の撮影時はピーナッツくんのリアクションなどはある程度想定しつつ撮影している感じでしょうか?

ぽんぽこ:

台本とか一切ないんで行き当たりばったりです。

――(驚きのあまりうまく返せず)なるほど……。

ぽんぽこ:

その場で「リアクションおもんなかったから、もう一個ちょうだい」みたいなことをどんどん言います。

――それで、ピーナッツくんは大丈夫なんですか?

ぽんぽこ:

全然。何個でも出してくれるんで。ドッキリ企画とかでは一度しかリアクションできないですけど、そうでないところでは何回でもしてくれます。「今のツッコミよく分からんから、5秒前位前くらいに言ったのと同じことを言うから、別のツッコミをくれって」っていうやりとりがエグいくらいあります(笑)。

――ぽんぽこさんが出演者をやりながら監督を同時にこなしているような印象ですね。

ぽんぽこ:

ピーナッツくんからも指示あったりするのでお互いって感じです。以前、スカイピースのじんたんさんが撮影データのノーカット版を動画で出していたんですけど、それがメチャクチャおもろくて。えぐいぐらい撮りなおしてるんですよ。それを見て「やっぱりそうですよね」って思って。

やっぱり、おもしろいを軸に頑張っていきたいなって思うんです。後から動画を見直したときに自分の笑えるシーンを絶対に1個か2個は最低でも欲しいっていうのがあって。そのためにいろんなパターンを撮っています。

――この後に「大変だった企画」を質問しようと思ったのですが、その話を聞けば大変さが伝わってきますね。

ぽんぽこ:

いえいえ、大変だった企画……。伝説のたこ焼きは大変だったけど楽しかったし……。ピーナッツくんは滝行が今年大変だったベストの思い出になってるって言ってます。私は滝行は気分転換で楽しいので。なんともないというか。

(今年の1月に滝行に挑戦。ピーナッツくんは絶叫しながらリタイヤ)

――(なんとも無い……??)

ぽんぽこ:

ピーナッツくんは滝行恐怖症みたいになってて。「なんか大げさだな―」って思ってました(笑)。大変だった企画こそ、テンション上がっちゃうんですよね。滝行もそうですけど。

マジできつかったのは、兎田ぺこらちゃんの人参を食べる企画ですね。

(にんじんの早食い企画。にんじんジュースでうまくいくはずだったが……)

大変だったんですけど、終わった瞬間に「うわ、YouTuber してんな! 楽しい!」ってわけわからんアドレナリンが出ちゃって。この企画も、もう「きつい」から「楽しい」に変わっちゃってるんですよね。

それから今度「ヤマザキ春のパン祭りの点数全部貯まるまでパン生活」っていうチャレンジが公開されるんですけど。

――恐ろしいことをやっていますね。

ぽんぽこ:

これは終わった後もテンションが上がんなくてマジできつかった。今年1番だったかもしれないくらいきつかったですね。

――本当にすごすぎて言葉が出てこないんですが……。

ぽんぽこ:

本当にすごくないです。ヘラヘラやってるだけなんで(笑)。

動画が失敗するくらいじゃあメンタルがやられない

――せっかく撮影した企画がボツになることもあるのでしょうか?

ぽんぽこ:

去年はボツ多かったですね。それはストックをためておこうと思った結果でした。例えば「新500円玉に出合えるまでイオンで買い物」みたいな企画をやったんですけど、3、4時間くらい買い物して結局出合えず、「東京でみつけたときにオチを取るかな」って言ったままボツになってますね。

――4時間の収録がお蔵入りになるのはショックですよね。

ぽんぽこ:

「今日は動画お休みです」っていうツイートして、その日は休みにしちゃうので開放感あります。

――メンタルが強すぎませんか!?

ぽんぽこ:

全然強くないですよ! 動画が失敗するくらいじゃあメンタルがやられないんですよね、多分。おもんない動画をあげてしまった時が一番メンタルやられます。「マジ、今日の動画笑えるとこ無っ!」 っていうのが辛すぎて。

だから、例えば、ありがたいことに複数の案件動画の依頼をいただくこともあるんですけど、結果的に面白くならない動画を作ってしまうのが辛いんです。だから、編集のモチベのためにも、マジで動画として面白くなる案件しか受けないようにしようってなってます。

――案件と言えば、滋賀県公式から依頼された介護施設の職場体験動画は非常に良かったです。

(滋賀県の介護施設を職場体験。介護用リフトに吊り下げられるピーナッツくん)

ぽんぽこ:

あれはありがたい! 着ぐるみをリフトで持ち運ぶシーンが撮れただけで私は満足です。自分たちだけで撮れないものが撮れた時が、楽しいので。

――またキャンプの時にアウトドアで「Jackery ポータブル電源 1000」を利用した案件動画も、ぽんぽこさんの動画らしい企画になっていた印象です。

(ポータブル電源でアウトドアを満喫。ポップコーンづくりに挑戦する一幕も)

ぽんぽこ:

キャンプ動画は絶対面白いんだろうなって。あと、あれ欲しかったんです、普通に。「もらえるじゃん」みたいな感じでやりました(笑)。

私にとっての「ラブライブ!」は「DAISO」

――ぽんぽこさんは「百均グッズレビュー」、ピーナッツくんは「サウナレポート」とレギュラー化している企画もありますね。そういった企画はどのような経緯で決まったのでしょうか?

(百均のグッズを特集するレギュラー企画。ぽんぽこさんのテンションが高い)

ぽんぽこ:

初期の頃はデカキンさんに「絶対毎日投稿した方がいい!」ってアドバイスもらってから、どんなクオリティであっても投稿していたんですよ。ただ、そのなかで自分たちのシリーズものと呼べるものがマジでなくて。

YouTuberさんって当たった企画を繰り返していきつつ、ルーチン化していくっていう流れが絶対あるんです。「おめシスだったら遊戯王」みたいな。そういうのがなかったんです。ホラー体験動画は何度かやっていたんですけど、あんまり再生が伸びなかったんですよね。それでもホラーが好きだから「再生数は伸びなくてもやろう」って思っていて、ただそんなに頻度は高くできないなーって。

それで2年目になって生放送で100均グッズのことを話したんですよね。あんまり百均好きとかって言いたくなかったんですよ。今はめっちゃ言ってますけど(笑)。「百均が好きっていうの恥ずかしい」って思ってたんですよね、その頃。ただ、ピーナッツくんから「百均のレシートばかり出てくる」とかっていじられて「もう、DAISO行く企画やってもいいか」って。

最初の百均グッズレビューは再生数そんなに伸びなかったんですけど、一度百均のことを話してみると、すごい楽しくなっちゃって。ホラー体験動画みたいに「自分の好きなモノだからやってみるか」って気持ちになったんです。それで続けていったら、再生数的にも視聴者のリアクション的にも良くて。そもそも安いものが好きなので、セール品とかをレビューするのにマッチするなって思ってから、シリーズが増えていった感じですね。

――ぽんぽこさんの百均グッズレビューは本当にめちゃくちゃ好きなことが伝わってきます。

ぽんぽこ:

え? みんなこれくらい好きだと思いますよ。インスタとかでおすすめグッズをまとめてる人と変わらないかなと、そう思うんですけどね。「みんな、これくらい好きなんじゃないかな?」って。

――グッズの一つひとつの魅力を語れる人は少ないかと思いますが。

ぽんぽこ:

語れる人絶対いますよ! そう思って動画あげてます。女の子友達とかとも「なんか今月百均でいいのあった?」って、めっちゃしゃべりますし。

――すみません、自分の周りにそんなタイプの友人がいなかったので。

ぽんぽこ:

たしかに、ぽんぽこちゃんねるって男性視聴者が結構多いので新鮮かもしれないですね。オタクの人みたいに何かにハマっているものがないので、(私にとって)それが百均なんだと思います。みんなが「ラブライブ!」のこと喋ってるテンションで話している気がしますね。私にとっての「ラブライブ!」はDAISOだったんですね。

根本的に刺激を求めて生きてる

――辛い系や食べる系の動画もよく投稿されていますね。

ぽんぽこ:

辛い系の食べる系の動画って本当に再生数が伸びるんですよ。分かりやすく伸びるから安定的に入れていきたいなって思ってます。やりすぎたくないってのがあって、バランスをとりつつ、10本に1本できたらいいなって。パッと撮れちゃうので、ついやっちゃうみたいなところもあるんですけど。

――単純に食べるだけではなく、ガチ恋ぽんぽこさんが登場するといった企画のユニークさも人気のポイントのひとつだと思います。

(ぽんぽこさんの別人格?ガチ恋ぽんぽこさんが激辛系の食品をレビューするシリーズ)

ぽんぽこ:

そうですね(笑)。初期だったらどんどん食べるだけの動画をあげてたんですよ。ただ、それで前回と同じようにやったら、編集する側としても「すごいおもろくないな」って気分になっちゃうんですよね。そんななかで「なんか出したいな」って2人で話し合って、今の感じですね。

――本当に体を張られてますよね。

ぽんぽこ:

いえいえ、本当はペヤングの「獄激辛ファイナル」をすぐ出さないといけないのに今日和ってるんで(笑)。本当はすぐ出さないといけないのに、いろんなYouTuberさんのリアクションを見て完全に日和ってます。辛いのダメなんですよ。いけるタイプではないので。

でも、はじめしゃちょーさんは辛いのダメなのに食べているので。私はいつもはじめしゃちょーさんの激辛挑戦動画を見て「はじめしゃちょーさんが食べたのなら、食べよう」ってがんばってます。

――YouTuberは大変な職業ですね……。

ぽんぽこ:

ホラーが好きなのって、心臓がびっくりしてドッドッってなるじゃないですか。あれ大好きで。バンジーとかも「生きてるな~!」って感じなので、体を張るのが大好きなんだと思います。根本的に刺激を求めて生きてる。

――刺激を求めて生きてる、と。

ぽんぽこ:

マジでそうですね。刺激を求めて生きています。

サムネイルに時間をかけるのが一番大事

――編集はどのような体制でやられているんですか?

ぽんぽこ:

ピーナッツくんがサムネ(サムネイル)担当、私が編集ですね。

――ぽんぽこさんが映像の中身をほぼ担当されているわけですね。

ぽんぽこ:

そうですね。でも、この分担にしてから、ピーナッツくんがすごいサムネに力を入れてくれてます。サムネイルに時間をかけるのが一番大事なので、1枚描くのに数時間かけてますね。

――それだけYouTuberにとってサムネイルは非常に重要だと。

ぽんぽこ:

「編集の字幕を無くしてでもサムネに力を入れるべき」ってくらいには大事ですね。

――おふたりの顔のバリエーションは非常に多いですよね。

ぽんぽこ:

そうですね。最初の頃のサムネって顔のパターンが4つ、多くて6って感じで、それだと「前に見た動画と同じ(印象)だね」って感じしかしないし「おもろくないな」って。だから、顔の部分にほぼ絵を描くようにして新しい口を描くみたいことを(ピーナッツくんが)やってくれていますね。

――動画編集自体もとても骨の折れる作業だと思います。

ぽんぽこ:

そうですね。 編集は1本8時間とか10時間かかってしまうので。「数時間収録して8時間編集する」みたいな感じではありますね。面白いのが撮れると、いい動画にしたくなっちゃうんですよね。おもんない動画も面白くしたいから編集に力が入っちゃう。

――場面に応じて字幕のフォントを変えていくといった細かな部分の編集までされている印象です。

ぽんぽこ:

フォントって動画をつくっていくうちに買ったりするので、どんどん増えていくじゃないですか。それでクオリティが上がっていってるように見えるっていうのはありますね。

最近の新世代YouTuberさんの動画とかは本当に全部の言葉に字幕を入れているような勢いなんです。お風呂入りながらとか移動しながらのときに動画をみて字幕が入っていると、めっちゃ見やすいんですよね。

特にVTuberの口の動きって、ぽんぽことピーナッツくんだけでも全然違うじゃないですか(笑)。人間が予想できないような口の動きをしているので、字幕を入れないとやっぱり分かんないなって思って。

――他に編集で力を入れている部分はどういったことでしょうか?

ぽんぽこ:

テンポですかね。カットに一番時間をかけてる気がするんで。他の人と比べてもカット割りはすっごい細かくやっていると思います。

VRChatの動画のときとか、カットの時間のかけ方がやばいですね。例えば、階段を降りてくるシーンに別の面白かったおしゃべりシーンを貼っつけて見やすくするみたいな、そんなカット割りをしています。

――VRChat動画でのテンポの良さはそうやって生まれているわけですね。

ぽんぽこ:

ガッチガチに短くしてますね。それと視聴者が酔わないようにするのを意識しています。完成した時は気持ちいいですね、VRChatの動画は。

NGシーン集をまとめているときも、本当にYouTuberさんみたいにカメラを持って撮っているという感じがあって。映像に動きがあってキャラクターが全身映ってる。VTuberさんて普段は足元とか全然映らないじゃないですか。だけどガッチマンさんとかの全身が映っていると、「あ~たのしい~VTuberしてる~」って思います。

ガッチマンさんやミミックさんとホラー体験でコラボすることも)

「すごい」を「面白い」で埋めたい

――先日行われたAllGuysコラボ企画も、ものすごいクオリティの高い動画でした。

天開司歌衣メイカガッチマンV兎鞠まりのAllGuysメンバーとデス・ゲーム)

ぽんぽこ:

あれとかもう「VTuber、最高!」って思いましたね。私のやりたいことはこういうことですね。

――「バーチャルのメディア」という収録スタジオで撮影されたものですね。

ぽんぽこ:

バーチャルのメディアさんが本当に気軽にスタジオを貸してくれるので、ありがたくて仕方ないですね。これまでにも撮影に使わせてもらったんですが、結構食べる系の企画が多くて。「VTuberがスタジオで動いて面白い企画」ってなんだろうってずっと考えてたんです。これが本当に意外と難しいんですよ、なかなかアイデアが出てこないんです。

フルトラ(※フルトラッキング)のできるスタジオって、VTuberが座ったりできるんですけど、座っていることの凄さってあんまり伝わらないんです。「VTuberが座ってモノを食べてる」って結構すごいことなんですけど、視聴者さんから見ると「フルトラなのに食べるんかい!」みたいに映っちゃうんですよ。

それで「3Dスタジオの活かし方ってなんか無いかな―」ってピーナッツくんと喋ってて。そういえば「脱出ゲームDERO!」(※日本テレビの密室謎解きバラエティー)て番組あったなって。密室だったらスタジオがそこまで広くなくても大丈夫だし、パロディーを作れるんじゃないかって相談しました。

それで、スタジオの人とともどうやって再現するか話し合いました。VTuberの乗ってる木の板の部分って椅子なんですけど、それを手動で動かしているんですよ。それで問題の時間に合わせて動かしていって、レッドラインを超えたら(VTuberが)飛び降りるっていう。それをどんな構図で撮れば映像的に良いのかを、本家の番組を参考にしながら作っていった感じです。

――3Dスタジオを利用したVTuberの動画は非常に見応えのあるものが多いですね。

ぽんぽこ:

今年は「3Dを使って何ができるか?」っていうのをやりたいと思っていますね。「新しいことってなんだろう?」って。例えば、にじさんじさんでも卓球やったりバランスボールやったりと、色々挑戦してるじゃないですか。にじさんじのARライブとかもマジで最高で。そういった企画も3Dで何ができるかを必死に考えた結果、技術を詰め込んで生まれたものだと思うんですよ。ああいうのが好きなんですよね。

それこそ、このあいだのキズナアイちゃんの最後のライブの階段を降りていくシーンとかテンション上がりますよね。「階段を降りてらぁ!!」みたいな(笑)。ドレスの衣装を引きずりながら歩いている感じとか、技術のことよく分かんなくても「うわー! すげー!」って思っちゃう。多分、そういう感動できるって、いつもの動画とは何かが違うじゃないですか。

AllGuysコラボのときも、VTuberが飛び降りるシーンってあんまりないと思うんですよ。視聴者的には、そのすごさに気づかなくても「おもしろ!」ってなると思うんです。だから「すごい!」ってなるところを「面白い!」で埋めたいですね。

――ありがとうございます。最後にぽんぽこさんの今後の目標をお聞かせください。

ぽんぽこ:

大型企画で100万再生いきたいですね! やりたい企画は何個かあるので、狙った動画で達成できればうれしいです。あと、それから、VRChatに建設予定の「遊園地」もあります! 今は視聴者のみんなから寄せられたアイデアをまとめている最中です。面白いアイディアが出てきてるので楽しみです!

――ありがとうございました。今後の活躍にも期待しております。

ぽんぽこちゃんねる:
https://www.youtube.com/channel/UC1EB8moGYdkoZQfWHjh7Ivw

聞き手:ゆりいか


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