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VTuber 2021.12.13

サンリオ来場者が言葉を失い茫然としたVTuberキヌのVRパフォーマンス 現場では何が起きていたのか?

12月11日(土)12日(日)の2日間にかけて行われたサンリオの公式バーチャルイベント「SANRIO Virtual FES」。その無料ライブのひとつとして行われたVTuberキヌさんのパフォーマンスが、体験した来場者たちの大きな話題となっています。著者もその現場に立ち会い、あまりの出来事に涙してしまったほど。今回は現場で一体何が起きたのか、その一部を紹介します。

そのパフォーマンスが行われたのは、無料エリア「B4 CHILL PARK」。20時半ちょうどになると、キヌさんの顔のアイコンが画面に登場し、これから行われるパフォーマンスについてアナウンスが行われました。

しかし、その時点から通常のライブには無い違和感がありました。ステージから少し離れた空間に、一本のテスラコイルのような光の柱が出現し、稲妻を発生させていたからです。

やがてアイコンは点滅し、目の前の視界が歪んで見えたり、地震のような揺れが起きているように感じたりと、サンリオキャラに囲まれたポップな空間で不穏な現象が……。音楽も次第に盛り上がっていき「これから一体何が?」と混乱しているところで、

自分の視界がモノクロに。一瞬音も途切れ、辺り一帯は完全な静寂になっていました。

不意に声が耳元に届きます。

「繋がった」

視界の色彩が戻ると、巨大な両手が柏手を打ち、ステージの上空から謎の黒い球体が到来し、

キヌさんがステージの中央に降臨。

「さぁ、今度は私の番だ」

そう宣言すると、両手を地面にかざし、

発光する楽器のようなオブジェクトが登場し、キヌさんがそれを演奏するかのように操作しはじめます。

そして……。

本当に、さまざまなことが起こりました……。恥ずかしながら、そうとしか説明ができません。時間にしてはわずか3分ほどだったはずですが、あまりにも……あまりにもとてつもないことが起こりすぎて、何時間もそこにいたように思いました。

周りからも「すご……」「えぇ……」といった声が漏れ聞こえてきました。現場に居合わせた海外VRChatユーザーたちも「Oh my God……」と繰り返し唱えていました。著者も目まぐるしく変わっていく光景を目にして、なぜか涙が止まらなかったのを覚えています。なぜ自分が泣いているのかもよく分かりませんでした。

ふと気づくと、目の前に「羽」を広げたキヌさんの姿が。拡声器のようなものを手に持ち、代表曲のひとつ「バーチャルYouTuberのいのち」が歌われます。

キヌさんが両手を振ると、歌詞が立体の文字として次々と出現。空間に文字の渦が高速で回転していきます。白い蝶がステージを舞い、雪のような結晶が漂い、ブラックホールのような球体がこちらに向かって飛び、そのどれもがただただ美しく……。

ふと我にかえると、パフォーマンスは終わっていました。来場者たちは何もない舞台をただじっと見つめるしかありませんでした。誰も彼もが、その場を動こうとせず、しばらくの沈黙の後、「何だったんだ」「すごすぎる」「ヤバい」と口々に発し、エリア全体が騒然となりました。SNSでもキヌさんのライブに対する感想が次々と投稿。偶然居合わせたという漫画家のつくしあきひと氏もTwitterで「凄すぎて笑っちゃった」とコメントしています。

残念ながら今回のライブはアーカイブ化されていません。もし2Dの動画で視聴したとしても、バーチャル空間内での体験とは全く実感が異なるものになるでしょう。記事の中でいくら言葉を重ねて説明したところで、あのパフォーマンスを正しく解説することはできません。VRでしか体験できない感動が、このライブには確実にありました。

今回このパフォーマンスを披露したキヌさんは、さまざまな音楽や朗読動画などをYouTubeに投稿しているVTuberで、これまでにも「アルテマ音楽祭」など、さまざまなバーチャル空間でライブパフォーマンスを披露しています。今回のパフォーマンスをサンリオの公式イベントの場で披露したことで、世界中からの注目を確実に集めることになるでしょう。次のキヌさんの舞台はどこにあるのか、早くも期待が高まります。今後の動向から目が離せません。

キヌYouTubeチャンネルはこちら。
https://www.youtube.com/channel/UC8HVia5Rupb8GurBF-RnbbQ/videos

画像資料提供協力:ぴちきょ、武者良太、浅田カズラ(敬称略)
執筆:ゆりいか


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