ゲームコミュニティ「VAULTROOM」とプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」の不定期開催企画「VCR(通称:スト鯖)」。これまで「RUST」「GTA」「ARK」などに共通のサーバーが立てられ、さまざまなストリーマー、VTuberが招待され、連日連夜盛り上がりを見せていました。一体なぜ、これほどまでの盛り上がりを見せているのでしょうか?
本当の意味での「予期せぬ出会い」が生まれる
VCRは、基本的に全員が顔見知りという状態ではありません。配信者同士とは言えど、基本的に初めて出会う人が多く、緊張感のある独特のコミュニケーションが生まれています。それゆえに、VTuberの事前告知形式のコラボ企画とは違った「全く想定外の出会い」といった部分がドラマを生み、多くの視聴者を惹きつけています。
例えば、「VCR ARK」に初参加して大きな話題となった、アキ・ローゼンタール(アキロゼ)さん。もともとホロライブのARKサーバーでは「ムキロゼ」と呼ばれる筋肉隆々な全裸のキャラクターを使っていましたが、スト鯖でも大活躍することに。物腰の柔らかさとARKの知識とは裏腹に、モザイクの服を流行らせるおちゃめな一面を見せたことで、初参加ながら多くのストリーマーと視聴者たちから人気者となりました。
他にも「VCR ARK」では、偶然の遭遇をきっかけに全滅してしまう赤見かるびさんと白上フブキさん、初対面の英リサさんにマシンガントークでアドバイスを求める天鬼ぷるるさん、ぶいすぽっ!メンバーの集結に緊張感を持ちながら様子をうかがう格闘ゲーマーのハイタニ選手など、見どころがとても多い印象です。
また、圧倒的に知名度の高い女優の本田翼さんと、小森めとさんがフレンドリーに茶番を繰り広げるなど、配信者同士の仲の良さが垣間見えるのも魅力です。
VTuber、ストリーマー、視聴者がともに成長している
VTuber文化の黎明期には、リアルストリーマーとの交流が活発にならない時期がありました。その背景には、VTuberとファンが「コラボによって各VTuberの世界観や個性を壊してしまう」恐れを現在以上に強く持っていたことが、ひとつの要因としてあると、当時の状況から推測できます。
しかし、Crazy Raccoonの開催する「CRカップ」のようなゲーム大会にVTuberが、所属問わず参加するようになったことをきっかけに、意外なチームメンバーの組み合わせが好評になるなど、風潮が変化。接触機会が増えたことで、ストリーマー側とVTuber側で、お互いのコミュニケーションも徐々にこなれていき、ゲーム大会以外でも外部コラボが盛んになっていきました。
(2022年11月、スト鯖ARKより)
そんな中、開催されたスト鯖では、まるでMMORPGのように大人数が同時参加し、視聴者たちは全く新しい組み合わせを見せるようになり、人気に火が付きました。
こういった大人数コラボゆえの不安も決して少なくありませんでしたが、回を増すごとに企画として安定性が増している印象です。開催されるたびに、VTuber・ストリーマーだけでなく、視聴者も、VCR全体への理解が進み、お祭りに参加しているような一体感があるのが魅力だと思えます。
参加者同士の仲が深まり、それぞれの事務所やグループの枠を超えた巨大なコミュニティになりつつあるスト鯖。今後の発展にも目が離せません。
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(参考)YouTube