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ゲーム・アプリ 2019.09.20

Oculus Questとエアガンで衝撃の射撃体験! 「VR シューティングトレーナーⅡ」【TGS2019】

9月12日から15日の4日間、千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2019(TGS2019)」。前半2日間のビジネスデイでは、VRヘッドセット「Oculus Quest(オキュラス クエスト)」とエアガンを組み合わせた独特のVRコンテンツ、VR シューティングトレーナーⅡ」が出展されていました。今回はこちらのプレイレポートをお伝えします。

エアガンを構え、VR空間内の的を全て撃ち抜け!

株式会社シリアルゲームズによる「VR シューティングトレーナーⅡ」は、VR空間に作られた射撃場で的当てに挑戦するというものです。使用VR機器はOculus Quest。操作はOculus Touchコントローラを銃口部分へと括り付けた、特製のエアガンで行います。ハンドガン、ライフルの二種類が用意されており、筆者はライフルで挑戦。

いずれのエアガンを使うにせよ、その操作感は“革新的”の一言に尽きます。トリガーを引けばちゃんとVR空間上で銃から弾が発射され、的に命中すると相応の反応が返ってくるのです。遅延も生じることがなく、ちゃんとトリガー操作と発射が噛み合って空間内で表現されます。

やることは的当てなので、射撃場内に置かれた的を全て撃ち抜くか、あるいは制限時間がゼロになればその時点で終了。最後に命中率や所要時間、射抜いた的の数がスコアボードに表示され、ABC評価のランクが与えられて体験終了となります。

ちなみに最高評価はSランク(筆者はAランクでした)。的の中には小さな種類があったのですが、ライフルだと地味に狙いにくく、それがタイムロスへと繋がってしまった感じです。

秘密は銃口に装着された特製アタッチメントにあり

しかし、どのようにしてエアガンのトリガー操作をVR空間上で反映しているのでしょうか。ブースにて案内とメンテナンス周りを担当されていた、シリアルゲームズ取締役にしてソフトウェアエンジニア・國井大輔氏に尋ねたところ、エアガン本体にはこれと言って改造は施しておらず、銃口部分に装着した空気圧を感知する特製アタッチメント、その名も「Bluetoothサイレンサー」で位置検出を行っているとのことです。


(ブースに置かれていたOculus Questと、特性エアガンコントローラー。Oculus Questのコントローラーがそのままにくくりつけられている)

エアガンはその名が現す通り、プラスチック製の弾丸を空気圧で発射する機構を持ちます。したがって、弾が込められていない状態で“空撃ち”すれば、プシュッと空気圧が噴き出すというわけです。この空気圧を「Bluetoothサイレンサー」に仕込まれたセンサーでボタン入力へと変換、取り付けたOculus Touchコントローラに認識させ、VR空間内での操作へと反映しているのです。

ですが、一連の流れから推察される通り、センサーに認識させてからの空間内への反映では、どうしても遅延が生じてしまいます。そのため、このデモではプログラムレベルで細かい調整も施しているとのこと。この処理により、遅延を感じさせない、VR空間でありながらも本当に銃を撃っているかのようなリアルな手応えと一体感を表現しています。実際、デモをプレイしていた時に遅延を感じることは全くありませんでした。いかに緻密な調整が施されていたかを察することができます。

VR空間内でのサバイバルゲーム実現を予感させる興味深いデモ

現時点では的当てのみですが、将来的にはVR空間内でサバゲー(サバイバルゲーム)の対人戦を実現させ、ゆくゆくはアリーナレベルの会場を確保し、多くの人が集まっての大会を開催できればという展望も語られていた國井氏。「Bluetoothサイレンサー」が量産可能になれば夢ではないとのことなので、今後の発展に期待がかかります。

Oculus Questという、PCが要らない一体型VR機器であるがゆえの利便性の高さもひときわ印象的。新時代のサバイバルゲームの誕生を予感させるものがありました。純粋にガンシューティングのジャンルにおいても、今回のようなアイディアを用いることで、家庭用のガンコントローラを供給できるようになる、それこそ「バーチャコップ」といった往年の名作達に再びスポットライトが当たっては、新境地を切り開くチャンスが到来するのではないのか……と、色々と期待が膨らみます。

2016年の東京ゲームショウにおいて出展された、エアガンのサイト部分にAndroid製のスコープを装着し、VR空間内での射撃を楽しむという前作「VR シューティングトレーナー」から、さらなる進化を遂げた今回の第二弾。VRのガンシューティングゲームにいかなる影響を与えることになるのか、シリアルゲームズの今後も楽しみでなりません。

(参考)株式会社シリアルゲームズ


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