VRゲームとしてSteamやPlayStation VR(PSVR)で人気を集める「SUPERHOT VR」。本作の制作チームは、同コンテンツの販売本数が80万本を突破し、原作であるPC向けゲーム「SUPERHOT」の販売本数を超えたことを明らかにしました。その成功の背景には、VRならではの売上傾向があると言います。
「SUPERHOT VR」はPC向けゲーム「SUPERHOT」をVR向けにリメイクしたもので、「自分が動く時だけ、時間が進む」というシステムのもと、スタイリッシュなアクションを楽しめるタイトル。2018年の米国向けPSVRコンテンツで売上第3位にランクインした他、Steamでも2年間にわたって売り上げ上位12タイトルに入り続けている人気作品です。
ヘッドセット売上がゲーム販売に直結
「SUPERHOT VR」開発チームの創設メンバーでありビジネスディレクターのTomasz Kaczmarczyk氏は、独メディアMIXEDの取材に対し、VR版の売上がオリジナルを上回ったことを発表。同氏はこれに加え、“VRコンテンツならではの売上増加の背景”を説明しました。「SUPERHOT VR」の売上数は、VRヘッドセットの販売数や時期と密接な相関関係があるということです。
Kaczmarczyk氏は2018年のホリデーシーズンについて触れ、「売上が大幅に増加した」と述べました。
ヘッドセットを持つ人が増え、その大半は「SUPERHOT VR」を買ってくれます。これは普通の(=非VRの)ゲームではあまり見られない事象です。通常は時間の経過とともに売上が落ち、ゲームに飽きたプレイヤーは他のコンテンツを求めます。しかしVRの場合、”売り上げ上位”のリストに入っていれば、VRヘッドセットを購入するプレイヤーはそのゲームの購入者にもなりえます。
同氏は「この時期の売上増加は大ヒットとなったVRリズムゲーム『Beat Saber』の効果もある」とも説明しました。「Beat Saber」をプレイするためにVRヘッドセットを購入したユーザーが、あわせて「SUPERHOT VR」を購入する流れとなったことが考えられます。
「本当の意味でVRスタジオになった」
Kaczmarczyk氏によれば、「SUPERHOT VR」の制作チームは「このタイトルがヒットするか確信を持てなかった」とのこと。
同氏は「開発を始めた頃、私は『SUPERHOT VR』がインパクトのある結果を残すとは全く期待していませんでした。当時、VRはとてもとても狭い市場でしたから」と振り返りつつも、今回原作となる「SUPERHOT」の売上を超えたことについて、「我々はついに本物のVRスタジオになりました」とコメントしました。
Oculus Questにも展開
「SUPERHOT VR」は次なる展開として、2019年春発売の一体型VRヘッドセット・Oculus Questへのリリースが決定しています。制作チームは「今後は『SUPERHOT VR』以外にも新しいVRコンテンツの開発を行いたいが、まだ決まってはいない」とコメントしました。
(参考)Road to VR、UploadVR
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