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ゲーム・アプリ 2020.09.06

名作ゲームにインスパイア VRパルクール「STRIDE」が爽快だった

ビルの屋上や路地裏など、危険な場所を身一つで駆け抜ける、エクストリームスポーツ“パルクール”。動画で見るとクールですが、実際にやってみるにはちょっとハードルが高すぎるこの競技を、VR内で楽しめるソフトがリリース(アーリーアクセス版)されました。

その名は「STRIDE」。今回はそんな本作を筆者井文がプレイ。しばらく遊んだ後のファーストインプレッションをお伝えしたいと思います。

”実際に走る”パルクールゲーム

パルクールを題材にしたゲームといえば、「ミラーズエッジ」が有名ですが、「STRIDE」は、まさに同作をそのままVRに落としこんだタイトル。建物の屋上を全力で――しかもクールに――走り抜けるのが、ゲームの根幹的な要素です。

移動は左スティックで行い、両腕を(実際のランニングのように)振ることで加速するというユニークなシステム。同じくパルクールをテーマにしながらも、手でジャンプ移動する仕組みを採用したVRゲーム「TO THE TOP」とは好対照と言えるでしょう。


(チュートリアルの一場面。ホログラムと動く人形、映像が動かし方を丁寧に説明してくれます。)

慣れれば直感な操作システム

ステージには、各所に段差や”崖(ビル間の隙間)”が存在し、よじ登ったり(両グリップボタン)、飛び越えたりなど、状況に応じた方法で対処しなくてはなりません。ビル壁のような場所は、ウォールランニングが可能。壁走りからのジャンプも重要なテクニックのひとつです。

覚える動作はやや多く、走りながらやると混乱するかもしれませんが、少しプレイすれば慣れるでしょう。筆者も最初はボロボロでしたが、遊び初めて10分が経過したころには、直感的に動かせるようになっていました。


(ジャンプかウォールランか。どのように進むかは自分次第。)

ただ走るだけでなく、銃を使った戦闘があるのも「ミラーズエッジ」との類似点。今回のプレイでは、各所に出現するスナイパーにハンドガンで応戦するという体験できました。こちらを見つけると、レーザーサイトを照射し発砲してくるので、相手を倒すか、壁などに隠れて射線を遮る必要があります。

壁を疾走し、走りざまにスナイパーを撃ち抜き、連続ジャンプを巧みに決めるなど、上手く走れているときの爽快感はかなりのもの。熟練のパルクール選手になった気分が味わえます。また激しく動くゲームにも関わらず、酔いをほぼ感じなかったのも驚いたポイントです。

VR酔いは、(筆者の見解では)“立っているのに歩く”など、リアルの身体の動きとゲーム内動作の不一致が発生した際に起こりやすいですが、腕を激しく動かすことが、このギャップを上手く緩和しているのかもしれません。


(ハンドガンは胸ホルスターに2丁を装備。リロードは銃を下に向けるだけの簡単設計。)

運動不足にはややキツいところも

さて、本作をしばらくプレイした後、筆者の脳裏にまず浮かんだ感想は、「正直疲れるな」でした。というのも、スティック操作は歩く程度のスピードしか出ないので、プレイ中、ずっと腕を振り続けて走る必要があったからです。

いい運動にはなりますし、没入感も高いのですが、筆者のような運動不足人間には、長時間遊ぶのがツラい仕様というのが本音。できればオプションに「スティックだけで走れる」などの機能が追加されれば、ありがたいと感じました。

現時点では遊べるモードは1つだけ

記事執筆時点(2020年9月3日)では、「STRIDE」は初期のアーリーアクセス状態で、プレイできるのは、チュートリアルと、力尽きるまで走り続ける「ENDLESS」モードのみ。撃たれたり転落することなどでライフが減少、0になるとゲームオーバーとしてスタート地点に戻され、スコアが表示されます。ステージは自動生成形式で、毎回違う“ラン”が楽しめます。


(スコアオプション。即死や、道中に存在するライフ剤の削除などを設定可能。)

Steamでの商品説明によれば、今後はアーリーアクセスの第1段階として、敵との戦いにフォーカスした「ARENA」モードやタイムアタックに相当する「TIME RUN(CHASE)」モードの実装を予定しているとのこと。メインメニュー画面からは、ストーリーモードの存在も確認できます。

まだまだ製作途中の作品ですが、良作となり得るポテンシャルは十分以上に感じさせてくれる本作。開発元のJoy Wayがどのように練り上げていくのか、注目を続けていきたいところです。


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