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にじさんじ 2024.02.13

ANYCOLOR 田角CEO、セレン龍月の契約解除について声明を発表 にじさんじEN所属VTuber3名も一連の経緯を説明

2月13日、NIJISANJI EN(にじさんじEN)公式チャンネルから、先日契約が解除された同グループ所属のVTuberセレン龍月さんに関する声明が公開されました。動画ではANYCOLOR社の田角陸CEOが、これまでの経緯や今後の方針などの説明を行っています。

そもそも何があったのか?

セレン龍月さんの契約解除は2月5日に発表されました。当時の発表によると、契約終了は、本人による度重なる契約違反とSNS上での誤解を招く虚偽の言動によるものが起因していたとのこと。具体的には、権利許諾管理のフローの不履行やクリエイターへの連絡不備に起因する制作料の支払い遅延などについてのルール違反が多数あり、年末に投稿予定だったミュージックビデオの無断投稿など、様々な要因が重なったことから、契約解除に至ったと説明しています。

ただし、今回のセレン龍月さんの一連の騒動は、直接的な原因となったMVの非公開だけでなく、運営・同期ライバーとのコミュニケーションの行き違いなど、様々なトラブルが要因となっており、SNSでは情報が錯綜した状態です。そのため、どちらが問題の原因なのかを巡り、海外ファンがライバーに対して攻撃的な発言を投稿したり、ファン同士で論争を起こしたりしている状況。田角陸CEOの謝罪動画は、これらの問題を背景として投稿されたものとなっています。

田角CEOが語ったこと

田角氏はまず、2月7日に公開された同社のIR資料で使用された表現について、海外のファンに向けて謝罪しました。資料では、セレンさんの卒業の影響について「当社業績に与える影響は極めて軽微」と説明されていましたが、英語版リリースで「negligible(無視できる)」と翻訳されており、この表現が海外ユーザーの間で議論を呼びました。

田角氏は、不用意に「negligible」という表現を使用してしまったことで、にじさんじENやVTuber領域のファンに、ANYCOLOR社がセレンさんの契約解除を軽く受け止めているような印象を与えたことを謝罪。セレンさんのにじさんじENに対する貢献は明白であり、今回のような結末に至ったことを遺憾に思っていると説明しました。また今後は、英語を使用して行う各種発信のあり方についても再考するそうです。

また、動画では、ANYCOLOR社が所属VTuberに対して、健康的なメンタルヘルス状態を維持できる環境を提供していないのではないか、という指摘に対する回答も行われました。

田角氏は、同社や所属ライバーに対して攻撃的(hurtfull)なメッセージが届いていると説明。状況を真剣に受け止めており、ライバーのストレス軽減に取り組んでいるとのこと。将来的には、各ライバーが精神的に健全な状態を保ちつつ、配信を続けられるためのシステムを整備するといいます。

さらに、にじさんじENに関する公式イベントが2023年秋以降、実施されていないことにも言及。現在、複数の未公開プロジェクトの準備中であると語っています。

にじさんじEN所属VTuber3名が経緯と心境を報告

にじさんじENによる動画公開に先立つ形で、同グループに所属するエリーラ ペンドラさんも、セレンさんの契約解除問題に関する配信を実施。エリーラさんは、にじさんじEN側との協議後、(コメントのために)自分のチャンネルで今回の配信を自主的に行うことを決めたとのこと。

動画には、にじさんじENのヴォックス・アクマさんやアイク・イーヴランドも参加。セレンさん側から語られた主張には誤りがあると語ったうえで、セレンさんが指摘するハラスメント行為には(3人)は一切関与していないとコメントしています。

エリーラさんの話によれば、セレンさん側の弁護士より、にじさんじEN所属VTuberのプライベート情報の含まれる書類が、運営側に送付されていたと説明。にじさんじENはエリーラさんたちとの共有も行い、その際に情報が一般公開される可能性があると警告を受けたそうです。また、その書類には、プライベート面の安全に影響する情報なども記載されており、具体的には、自身やミリー・パフェさん(にじさんじENライバー)の現住所に繋がる情報なども含まれていたと語っています。

エリーラさんは、セレンさんの契約解除に至るまでの経緯も一部説明してます。まず2023年末にセレンさんがミュージックビデオの無断投稿を行った際、エリーラさんを含む複数のライバーが、セレンさんに対して現在の状況や経緯についての確認を行ったそうです。またセレンさんが入院を報告した際にも安否の連絡を行い、マネージャー側に状況を問い合わせたとのこと。セレンさんのマネージャーは(セレンさんの入院後)、セレンさん本人とその緊急連絡先に連絡を行い、エリーラさんたちに状況を逐一伝えたそうです。

同席したヴォックスさんも、(セレンさんの契約解除の直接の原因となった)ミュージックビデオの無断投稿についての経緯を解説しました。その内容によれば、本来にじさんじENでは、ライバーがコンテンツを公開する前に、マネージャー側のチェックを通すことが決まっているが、セレンさんはそのチェックを通さずに投稿したことで非公開対応になったと説明。にじさんじEN側は「動画自体は公開したい」という意思を有しており、確認作業後に公開する方針だったとのこと。

ヴォックスさんは、セレンさんが2023年5月に発売されたセレンさんの有料ボイスパックや、8月の「Fall Guys」大会の際などに、運営の事前チェックを通さないトラブルを起こし、運営側の評判を下げるようなコメントを出していたことにも触れています。この時点では、ヴォックスさんは、セレンさんを友人だと認識しており、プライベート面を含めてサポートを行っていたとのこと。直面する可能性のあるトラブルについても、会話を交わしていたそうです。

ヴォックスさんは、セレンさんの弁護士がANYCOLOR社に対して送付した資料に、セレンさんがヴォックスさんとのプライベートな通話を(ヴォックスさんには無断で)録音していたという記述があったとしています。通話記録のひとつは、2023年2月にキャンセルが発表されたARライブ「NIJISANJI EN AR LIVE “COLORS”」前後のもので、ヴォックスさん自身は通話内容を正確には記憶していないものの、セレンさんは、これを事務所側が一部ライバーを贔屓していることの証拠として使用するつもりだったとのこと。ヴォックスさんは、セレンさんによる「録音は約1年間続いていた」と動画で述べています。

過去にはセレンさんから複数回、にじさんじENからの卒業を計画しているという発言を聞いたそうです。2023年9月に行われた「マインクラフト」のグループ内大会「NIJIENPrismCup2023」の日に卒業するという話もあったといいます。5月に規約違反を行った際には、実際には警告だったにも関わらず、内部で他ライバーに「(ANYCOLOR社から)契約を打ち切られた」と話していたそうです。

最後に、アイク・イーヴランドさんは、セレンさんを良き友人だと思っていたにも関わらず、弁護士から書類を受けたことにショックを受けたと語り「(セレンさんの契約解除期間にあたる)この1週間の沈黙はみんな(にじさんじENライバー)にとって辛かったと思う」と話しながら、ファンに向けてはこの件の影響で「関係者や一般人に対して、ヘイトを広めないで欲しい」と呼びかけました。

(参考)YouTube


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