株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が、ワイヤレス接続方式のVRヘッドセットに関する特許を特許庁に出願していたことが判明しました。この情報は2019年3月14日、出願公開制度に基づき特許庁が公開した出願書により明らかになりました。ケーブルが問題になりがちなVRヘッドセットへの解決策として各社ではワイヤレスの検討がされています。製品に結びつくかは不明ですが、PSVRもその検討を重ねていることは間違いないと考えられます。
60GHzの周波数で接続
PlayStation VR(以下、PSVR)は、2016年10月13日にSIEから発売された、PlayStation 4専用のVRヘッドセットです。2016年の発売以来、国内向けのPSVR対応/専用ゲーム・アプリは、100本を超えています。VRゲームアプリでは、VR向けに開発されたオリジナルタイトルから、作品の登場人物になるような体験ができる版権タイトルなど多数リリースされています。PSVRの販売価格は、34,980円(税抜)です。
今回出願が判明した特許は、「ヘッドマウントディスプレイ、制御方法及びプログラム」という名称で出願されました。特許の仕様書の画像からは、PSVRと思われるVRヘッドセットにワイヤレス技術が導入されているのが確認できます。
現行型のPSVRは、プロセッサーユニットとヘッドセット本体を有線接続する形式ですが、仕様書のVRヘッドセットは、プロセッサーユニットとヘッドセット本体が、60GHzの周波数で無線接続されています。
実際の導入時期は不明
今回確認されたワイヤレス技術は2019年3月現在、出願段階であり、今後実際にSIEの手掛けるVRヘッドセットに導入されるかは不明です(日本国内では未発売)。仕様書の画像に登場するVRヘッドセットが実際のプロトタイプなのか、暫定的なイメージ図に過ぎないのかも明らかになっていません。2019年3月現在、SIEは、PSVRのモデルチェンジや次期モデル(PSVR2)の開発などについて、公式なコメントを行っていません。
ワイヤレス技術の導入は他社も取り組み中
VRヘッドセットをワイヤレス化する試みは、SIEのほかにも様々な企業が取り組んでいます。HTCは、HTC VIVEならびにVIVE PRO対応のワイヤレスアダプター「VIVEワイヤレスアダプター」を2018年から販売しています。Oculus(Facebook)も2018年前半に、VRヘッドセットとアダプターのワイヤレス接続を改善するための特許を出願しています。
(参考)UploadVR