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VTuber 2024.01.08

VTuberは何をやってもいいのじゃ! 新人VTuberペペロンチーノの考える“自由”と“社会貢献”

渋谷スクランブル交差点のビジョンに大々的に映し出され、宣伝トラックまで走るという鮮烈すぎるデビューを果たした新人VTuberのアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ「元・四天王」という触れ込みがされており、これにはVTuberファンは騒然。だ、誰のことなんだ……?

色々な匂わせをしながらソニーミュージックからデビューし、現在ではアニメOP主題歌と主演声優まで決定するという爆速の成長を見せるペペロンチーノさんに、VTuberになった感想や自由への強い思いについて、そして夢について伺った。

ソニーミュージックとの出会い

――デビューされた時に「元・四天王」という肩書きに驚いてしまったんですが、これはどういうことなのか教えていただけますか?

ペペロンチーノ:
……何なんじゃろうね……?ソニーミュージックさんがね、気づいてたら書いてたの。わたしのことを「元・四天王じゃね?」とかいう人がいて…まあなんか似てる人がいたのかな?

――世の中いろんな四天王がいますからね。

ペペロンチーノ:
そうそう。そんなに言いたかったら別に止めることもないから、広告を出してくれるだけでわたしはありがたかったので「あとはソニーミュージックさんの好きにやっちゃって!」って言ったのじゃ。

――SNSで話題になってるのはご覧になりましたか?

ペペロンチーノ:
え、そうなの? わたしはエゴサを全くしないのじゃよ。デビューしてから自分の配信のハッシュタグを作ったんだけど、それしか検索しないの。でも話題になっているのなら、まあちょっと匂ってたのかな。ニンニクの匂いがするだけにね(※ペペロンチーノは身体からニンニクの匂いを発している)。じゃあ匂わせは成功ってことで良いかな!

――ペペロンチーノさんはどういう経緯でVTuberを始めたのでしょうか?

ペペロンチーノ:
元々いた国を追い出されたので、自分で居場所として国を作ろうと思ったのじゃよ。「新しい国を作るのなら助けるよ」って言ってきたのが、ソニーミュージックのお兄さんだったのじゃ。そこで、じゃあソニーさんからデビューしちゃおっかって決めたのじゃ。

――ソニーさん側からペペロンチーノさんに声をかけてくれたんですね。

ペペロンチーノ:
そうそう。今年の4月あたりに声をかけられたのじゃ。最初は冗談かと思ってたのじゃ。だってあのソニーミュージックじゃよ? キュインキュイン(※広告映像の冒頭に出てくる音のこと)で回ってるところじゃん。本当かどうか疑ってたんだけど、どうやらちゃんと実績があるお兄さんだったので「面白そうだな」と思って、契約書にサインしたのよ。それで実感湧いたって感じ。

――4月に声をかけられて、8月に準備に動き始めたとのことですが、4ヶ月ぐらい間が空いてますね。

ペペロンチーノ:
その間はね、お互いの絆を深めていったのじゃ。「仲良くなろうぜ!」って。だからビジネスっていうよりかは友達って感じ。

――どのようにお友達になったのですか?

ペペロンチーノ:
一緒にゴルフに行ったのじゃ!

――14歳でゴルフできるんですね!?

ペペロンチーノ:
やはり国王の嗜みじゃからな。それで、すっかり仲良くなったので、一緒に仕事をしてる感じが全くないの。普通ってさ、仕事はメールでやり取りするじゃんか。でもソニーさんとは最初からLINEで「ヤッホー!」みたいに連絡しとる。

――実にフランクですね。活動に至るまでの準備もやりやすかったのではないでしょうか?

ペペロンチーノ:
そうなんじゃよ。今でも困ったことがあったりしたら、すぐに聞けるし、向こうも気軽に「ちょっと急きょ仕事入ったんだけどいける?」とか言ってくれたり。気軽に喋れてめちゃくちゃ居心地がいいのじゃよ。

――ソニーミュージックとの間でやり取りされてる方は複数人いらっしゃるんですか?

ペペロンチーノ:
わたしの周りでは、ソニーのたくさんの兄貴姉貴たちが助けてくれておる。その中でわたしには、1番最初にスカウトしてくれた人が担当になって連絡を取ってくれておる。

VTuberの自由の喜び

――VTuberを始めてみていかがですか?

ペペロンチーノ:
あのね、めっちゃ楽しいの。自由、自由、自由なのじゃ! 何の縛りもなくて最高っ!

――自由だと感じたのはどういうところでしょうか?

ペペロンチーノ:
VTuberになってからは配信とかでも自分がやりたいことをやれるし、Xとかもつぶやきでしょうもないことも書ける。もちろんさ、いいねとかさたくさんされたら嬉しいけど、もう数字に囚われたらしんどいじゃない。そんなの一旦もう捨てちゃって、自分がやりたいようにできるのがすごく楽しいのじゃ!

――祖国にいた時は自由が全然なかったのですか?

ペペロンチーノ:
そうなんじゃよな。祖国では、人と同じ匂いとか同じ髪型とかじゃないと阻害を受けるという国で育ったから、結構厳しかったんじゃよ。もちろんソニーミュージックさんにお世話になってるから「これやってもいいかな?」って聞いたりはするんだけど、基本OKしか出たことがないのじゃ。

でも。なんか今のソニーミュージックさんと関わってると、逆にこっちは不安になるんじゃよな。「大丈夫?もっと止めると思ったんじゃけどな?」という瞬間もある。環境が整いすぎていてやばいよ! まるでサウナで整うって感じ!(笑)

驚愕の渋谷のPR

――渋谷でのPR活動には驚きました。あのレベルのVTuber新人デビュー広告は初めて見ました。

ペペロンチーノ:
わたしもじゃよ!(笑)。最初はノリで「ビジョンに流しちゃおっかな?」てソニーミュージックの兄貴が言ったら「えっ楽しそう!」って周囲が言うもんだから、冗談だろうなと思ってたら、本当に通っちゃった。「いやいや無名のVTuberだよ!?」とか思いながらも、スクランブル交差点と渋谷モディのビジョンに流すことになったって言われて…「誰かと勘違いしてねえか!? わたしは米津玄師とかじゃねえぞ!」って。

――扱いが大御所のアーティストレベルですよね。

ペペロンチーノ:
本当だよ! そしたらトラックまで走らせるとかまで言うから「おいおい、まだデビューしてねえぞ!」って。「ニンニク匂わせてけ!」って感じで、もう渋谷をどんどん匂わせていった感じなのじゃ。本当に今でも信じられないのじゃ。

――ではアイデアはペペロンチーノさんが出したわけではないのですか?

ペペロンチーノ:
ないない! だってもうそんなん普通ありえないでしょ!

――たしかに「デビューするからモニターに出してよ」とは言えませんよね……。

ペペロンチーノ:
でも「やってもいいじゃん」って言ってくれるその精神は、かっこいいって思っちゃったよね。だからデビューする前から、もう財政難じゃよ(笑)。ビジョン放映代とトラック代を稼ぐために一生懸命で、みんなでわーって決めて全力疾走してるのじゃ! でも観る方は、気にしないで全然ゆっくり楽しんじゃって!

活動はもっと自由であっていい

――VTuberを始めてみて、面白いなと感じたところはありますか ?

ペペロンチーノ:
VTuberもYouTuberも、配信をする人たちにはルールなんてないところ。迷惑をかけなければ何をしてもいいんだって。配信時間が長くても短くてもいい。企画をどっぷり考えたりするのも、何も考えずに友達感覚でしゃべるのもいい。なんて自由な媒体なんだと思ったのじゃ。

――本来、どんな配信をするかは、配信者の自由なはずですね。

ペペロンチーノ:
うん自。自由に色々できるって、すごい幸せじゃった!

――ペペロンチーノさんは、ファンの前で「こうありたい」という思いはありますか?

ペペロンチーノ:
「ありのままでいたいな」って思うのじゃ。元気がないのに元気なフリをするみたいな、無理をしたくないなって。だから「元気がない」って言うこともあると思うのじゃ。もちろん「いつも笑顔を見せていたい」という方もいるので、それぞれみんな好きに表現したらいい。でもわたしは節制されながらの活動は、もうお腹いっぱい。Xでぼやかしてもらったり、時には配信休んだりするつもりじゃ。

――「何日休んではいけない」というルールも、配信者には元々ないはずですよね。

ペペロンチーノ:
そうなんじゃよ。1週間休もうが、別に何も悪くなくねって。会社員の人だったらある程度決まりがあって、それに従わなきゃだけど、従いさえしていれば、それ以外には自由なところもあると思う。だから自分のルールを守りつつ、自由に生きていこうって思ってるのじゃ。やっぱ人生長いからさ。どんどん活動していってもいいと思うんだけど、ちょっとこのペースだと疲れるなって思ったら休みを入れる。長く続けることが1番大切だと思うんじゃよな。

――14歳ではなかなか持てない、大人っぽい考え方ですね。

ペペロンチーノ:
わたしも大人だぞ!

――14歳って大人なんですか!?

ペペロンチーノ:
そうじゃ。祖国では12歳が成人なんじゃよ

――これは失礼いたしました!

ペペロンチーノ:
ビールも飲めるぞ!

ペペロンチーノの考える社会貢献

――ご自身の活動のスタンスについて、参考にされた方はいますか?

ペペロンチーノ:
アンパンマン。あの慈悲深さ、かっけーと思ったのじゃ。

――慈悲深さはどういうところに感じられましたか?

ペペロンチーノ:
誰でも助けちゃうところ。目の前で何か起こってたらそれを見過ごさないのがいいなと思ったのじゃ。だからわたしもアンパンマンみたいに、目の前でお腹が空いてる子がいたら、自分の髪の毛がパスタでできてるから「これを食べなさい」って与えられたらと思っておる。わたしの髪の毛は2秒で生えるから大丈夫じゃ。

――デビュー配信では社会貢献についての話もありましたが、具体的にどういう活動の目処をたてているのですか?

ペペロンチーノ:
せっかくVTuberになって人間たちと関われるのだから、国王としては社会貢献をしたいと思っておる。お腹が空いてる人がいたら、お腹いっぱいになってほしい。そのための社会活動って何だろう…・・・? と考えておったのじゃ。食材系タレントだし、世界中でお腹が空いてる子をゼロにしたいっていう目標を立ててもいいんじゃないか。まだ無名のVTuberだし稼ぎも全然ないけど、援助できることができたらなって。誰かの一食分をさ、助けることができたらすごい嬉しい。たとえば子ども食堂とかあるじゃろ。

――子どもや保護者が気軽に足を運んで、ご飯を食べたりサポートを受けたりできる食堂ですね。

ペペロンチーノ:
そうそう。事情があって家でご飯が食べられないとかで困っている子供たちに「おいでよ」と手を差し伸べられるような「ペペロンチーノレストラン」を開きたいと思ってる。

――かなり具体的な目標ですね。

ペペロンチーノ:
もちろん、めちゃくちゃ難しいと思うから、夢のひとつとしてね。子供たちは無料にして、大人からの料金は器具費用とかに回したりして。そうすれば色々できちゃうなって思っておるのじゃ。

――地に足のついた考え方ですね。

ペペロンチーノ:
やっぱさ、寄付とかって少額でも続けていけば、お腹が空いている子たちをたくさん救えるのかなって。できるだけ継続的にできたらなと思っておるから、無理をしないで資金を集めていくようにしたいと今のところは考えておるのじゃ。

――今後ライブなどに参加したファンは「わたしたちが楽しむことで寄付になるんだな」と感じることもできそうですね。

ペペロンチーノ:
一石二鳥三鳥かもしれないのじゃ! そういう活動って自分からはなかなかできないけど、こっちが提案することによって参加しやすかったりもするから、もしよかったら参加してほしいなと思っておるのじゃ。

――他にやってみたいことには、どんなことがありますか?

ペペロンチーノ:
ペペロンチーノのカーニバルを開くときの出演者決めかな。たとえばDay1はVTuber、Day2は人間のアーティスト、みたいな構成にしてみたいのじゃ! 自分がVTuberだからVTuberの人としか付き合わないとか決めたくなくって。同じように生きてる者として、いろんな人とコミュニケーションをとることで、パスタ王国も仲間が増える。人間でも全然大丈夫! 人種とかも分け隔てなく仲良くしていこうと思ってるのじゃ!

ペペロンチーノの外交

――ご自身のチャンネルでやってみたい企画はありますか?

ペペロンチーノ:
とりあえず、料理配信してみたい。イタリアでパスタと調味料を買ってきたんじゃよ。まだ使えていないから、賞味期限が来る前にちゃんとやりたい。今は機材を揃えているので、もうちょっと先じゃな。あとは歌配信! 我が国もわたしが作ったパスタ王国の国歌をどんどんリリースしていこうと思ってて!

――国歌ってひとつではないんですか?

ペペロンチーノ:
そうじゃよ。国歌1、国家2、国家3ってどんどん増えていくスタイル。やっぱり音楽にもっと色々携わりたいと思っていて、だから歌配信とかも、ちょっとやってみようかなと。

――歌を歌うのがお好きなんですね。

ペペロンチーノ:
好き! 歌えば歌うほどニンニクの香ばしい香りでコミケ雲みたいになるから。みんなの食欲をそらせていきたいと思っておる!

――視聴者と共有していたいきたい趣味はありますか?

ペペロンチーノ:
旅行かな。

―どういうところに行ってみたいですか?

ペペロンチーノ:
長崎! やっぱ食べ物美味しいじゃろ? ちゃんぽんもそうだし、カステラもそうだし、海の幸も。景色もすごい綺麗だし。

国外もね、考えてはいる。1月は台湾に行こうと思ってチケットを取ったのじゃ!

――プライベートの旅行ですか?

ペペロンチーノ:
そう。だから台湾から配信とかできたらなと思っておる。台湾で買ったものを写真で出していくとか。「今日こんな感じのとこ行ったよ」って共有できたらなと思っておる。それで思い出したんだけど、わたしは世界中の言葉で歌を歌いたいなとも思っておる。

音楽って言葉がしゃべれなくても、繋がれるツールだから、各国の言葉で歌うことで、その人たちに興味持ってもらったり、仲良くなれたらなって思っておるのじゃ。実現できるのか、まだわかんないから、夢だけどね。

――今後の活動の抱負を教えてください。

ペペロンチーノ:
外交をしていく! コラボじゃな。これは挑戦。ちゃんと自ら外交をしていかないとね。鎖国状態では国が大きく発展もしないし、より多くの多様性を自分が知ることもできないから、多様性の考え方とかから外交をVTuberの人とも人間ともして、お互いを認め合っていけたらなと思っておる!

――ありがとうございました。最後に読者の方にメッセージをお願いします。

ペペロンチーノ:
名前が長いので「ぺぺち」って呼んでほしいのじゃ。パスタ王国では常に国民、具の民と書いて「具民」を募集しておるので、国籍は日本国籍とパスタ王国の二重国籍でいいので入ってほしいと思っておるのじゃ。「今の環境ちょっとしんどいな」とか「自由が欲しいな」とか思ってる人いたら、この自由な王国に遊びに来てくれたら嬉しいのじゃ!

アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノのYouTubeチャンネルはこちら


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