東日本大震災から12年。東北を中心に多くの街が甚大な被害を受け、現在も復興は続いています。岩手県の沿岸にある街・大槌町も、震災で大きな被害を受けた街のひとつです。
そんな岩手県大槌町の震災復興記録写真を展示した「岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室」が、ソーシャルVR「VRChat」と「cluster」にて公開されています。PCやVRヘッドセット「Meta Quest 2」、「cluster」であればスマートフォンからでも、無料で見学できます。
※本記事ではVRChat版にて撮影した写真を掲載しています。
制作者は鈴響雪冬さん。このワールドでは、鈴響雪冬さんが6年にわたって撮影した2万枚の写真の中から、定点観測を行った5箇所の写真と、2020年と2022年に追加撮影した写真、大槌の風景写真など、約90枚が展示されています。
メインとなる展示物は、大槌町内の5箇所で撮影された定点観測写真です。最も幅広い期間は2014年から2022年まで。一点からの風景を年単位で連ねることで見えてくるのは、少しずつ、しかし着実に、震災で壊された街が復興されていく過程です。
写真だけでなく、各撮影地点のキャプションも添えられています。かつてこの場所にあったものが、どのような風景になり、そしてどのように復興していったか。人の営みとともに想像してみるとよいでしょう。
定点観測写真だけでなく、復興の過程で行われた行事や、街を写したパノラマ写真、風景写真も展示されています。様々なアングルから、大槌町とはどのような街で、震災からどのような道のりを歩んできたか、垣間見えると思います。
「岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室」には全60枚ほどの写真が展示されています。これ以外に鈴響雪冬さんが撮影した大槌町の写真は、これまで4冊作成された同人写真集「大槌町 ここは復興最前線」にて収められているとのことです。PDF版はBOOTHショップで販売中なので、より多くの写真を見てみたい人はこちらもおすすめです。
また、鈴響雪冬さんは「津波を刻む建物」というワールドも公開しています。このワールドでは、東日本大震災で発生した「津波の高さ」を、秋葉原の街に赤い線として記しており、リアルなスケール感であの日発生した津波の大きさを知ることができます。
津波の解説コーナーもあり、いまなお注意喚起がなされる津波の恐ろしさを肌で感じることができます。VRで見たときの生々しさはひとしおで、人によってはある程度、気持ちを強くもった状態で訪れるべきでしょう。それほど、リアルなスケール感がもたらす実感は強力です。
なお、「岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室」と「津波を刻む建物」は、メタバースプラットフォーム「cluster」でも同一のものが公開されています。スマートフォンからでもアクセスできるため、興味を抱いた方はぜひ訪れてみてください。
ワールド情報
ワールド名 |
岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室 (Photo Gallery of Otsuchi Twon) |
VRChat Quest対応 |
◯ |
VRChat版入場先 |
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cluster版入場先 |
ワールド名 |
津波を刻む建物 (Documenting the Tsunami) |
VRChat Quest対応 |
◯ |
VRChat版入場先 |
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cluster版入場先 |
(参考)VRChat、cluster