VR対応のオープンワールドMMORPGとして発売された「Nostos」が、2021年6月16日をもってサービス全般を終了することを発表されました。既にSteam、Viveportでは販売も停止され（Steamは執筆時点でサウンドトラックのDLCのみ購入可能）、新規に購入できない状態になっています。
今回の発表を受け、「Nostos」のFacebookページでは以下のコメントが投稿されています。
親愛なる「Nostos」プレイヤーの皆さまへ。
「Nostos」への御支援と御愛好をありがとうございます。事業展開変更に伴い、2021年6月16日午後10時（太平洋標準時、PST）をもって「Nostos」の全運営を終了します。運営終了に伴う関連事項として、以下をお知らせいたします。
1. 2021年3月16日午後10時（PST）をもって、「Nostos」の販売は全プラットフォーム（Steam、Viveport、Oculus Store）で終了します。以降、新規の購入及びダウンロードはできなくなります。
2. 2021年6月16日午後10時（PST）、「Nostos」の運営が終了となります。以降、全てのゲームサーバーが停止となり、ゲームへのログインができなくなります。
3. 2020年11月30日午後4時（PST）以降、「Nostos」を購入されたプレイヤーの皆様へ全額返金を実施いたします。
ご迷惑をおかけしますが、来たるべき「Nostos」との別れに向けて、ご理解とご了承のほどお願い申し上げます。
「Nostos」は「荒野行動」、「Identity V」などで知られるNetEase Games開発のVRオープンワールドRPG。人類滅亡から1000年後の世界を旅し、襲い来る「Coral Seas」を退けながら、戦争の痕跡を見つけ出し、人類滅亡の真実を明かしていく壮大なストーリーを描いたタイトルです。オープンワールド特有の広大なフィールド、VRプレイヤーと非VRプレイヤー同士で遊べるクロスプレイを特色としており、2019年9月には4日間限定のベータテストも実施されるなど、大きな注目を集めていました。
しかしながら多数の不具合、最適化不足などの問題がユーザーから相次いで報告されて出足でつまづき、Steamでは低評価レビューが殺到。執筆時点で「賛否両論」、最近の評価では「非常に不評」と厳しいものになっていました。
NetEaseは問題の解決に取り組むも、新型コロナウィルスの感染拡大の影響でスタジオの一時的な閉鎖が実施され、計画が遅延。2020年6月、ようやく最新のアップデートパッチが配信され、7月にはサウンドトラックの販売も開始となりましたが、それ以降の新たな動きはありませんでした。
さらに2020年12月には、VR非対応のPlayStation 4（PS4）版が海外PlayStation Storeにて突如、販売を開始するという出来事も。NetEaseから事前の予告もなかったこともあり、様々な意味で動向が注視されていました。
なおNetEaseいわく、本作はオフラインでの動作を意図していない仕様の関係で、PS4版も返金対象になるとのこと（※執筆時点でPS4版も販売終了済み）。具体的な手順については後日、発表される模様です。
今回の発表に関し、英メディアVRFocusは長期に渡ってアップデートが無く、コミュニティを確立できなかった結果、このような悲しい結末を迎えてしまったとコメント。米メディアUploadVRはPS4版に言及し、「本作を救う存在にはなれなかった」と綴っています。
またUploadVRの報道によれば現在、NetEaseは新たなVRコンテンツの準備はしていないとのこと。今後「Nostos」のようなタイトルが登場する可能性は低いようです。
（参考）VRFocus、UploadVR、「Nostos」Facebookページ、「Nostos」Steamコミュニティ、Nostos公式Twitter
