4月17日、東京目黒にあるHUB Tokyoで『MilboxTouch』および『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』の発売を記念したイベントがありました。イベントではVR、IoT事業を展開する株式会社WHITE代表取締役社長の神谷憲司氏と開発者の松葉忍氏(amana UXC事業部GM)、河崎純真氏(GIFTED AGENT LLC.SDKマネージャー)のトークセッションが行なわれました。また、スペシャルゲストには“ファミコン名人”や“16連射”で有名な高橋名人が登場。『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』をプレイし、会場を沸かせました。
1975年生まれで、初期ファミコン世代の神谷憲司氏は、株式会社バンダイナムコエンターテイメントが実施している「カタログIPオープン化プロジェクト」に伴い、それに協力するかたちで『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』を制作することになった、とのこと。
「VRの波が来ている中で一番わかりやすく、シンプルにVRを楽しんでもらえる体験をつくりたい」という思いで、数ある新旧ゲームの中から1980年に発売された『パックマン』を選択したと話しました。
続けてプロダクト開発について松葉氏と河崎氏を含めたトークセッションが行われました。
スマホVRデバイスは画面操作ができないとうことが世界的に問題視されている中、明治大学総合数理学部の宮下芳明教授、理工学部の加藤邦拓助手らが開発した「ExtensionSticker」という画期的な技術に出会ったとのこと。
「ExtensionSticker」とはタッチパネルディスプレイに貼り付けるだけでタッチパネル外からのタッチ入力を転送可能とする技術です。MilboxTouchはその技術を応用することで、タップ、スクロール、スワイプの入力操作が可能になり、この製品ができたと語りました。
ハイスペックのVRヘッドマウントディスプレイはコントローラーを手に持ち、比較的高価ですが、MilboxTouchはゴーグルにコントローラー機能が付き2,500円(税抜)なので、よりカジュアルにVRを体験してもらいたい、他にも、スマホVRゲームを作るクリエイターの方々が手軽にVRゲームを世の中に普及していけるようなプラットフォームだと確信してると考えを示しました。
MilboxTouchは、SXSW(サウスバイサウスウエスト)にて日本企業初のイノベーションアワードのファイナリストに選出されています。
第一弾となる対応アプリ『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』の開発においては、酔いの問題に注力したとのこと。基準となる物体が近くにあると酔いづらいとし、壁の高さや視点の高さを細かく調整することで問題を解決しました。
ゲームの見どころはオリジナル版にも入っているコーヒーブレイクの採用と、256面まで到達すると見ることが出来るバグとのこと。
最後に高橋名人が『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』に挑戦しました。
後ろからも敵が出現するので苦戦するシーンや、さすが名人というような声もあがり会場を沸かせました。
「256面のバグを見たいけど疲れちゃうから回転椅子がほしい」と弱音を吐くシーンもあり、笑いが起こりました。
また、『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』の他に、高速連射ならぬ、高速スクロールを同氏にチャレンジしてもらうために、パックマンが直進を走るコンテンツも特別に用意されていました。
自身の記録に納得いかない様子でしたが、まるで自分が取り乱して走っているようだとVR体験を楽しんでいる様子が伺えました。
『MilboxTouch ver.VR PAC-MAN』のリリースは4月下旬にまずAndroid版、続いてiOS版のリリースを予定しています。
今後は、引き続き「カタログIPオープン化プロジェクト」を利用し旧作ゲームをVR化していくとのこと。SDKの開発に伴い、新たな操作方法や機能の追加も期待されます。
なお『MilboxTouch』はこちらから購入することができます。