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VTuber 2019.04.29

投げ銭額や配信者の現状も明らかに 「IRIAM」記者会見レポ

4月27日から28日に千葉・幕張メッセで開催されたニコニコ超会議2019では、バーチャルライブアプリ「IRIAM」で活動するVライバー達による「超バーチャル握手会」が実施されました。27日にはそのキックオフイベント「IRIAM記者会見」が開催。イベントにはIRIAMの運営元である株式会社ZIZAIの代表取締役CEOである塚本大地氏と、Vライバーとして配信活動をしている夜月カエデさん真白くまさん桜乃ナノさんの3名が登壇。

「IRIAM」の開発に込めた想いや、Vライバーによるトークセッションでプラットフォームの魅力を伝えてくれました。その模様をレポートとしてお届けします。

「IRIAM」で活動する魅力とは?Vライバーたちが語る

記者会見がスタートすると、まずは塚本氏が「IRIAM」を開発した経緯について明かしました。「人が持っている価値を最大限発揮するためには、キャラクターに自分を投影して表現するのが一番だと思っています。その表現に価値があれば、そこにお金が発生して経済価値が上げられます。そういった流れを目指しているのが『IRIAM』というプラットフォームサービスなんです。その表現のレベルが上がれば、さらに経済が発展してみんなが幸せになるはずです。そういった想いでサービスを提供しています」と、「IRIAM」のプラットフォームにおける方向性にも言及。

塚本氏が語り終えると、いよいよVライバー3名の登場。幕が上がり、夜月カエデさん、真白くまさん、桜乃ナノさんの3名が姿を現します。ここからは司会からの質問をVライバーが答えていきました。「なぜVライバーを継続できているんですか?」という質問に、「リスナーとVライバーとが関係性を深められるプラットフォームなので、『IRIAM』を続けられています」(夜月カエデさん)、「『IRIAM』はお兄ちゃんとより一緒に配信を作っている感じがしているからです。くまはそういう雰囲気が大好きです!」(真白くまさん)、「ナノさんは近い距離でお話ができるのが本当に楽しいです! そこが『IRIAM』の特に魅力的な部分なので続けられています」(桜乃ナノさん)と、各々が「IRIAM」で配信を継続していくなかでの魅力を語ってくれました。

「IRIAM」特有の距離感について、司会は塚本氏に尋ねます。それには、「YouTubeとなにが違うのかと思うかもしれません。でも、リスナーひとりひとりとどこまで関係を深められるのかがサービスを提供するうえでの価値だと心から思っています」と回答。リスナーひとりひとりにより焦点を置いた結果、「IRIAM」というサービスが生まれたそうです。

続く「印象に残っていること、感動したことは?」では、夜月カエデさんは「リスナーさんの誕生日になると、私の誕生日じゃないのにギフトを贈りあっていること」と配信上での意外な出来事を紹介し、ほか2名もそれにうなづくように賛同していました。

「お金の使い道は?」と問われると、「みんなにもっと気持ちを伝えられるように活動費として使っています」(夜月カエデさん)、「これまではマイクスタンドを段ボールで作っていたんですけど新しくしました!」(真白くまさん)、「機材を揃えて、パーフェクトな環境でお届けできるように使わせていただいています」(桜乃ナノさん)と、それぞれがよりよい環境で配信を届けられるようにお金をやり繰りしているそうです。

それを受けて塚本氏は、「心が動かされた瞬間にお金は発生するものだから、この3人が多くの人の心を動しているのではないかと思います。これからももっと高めていってほしいですね」と、3名がここまでの結果を残していることについて考察。

司会からは、ここで直近のトップの投げ銭平均額を115万円と発表。ほかのプラットフォームでもこの金額はあり得る数字ではありますが、桜乃ナノさんのTwitterフォロワー数は1000人台。YouTubeなどで活動する配信者と比較するとその数は決して多くはありません。そこまでの結果がなぜ残せているのか問われると、桜乃ナノさんは「周りと比べるとファンの数は少ないと言われていますけど、ひとりひとりの愛の強さがめちゃくちゃあるから!」と、答えてくれました。ファンひとりひとりとの関係値を大事にしてきたからこそ、今のような熱量が生まれているとのこと。

「今後のVTuberはどうなるのか」と聞かれると、夜月カエデさんは「私たちはひとつの存在として確立していると思っていて。人間がいまやっていることをバーチャルな存在もできるようになる世の中が来ると思っています!」と前向きに発言。真白くまさんは「バーチャルYouTuberはひとつのジャンルになっていると思うんですけど、くま自身はその枠に囚われない、みんなの妹になりたいなと思っています。こういった活動を通してお兄ちゃんを幸せにしていきたいです!」と自分の活動目標を語り、桜乃ナノさんは「新たな居場所を作れるのがバーチャルの魅力だと思っています。なので、どんな人にもその人にあった居場所を見つけられる、それがバーチャルの最大限の魅力です!」とバーチャルの魅力を総括してくれました。

ここからは記者による質疑応答のコーナー。「塚本社長に言っておきたいことはなんですか?」と質問されると、「しらす(※IRIAMのマスコット的なキャラクターで運営の愛称にもなっている)にはもっと休んでほしいと思っています。呼ばれたら治癒魔法をかけに行きます!」(夜月カエデさん)、「くまの配信に見てきてくれたら嬉しいです! いつもお疲れ様です!」(真白くまさん)、「しらす様にはライバーさんにもっと寄り添ってほしい! あとは、企業案件がもっとほしい! よろしくお願いいたします」(桜乃ナノさん)と、それぞれ塚本氏に思いの丈をぶつけていました。

最後に塚本氏が「『IRIAM』は開発、リスナー、Vライバーが三方向から絡み合ってサービスのなかに大きなコミュニティが形成されています。運営が好き勝手にサービスを提供しているのではなくて、Vライバーとユーザーがいて、初めて作ったサービスが盛り上がる状況にあります。その点はみなさんにとても感謝していますし、我ながら温かいサービスを作れていると思っています」と締め、キックオフイベントは終了しました。


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