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VTuber 2020.05.30

「ホロスターズ」3期生が話題を集める理由は? これまでの活躍を振り返る

4月27日(水)に、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」傘下の男性VTuberグループ「ホロスターズ」3期生がデビューしました。月下カオルさん、影山シエンさん、荒咬オウガさんの3名は「TriNero(トライネロ)」という同期グループを名乗り、配信活動やグループでのコラボ配信を精力的に行っています。

そんな「TriNero(トライネロ)」のデビューが発表され、1か月が経過しました。デビュー後の初配信での事件の数々や月下カオルさんによる「ベイブレードASMR」がTwitterトレンド1位を獲得など、話題が尽きなかった1カ月でした。

この記事では「ホロスターズ」3期生のデビューからの事件やメンバーの魅力に迫ります。

女装アイドル(仮)月下カオルの衝撃デビュー!

ホロスターズ」は2018年6月に活動を開始し、1期生と2期生の計8名が在籍していました。そして、3期生が加わりメンバーの数は計11名へ成長。グループ誕生1周年となる2020年6月も近付く中、4月に満を持して投入された3期生は先輩に引けを取らない個性派ぞろい。グループのデビューは動画PVで公開され、「女装アイドル」「獣人」「魔人」の個性的な肩書に注目が集まりました。

その中でも、容姿で周囲を驚かせたのが月下カオルさんです。すらりとした長身に、つややかなピンクのロングヘア、存在感ある長いまつげは美人なお姉さんと言わんばかりの容姿。男性グループである「ホロスターズ」新メンバーにピンク髪の美少女がいる…。実は(女性所属の)「ホロライブ」側のメンバーではないかとどよめきが起きました。

https://www.youtube.com/watch?v=4mGKa04JHQk

月下カオルさんは「どっかーん!」の声とともに元気に初配信をスタート。「バリバリ男だよ私。キラ先輩のようにかわいい声はしてないけど、カワイイものやメイクが好きなの。男の子も楽しいし女の子も楽しいよ」と挨拶しました。

デビュー前は女性と間違われ、ホロライブのオーディション会場に通されてしまったところ、男性と判明して大道シノヴマネージャーに案内されたのだとか。夢は女装系アイドル(仮)を目指しているそうです。あくまでお化粧やかわいいものが好きで、女性の姿でいることもあればショートヘアの男性の姿で過ごすこともあると話しました。

また趣味にはお化粧のほかにベイブレードを掲げています。ベイブレードは「私の魂です」と断言するほど愛が深く、また週刊少年ジャンプの漫画やゲームが好きだと紹介しました。落ち着いた声と女性的な容姿のギャップにファンは驚かされ、同時視聴者数は5,000人を突破。女装アイドル(仮)の誕生に多くのリスナーが注目しました。

そんな中、配信終了約10分前に事件が…。突然「トイレに行ってきます!」と宣言。数分間のトイレ休憩を挟むことに。「初配信からトイレ離席は大物感がある」とリスナーには好評だったものの、後に同期からは反省会のネタとしていじられることになりました。

影山シエン まさかのミスでTwitter凍結

2番目に配信デビューしたのはマフィアのボスこと影山シエンさん。行方不明の親友を探しに獣人の世界からこちらへやってきたところ、獣耳、尻尾の珍しい容姿からスカウトされ、配信活動をはじめたそうです。

本人いわく「マフィアのボスでワル」と悪ぶっている様子ですが、実は酒とカフェインが得意でないとのこと。夜眠れなくなるから紅茶やコーヒーも自由に飲めず、オムライスとクリームあんみつ、丸ボーロが好きという“お子様”なギャップを披露しました。そんなところがリスナーの母性本能をくすぐり、コメント欄には「小学生かな」「かわいい」といった言葉が並びました。

そして初配信終了後の深夜、なぜか本人のTwitterアカウントが凍結しました。突然の事態に不安が広がる中、月下カオルさんがTwitterで事情を説明。Twitterのプロフィールで誕生日を設定する際に、デビュー年の「2020年」で登録したことが原因で凍結されてしまったそうです。

現在Twitterは「13歳以上でなければアカウントを使用できない」と規約を定めています。つまり、2020年に設定した影山シエンさんは現在0歳として認定されて利用規約に違反したのです。リスナーからは「これはベイビー」「(ある意味)大物」といったツッコミが届きました。

5月27日(水)現在、未だに彼のTwitterアカウントは凍結されたまま。配信のたびに「ホロスターズ」公式アカウントから影山シエンさんのツイートが届けられるという、違和感が拭えない状況が続いています。クールな声質と雰囲気なのに、このような天然な立ち振る舞いの目立つところが彼の魅力。月下カオルさん曰く「一流のバットで野球をしないでサッカーをしてしまうタイプの男」とのことですが、まだまだファンの予想を裏切るような事態を引き起こしてくれるのではと、期待されています。

荒咬オウガ 初ゲーム実況がBANで幻の配信に…

同期2名が続けて事件を起こす中、荒咬オウガさんはデビュー配信リレーのトリを務めました。3人の中でも圧倒的に年上の5030歳(人間だと約30歳)で、異世界に生きてきた魔人。色気あふれるバリトンボイスで、大人の男性と言った風貌と落ち着いた佇まいです。

一方で日本のレトロゲームをこよなく愛するオタク気質の持ち主。コミック誌の「週刊少年ジャンプ」をスマホアプリで何年も購読し続けているほどの漫画好きとのこと。人間文化への造詣が深さがリスナーの興味を引きました。

初配信で荒咬オウガさんは、同期の2人から「変な人」と評されていたのが納得いかないと告白。月下カオルさんを「見た目に騙されている。猫被ってる」とイジり、影山シエンさんのTwitter凍結事件を「赤ちゃんなんだよ、許してあげよう」とコメントしました。その後「2人とも良いやつ。この2人とならどこまでも行ける」とフォローし、信頼を寄せる気持ちを告白しています。

しかし初配信終了後、まさかの事件が…。初のゲーム実況として「カードキャプターさくら~さくらとカードとおともだち~」を配信したのですが、終了後まもなくアーカイブが非公開になりました

どうやらゲームがNHKの権利侵害に該当したのが原因だそうです。アーカイブを復活できないまま、幻の配信となってしまいました。

その後、Twitterで謝罪動画を発表し「さくらとの思い出は皆さんの心の中に刻んでおいてください。数年後、この出来事が笑えるようになったらいいな…」と語りました。

スタート早々の事件続きに、「ホロスターズ」や「ホロライブ」の先輩方からネタにされ、晴れて大物認定されることに。三者三様の騒動を起こした3期生は、間違いなく注目を浴びたと言えるでしょう。

「TriNero」の記念すべき初コラボは“反省会”

https://www.youtube.com/watch?v=xN34vMEyBrI

5月3日(日)「初のTriNeroコラボ」配信が行われました。テーマは「地獄の反省会」。3人の事件を中心に振り返ることになりました。

開幕早々、影山シエンさんのTwitterアカウント凍結事件に触れ「(マネージャーから)通話で『誕生日設定には気をつけろ』と言われていたのに」と裏話が暴露されました。下カオルさんもトイレ離席騒動の話題を触れられ、椅子の上でアレコレ姿勢を変えつつ我慢していたことを告白。「本当にあれは私の戦いだった」とコメントしていました。荒咬オウガさんのゲーム実況非公開事件についても話が及び、アーカイブの少なさを2人にイジられると、本人は「俺もTwitterに歌ってみた動画2個くらい上がってるし」と苦しげに言い訳しました。

デビュー前はクールなイメージが強く、ファンの一部からもそのような一面が期待されていた3人ですが、それをポジティブなかたちで裏切り、ファンに親近感を抱かせる結果になりました。

後半はイジり合いから離れ、3人でこれから配信でやりたいことや、将来の夢などを語り合う流れに。和気あいあいとしたムードで、仲の良さが伝わってきました。今も「TriNero」は積極的にグループでのコラボ配信を行っています。「おえかきの森」や「ロケットリーグ」などのゲーム実況で、仲睦まじい様子が見られるのでこちらもご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=WRpj22QSC_w

止まらない「ホロスターズ」の躍進

最近「ホロスターズ」は「ホロライブ」メンバーとのコラボ配信や歌ってみた動画の投稿、さらに公式番組「ホロコミ」の出演など、目覚ましい活躍を見せています。

振り返れば、はじまりは決して平坦ではありませんでした。男性と比べ女性ファンの数が控えめなVTuber界隈で、注目を集めるのは簡単ではありません。

ホロスターズ」は発足当初、グループとしての信頼を得るため「ホロライブ」との交流を控えていました。そこで1期生先発組はメンバー1人ひとりが創意工夫しながらリスナーと向き合い、配信を続けていました。VTuber界隈でまだ数少ない本格的「男性アイドルグループ」として真摯な活動を続けてきた姿は、周囲からの信頼という土台を形成する上で重要な存在だったと言えるでしょう

そこにブーストをかけたのが、2018年秋にデビューした1期生後発組の追加と「ホロライブ」コラボ解禁でした。さらに2019年12月の2期生デビューによって、「ProjectWinter(プロジェクトウィンター)」での大人数コラボや「マインクラフト」「ARK」のサーバー設立といった、グループ全体での活動が目立つようになります。数々の配信を重ね、メンバー同士はもちろんリスナーとの結びつきも強まっています

音楽面でも、奏手イヅルさんと律可さんのユニット「RIZnote」が2019年年末に配信。歌衣メイカさんと天開司さんによる「第2回V紅白」にも出演しました。中国の配信サイト「bilibili(ビリビリ)」でも定期的にメンバーによる配信が行われ「ホロスターズ」のグローバルな活躍が進んでいます。

現在、3期生「TriNero」は、各々の「好き」を活かした配信でファンを増やしています。直近ではベイブレードを愛してやまない月下カオルさんによる、バイノーラルマイク越しにベイブレードを組み立てる「ベイブレードASMR」が、販売メーカーのタカラトミーが取り上げたことでTwitterトレンド1位に。この予想外のニュースがVTuber界を飛び越えて、ベイブレーダーなどに広く知られるきっかけになりました。

1期生、2期生が刻んできた歴史に3期生が加わり、総勢11人として新しい歩みをはじめた「ホロスターズ」。ここからまたグループとして新しい魅力が開拓されていくでしょう。男性VTuber界で綺羅星のごとく存在する彼らの活躍からますます目が離せません。

執筆:五十嵐アキト


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