今ではVRゲームの代名詞的な存在のリズムゲーム「Beat Saber(ビートセイバー)」。10月13日、Oculus Quest版で最大5人で遊べる、マルチプレイヤー機能が実装されました。
これまでも、スコアランキングの競い合いはありましたが、他プレイヤーとリアルタイムに戦えるようになったのは初です。本記事では「Oculus Quest 2」の発売と共にやってきた同モードをレビューしていきます。
闘争心を駆り立てられるゲームに進化
先に結論を言ってしまうと、今回のアップデートは「Beat Saber 1.5」と呼べるほど気合の入ったものでした。
もともと「Beat Saber」は画面奥から迫ってくるブロックをライトセーバーでリズミカルに切断していくゲームです。オリジナルの楽曲はもちろん、有名アーティストの楽曲もプレイ可能(多くはDLC)。シンプルながら中毒性が高く、多くのユーザーの支持を集めています。
新実装のマルチプレイでは、ランダムマッチやプライベートマッチがプレイ可能です(難易度も選択できます)。入室すると、各プレイヤーがロビーに集合。希望の楽曲を選び、カウントダウンがゼロになったらスタートします。
操作方法は変わりませんが、対戦相手のプレイを横目で見られるのが大きな違い。リアルタイムでスコアバトルを繰り広げます。
最初は平常心で遊んでいたのものの、対戦相手の動きを見ているうちに「負けてなるものか!」とテンションアップ! 正直レビューを忘れるぐらい熱中してしまいました。プレイ中、最上位スコアの人のアバターが大型ホログラムとして中央に表示されます。見栄えが良いのはもちろん、現状トップをすぐ確認できるので、俄然やる気が湧いてきます。
ロードはほぼ皆無で、各プレイヤーが“レディ”すれば、すぐセッションできるのもうれしいポイント。Quest版「Beat Saber」自体、発売から1年以上経過しているタイトルなので、遊び慣れているプレイヤーが多く、少しのミスが痛手となるような緊張感のある戦いが楽しめました。
正直に言うと筆者はプレイするまで、今回のアプデについてあまり期待していませんでした。ソロプレイ中心の「Beat Saber」で、みんなが盛り上がるイメージがイマイチ想像できなかったからです。ですが、その先入観は完璧に裏切られました。闘争心をかき立てられるゲームとして新しく進化した印象です。
ソーシャルVR入門としても優秀
今回、他プレイヤーと競う対戦モードで遊びましたが、プライベートマッチ機能を活用すれば、フレンドと各楽曲を練習可能です。同じ練習でも、1人で黙々と繰り返すより、楽しく遊べること間違いなしです。
またマルチプレイヤーモードにボイスチャットがないのも特徴です。そのため突然、英語やフランス語で話しかけられる心配はなし。相手に手を振ったり踊ったりするといった、軽いコミュニケーションはできます。ノリの良い人が多く、全員でずっと手を振り続ける“謎の儀式”が起こったことがありました。
頭部やハンドコントローラーのトラッキングも忠実なので、「あ、休憩でヘッドセット外したな」や「コントローラー持ちながらスマホしてるだろ」など、“向こう側”の様子が伝わってくるのも面白いところです。
言語の壁を感じさせず、気軽にコミュニケーションできる点で、ソーシャルVRへの導入としても上手く機能していると言えるでしょう。
総評:「Beat Saber」はeスポーツを見据えはじめた!?
今回のアップデートによって、「Beat Saber」の完成度はさらに高まったといえるでしょう。現時点では、実装されて間もないため今後、様々なアップデートや改善が導入されていくと思われます。
個人的に「Beat Saber」は今後のeスポーツ活用も見据えていると感じました。これから妨害アイテムなどが使える“バトルモード”的なシステムが実装されても面白いかもしれません。
一通り「Beat Saber」をやりこんでいるプレイヤーはもちろん、初心者でも気軽に参加できるマルチプレイモードに一度挑戦してはどうでしょうか? Quest版「Beat Saber」は2,990円(税込)で販売中。初代Questならびに「Oculus Quest 2」でプレイ可能です。
ソフトウェア概要
タイトル |
Beat Saber |
開発元・パブリッシャー |
Beat Games |
対応VRヘッドセット |
Oculus Quest(Quest 2)、Oculus Rift(Rift S)、HTC VIVEなど |
プレイ人数 |
最大5人 |
価格(税込) |
2,990円(Quest版) |
公式サイト |
執筆:井文