【体験レポ】『Wearable Tech Expo2015』VRとARの未来を感じさせた4つの展示

9月7日(月)~8日(火)の2日間、国際カンファレンス「Wearable Tech Expo in Tokyo 2015 featuring IoT & VR」が開催されました。ウェアラブル技術に欠かせない技術となっているIoT(Internet of Things)他、VRの展示が行われ、現在のテクノロジートレンドの未来を垣間見る事のできる展示がされていました。今回、ここで行われたVR・AR展示の一部を紹介します。

※IoT:IoTとは、コンピュータや携帯などの情報通信機器だけでなく、私達のまわりに存在するあらゆるモノをインターネットに接続し、遠隔操作や自動制御をさせることです。

HADO / 株式会社meleap

株式会社meleapの「HADO」は、まるでドラゴンボールなどのアニメのように、ARを使い、現実空間を舞台にした超絶バトルを体験できます。現実空間が拡張され、目の前に巨大なモンスターが現れます。壁と床につけられているロゴがマーカーとしての機能を果たしているとのこと。

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image06プレイヤーが見ている画面。中継も行われており、プレイしていなくても戦闘の様子を楽しめました。

image13攻撃するのみでなく、敵の前のアイテムを取りに行くという要素も備えています。

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、スマホを取り付ける仕組みのもの。他のVRHMDと異なるのは、側面や底面に大きく穴が空いていることです。これにより、プレイヤーの視界には側面底面から現実空間の情報、正面からスマホの拡張現実空間の情報の2つが同時に入ってくるため、バーチャルな世界では無く、現実世界にモンスターが登場しているような感覚を味わえます。

image22側面から見た様子。

image00底面から見た様子。

腕を振る動作で敵に波動を出して攻撃するゲームですが、それを感知しているのがこの「Myo」と呼ばれるデバイス。スマホとbluetoothで繋がっています。本来、筋電位(筋肉を動かす時に生じる電圧)を感知し、「貯め技」を繰り出すために用いたデバイスでしたが、子供などでは電気が微弱で感知しづらいという理由から、その機能は使われていないとのこと。

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激しく体を動かしてもラグやバグが生じないため、ゲーム用のハードウェアだけでなく、システムについても細部まで作りこまれているという印象でした。「HADO」を開発している株式会社meleapは、スタートアップ支援プログラム「KDDI ∞ labo」を受けて開発が行われました。このプログラムでは、サービス開発と経営支援の双方からの専門的なアドバイスが受けられます。

Ring / Logbar

日本の企業Logbarが開発し、Kickstarterで約1億円を集めて注目を集めた指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」。この第2世代モデルとなる「Ring Zero」を体験しました。1世代目と比べ反応速度が10倍に向上した上、重量も3分の1になっています。価格は1万6900円で、全国の家電量販店でも販売を開始しています。空間に指で「M」や「V」と描く事で、音楽が流れたり電気が点いたりなど、ジェスチャーによってハードウェアをコントロール出来ます。ボリュームのコントロールなど、細やかな操作にも対応しています。

image02Bluetoothにより、20m離れたところまでジェスチャーを感知できるとのこと。リモコンのように特定の方向にデバイスを向けなくても簡単に反応します。

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そして「Ring」に対応したVRゲームも展示。飛行機を指先のジェスチャーでコントロールしながら、敵を攻撃します。操作方法が斬新なため、未来の乗り物を操縦している感覚が味わえます。

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ゲームを操作している様子

フィリピン留学VR / 留学情報館

語学留学者の数が近年急上昇しているフィリピンですが、新興国のために治安や衛生面などの不安な要素を抱える人が多いとのこと。留学情報館は、スマホを使ったVRコンテンツで現地の様子を事前に体感できるコンテンツを提供しています。

https://www.youtube.com/watch?v=RGXiLmCilp0

制作は「GuruVR」というクロスメディアVR専門のクリエイティブスタジオが行いました。このスタジオは、「Wearable Tech Expo in Tokyo」の発起人でもある上路健介氏がCEOを務めるジョリーグッド社のコアメンバーによって形成されています。独自開発されたウェアラブル360°VR撮影装置によって、全方位の景色に加えてナビゲーターの表情をしっかり捉える事ができ、「視聴者はナビゲーターと一緒に歩いている感覚を味わえる」とのこと。

※クロスメディアVRとは、VRに興味の無い一般の方に「VRに没入してみたい!」と思わせるため、他メディアでVRの魅力を伝えること。
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登壇している上路氏が身に着けているのが、ウェアラブル360°VR撮影装

上路氏はカンファレンスにて、「ウェアラブル360°VR撮影装置による”360°中継スタイル”で、番組の可能性が広がってきます。」とコメントしました。

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はらぺこ大王の料理番 / VR草の者

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テーブルを傾け料理番と王様2人で満腹を目指すコンテンツ。先日のOcufesでも展示されていたコンテンツです。一方が椅子に座り、料理番の役目をしながら食べ物をフォークで刺し、王様の口に運びます。もう一方のプレイヤーは王様です。料理番から届けられる食べ物をうまくキャッチしながら、テーブルを傾け料理番を移動させます。協力プレイでハイスコアを目指すゲームとなっているため、友達やカップルで楽しめそうです。

image17料理番のキャラクターがかわいいのも魅力です。

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■ウェアラブルエキスポから感じ取ったスマートグラスの熱気

ウェアラブル端末のトレンドとして、マイクロディスプレイ技術を利用したスマートグラスが多く展示されていました。両手で作業中でもハンズフリーでディスプレイを見る事ができるため、工場等の現場で作業をしながら指示書を見る事ができるというもの。オペレーターや熟練した熟練者からの遠隔指示も表示する事ができ、管理・監督のための人件費、出張費を削減できます。EPSON、TOSHIBA、FUJITSUなどの大手がこぞってハードウェア開発を進めている上、ソフトウェアに関しても「auお客様サポート」を開発しているオプティム社やNTTがそれぞれのハードウェア用のコンテンツを展示しており、スマートグラスの熱気を感じとれました。

image08オペレーターに作業指示を受けながら作業をしている様子

image11大きな倉庫で作業していても、どこの棚にいるのか一目でわかる

image16EPSON 「MOVERIO Pro」

その中で、医療現場などで活躍を期待されるスマートグラスがありました。それが2017年にリリース予定の「Mirama One」です。ジェスチャーで操作する事が出来るため、手術中の医師が血だらけの手でスイッチなどに触れなくてもよいとのこと。

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AR上に表示されるボタンを操作できるのはもちろんのこと、手を特定の形にすると、写真を撮る事ができるなどのデモが展示されていました。

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海外では、マイクロソフトがHololensを発表しており、その動向に注目が集まっています。今後、スマートグラスが様々な現場で活用されていくのか、楽しみですね。

(参考)
・Wearable Tech Expo 公式サイト
https://www.wearabletechjapan.com/ja/

この記事を書いた人

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    先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/