30時間で作ったVRコンテンツ5選 VR GameJam in Japan 2016 Autumnレポート

2016年11月26日~11月27日の2日間、30時間でVRゲームを作るVRGJ (VR GameJam in Japan)主催のハッカソン『VR GameJam in Japan 2016 Autumn』が東京、石川、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄の全国7会場で開催されました。協賛はMashup Awards運営委員会ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 

東京会場は銀座。筆者は2日目の試遊会に参加しました。

『VR GameJam in Japan 2016 Autumn』は事前に応募されたゲーム案の中から選択して2日間(30時間)に、グループでVRゲームを作ります。プログラマーだけでなくデザイナーやモデラ―も参加できます。東京会場では参加者最年少は高校生です。

ゲームエンジンUnityを作っている協賛のUnity社・オリジナルパッケージカップラーメンもありました。

2日間頑張っても完成できないことも、完成しても体験会ではデバイスの不具合で体験できなくなるチームもありましたが、体験できた作品はどれも2日間で作られたとは信じられないほどクオリティの高いものでした。

体験した中から6作品を紹介します。

『重力子猫VR』

天空城が浮いている空を飛び回り、どこかにいるユニティちゃんを探すというゲームです。天空城は空に屋根を向けて浮いている城と地面に向かって屋根が向いている逆さまの城で構成されています。そのため城に立って空を見上げると、上空から生えているかのような城が見えます。

高速で飛び、城に着地するときは猫のように必ず足から着地します。頭が地面に向いている場合、180度回転してから足から着地します。

このコンテンツは、高速からの急停止、回転など、VRでやってはいけないことをあえて取り入れながら、VR酔いをしない工夫をして、快適になるようにしています。高速で飛行しますが、飛ぶ方向に効果線のように風の流れを表すパーティクルを表示。城に着地するときは、もうもうとした砂埃、壊れる床石のかけら、爆音のような衝撃音を加えることで、ぶつかって酔うダメージを減少しています。

チーム名:重力子猫(わっふるめーかー氏、匿名希望氏)

使用デバイス:Oculus Rift 製品版

『Cube Climb』

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Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画 –

自動生成される箱型の迷路をよじ上って頂上のゴールを目指します。途中には高得点が入るポイントがあり、多く取って短時間でゴールに向かうよう、ルートを考えて登ります。上下の移動は現実のように両手を交互に上げ下げして壁面を登り、横移動はコントローラを使ったワープで行います。手元のボタンを押すと模型サイズの迷路が現れるので、現在地やゴール、得点が入る箇所を確認できます。

手を上げ下げして登ることが、とても楽しくなる迷路です。手を滑らせると下に落ちていくところまで現実のようです。猫が爪とぎしているかのように空中で手をかいている体験者を見ているのも楽しいです。迷路自体は自動生成されるため何回でも高得点を目指して挑戦する楽しみがあります。

チーム名:Cube Climb(afjk氏、ザバイオーネ氏)

使用デバイス:HTC Vive

『VRクレー射撃』

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Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画 –

オリンピックが待ちきれないということで作られたコンテンツ、オリンピック競技のクレー射撃を一足早く体験できます。VRでのテーブルに置かれたクレー用銃は銃身が長いため、現実にはコントローラーしかもっていなくても、両手で銃身を支えてて持ってしまうことが印象的。

左右どちらかから、飛び出る「Uniちゃん」というピンクの大きな丸い球を撃ちます。「Uniちゃん」は「うにうに」といいながらやってくるので、左右どちらからくるのか予測はできます。当たりやすくするような補正はかかかっていませんが、初心者でも簡単に当たり、2発撃てばリロードも自動。当てるためにはしゃがんで撃つ必要もあり、初心者がVRの楽しさを知るための最適なコンテンツの1つになりそうです。

GAME OVERになった後、うっかりコントローラーをVR内にあるテーブル(現実には何もない空間)に置こうとしてしまうほど没入感もありました。

チーム名:アーロンチェア(わかにゃ氏、睦実氏)

使用デバイス:HTC Vive

『VR間違い探し』

ありそうでいて、実は珍しいVRの間違い探し。第1ステージは女の子の部屋。制限時間内に部屋を見回し、記憶します。次に、数ヶ所変わった部屋の中で、先ほどと変化があるポイントを見つめることにより、当たりと判定されます。ヒントはありますがクリアするごとに難易度が上がります。

クリスマスイブの部屋の中など、クリスマスツリーの飾りや、床の上に置かれたプレゼントの山など覚える物が多いステージもあります。

最後のステージはなぜか最初と同じ、女の子の部屋。すでに何回か見ているにもかかわらず、間違ったところが見つかない……。実は、このコンテンツはとある「オチ」があり、それに驚くことも面白さの一つでした。

以前、伊集院光氏の番組にヒントを得て作ったとのこと。また、このコンテンツは更に作りこんで今後体験できる機会も考えているとのことです。

チーム名:間違いチーム(かみなが氏、みのたに氏)

使用デバイス:Oculus Rift 製品版

『いらすとやクエスト』

ネットでよく見るフリー素材集「いらすとや」のイラストだけを使ってVRゲーム制作。派手な演出にはかかせないパーティクル以外は、すべていらすとやの素材です。あえて3Dモデルを使わないVRコンテンツは、絵本やむかしばなしの世界に入ったようです。

敵を魔法の杖(コントローラー)から出る攻撃で撃つシューティングです。かわいいいらすとやの世界を体感できます。

チーム名:いらクエ(geekynews1氏、Gazyu氏、なっつー氏)

使用デバイス:HTC Vive

『囚人のジレンマVR』

ハッカソンの中でも珍しい作風のコンテンツです。2人プレイ用で、一人目はVRで上空に浮かぶ質問に「はい」「いいえ」で答えます。二人目は相手が「はい」「いいえ」のどちらを答えたかを予測し、「はい」「いいえ」のどちらかを選択します。相手の答えを当てれば相手にお仕置きがされ、相手の答えを外せば変わりに自分がお仕置きをされます。

相手が真実を答えるとは限らない心理戦です。合コンやオフ会などコミュニケーションを取り相手を知ることが目的でも、性格的に消極的だったり、決められた時間内になかなか相手を知ることは難しいこともあります。そのようなときにこういうものがあれば会話の発端になるのではという目的で作ったそうです。

質問をお互いに決められたり、嘘をつけないルールにしてみたり、工夫次第で面白いことができそうです。

VRにした大きな点はお仕置きに迫力があるところでしょうか。答えを外すごとに大きな岩が頭上に迫ってくるさまは真剣に当てようという気にさせられます。例え、落ちてきても痛くはなくとも。また被っている間は2人きりになるところもコミュニケーションツールとして良い点ですね。

チーム名:囚人のジレンマ(isaoohta氏、masarufuruya氏、amakijima氏)

使用デバイス:Gear VR

どれも2日間で作られたとは思えない作品ばかりでした。時間をかけることで更によくなっていくであろう可能性も秘めています。ハッカソンは見ず知らずの人とチームを組む場合もあり、2日間で作れるかを客観的に見極める能力、分業をスムーズに行うためのコミュニケーション能力、と好きな人同士で集まってわいわい楽しむだけではなく、ゲーム作りに必要な能力が求められます。

2日間しかないことで、普段なら作らないアイデアを形にする機会でもあり、他のVR展示とはまた違ったコンテンツが生まれる場所です。

機会があれば参加して、いつもと違う環境、初めての仲間と、作ったことのないVRコンテンツを作ってみるのもよいかもしれません。また、試遊会があるハッカソンやゲームジャムの場合、ここでしか体験できないコンテンツあるので、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

  • アニメや特撮、VR・ARが好きなだけな人です。Oculus等HMD、VR・ARの魅力を沢山の人に広めていければと思っています。

    Twitter:@kure_kure_zo

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