VRでAI坊主がSNS投稿から説法 未来の葬式をハッカソンで提案

葬式という儀式は亡くなった人を悼むだけでなく、残された人々の心を癒す役割も担なってます。

今回はエイベックスハッカソンの中から「旅立ちを祭る死と向き合うためのエンタテインメント」として、未来のお葬式を見せるVRコンテンツを紹介します。テクノロジーを使って葬式をエンタテインメントにする未来像を垣間見ることのできるコンテンツでした。

2017年11月18日から19日にかけて「avex-xRハッカソン(VR/AR/MR)」がエイベックス株式会社により開催されました。ハッカソンのテーマは音楽・エンタテインメントの未来をテクノロジーでアップデートすることでした。

手を合わせて魂を解放

AWA賞、IBM賞、Moff賞の3つを受賞したチームSoul Digitalization~制作の『Soul Digitalization~未来のお葬式~』は腕に巻くことで動きを認識するデバイスMoffをつけ、線香の香が付いたヘッドマウントディスプレイHTC Viveを被ってVR内の葬式に参列、AIお坊さんのお説教を聞ける作品です。

まずは現実の葬式のように祭壇の前でお焼香をあげて手を合わせます。手には光が集まってきて光る球が形作られていきます。手を合わせて拝むように上下に振ると、更に光の球は大きくなり、お焼香から煙が光る球に吸い込まれていきます。

ヘッドマウントディスプレイをつけていない周囲の人も、Moffをつけ一緒に手を振てもらうと、元気玉のように光が集まってきて、視界一杯に光が大きくなると空へ上がっていきました。

上空に上がった光る球を前にAIお坊さんの音声によるお説教が始まります。お説教が始まって、初めて本ハッカソン審査員の1人筑波大学助教授 落合陽一氏のお葬式に参列していたことが発覚するというサプライズつき。

落合氏は後の総評で本作品を「何回も僕が祈られていて良かった」と評していました。

お説教の内容は故人のフェイスブックから自動生成されます。ハッカソンがあった日はちょうど落合氏が出演する情熱大陸の放送日でした。お説教の文言にも情熱大陸の単語が入っています。

最終的にはデジタル化した魂が遺族のスマートフォンにインストールされ、ARで表示された故人とコミュニケーションがとれるようになる機能を考えていた、とのことですが、ハッカソン期間では未実装です。亡くなってもそばにいる感覚が残り、ARで現実にいるようにいつでも表示できれば、喪失感も減るかもしれません。

本来は亡くなった人を悼み、残された人にとっては辛く悲しいお葬式ですが、一緒に参列している人と祈ることで自分の祈りが亡くなった人の魂の解放に繋がることが見え、自分が悲しくても寂しく辛くても亡くなった人の力になったようで心が軽くなるようです。

SNSの内容から説法が自動生成されることで、SNSでしか面識がない人にも馴染みやすく、VR内での葬式ならば遠隔地からの参加や、オンライン上でしか付き合いが無かった人も参加しやすい説法になりました。

お葬式をエンタテインメント化することに、現在はまだ抵抗がある人も多いかもしれませんが、このコンテンツでは死者を冒涜することなく、テクノロジーを使うことで癒しとしての葬式の効果をより深めるものになっていました。

死後に自分のSNSから説教が作られるのであれば、日頃から発言に注意が必要か、更新が途絶えて一定期間過ぎれば特定ワードを削除するようなサービスが必要だと感じさせられました。

この記事を書いた人

  • アニメや特撮、VR・ARが好きなだけな人です。Oculus等HMD、VR・ARの魅力を沢山の人に広めていければと思っています。

    Twitter:@kure_kure_zo

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