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VRChat 2023.08.18

リングの熱気で世界を動かせ。格闘技イベント「VRCボクシング大会」を体当たり取材!

ソーシャルVR「VRChat」で、日夜己の拳を振るう人たちがいます。舞台となるのは「VRCボクシング大会」。VR空間で本物のボクシングさながらの「VRボクシング」が体験できる、格闘技イベントです。

本イベントは、単体のVRゲーム並みに作り込まれたゲームシステムと、ほぼ毎週練習会と大会が開催される精力的な運営、そしてリングの上で生まれる数々のドラマから、VRChatイベントの中でも特に注目を集めています。

そしてテレビ取材に加え、韓国のストリーマーグループ「WAKTAVERSE」によるボクシングイベント「バーチャルファイター」の開催、VRスポーツイベント「SPARK LINK」への競技採用など、多方面へ飛躍しようとしています。

MoguLive編集部は今回、「VRCボクシング大会」の練習会を取材。運営スタッフ・参加者へのインタビューに加え、VRボクシング体験を通して、大きな注目を集めるVR格闘技イベントの魅力に迫ります。

取材には「かなりの体力」を要すると判断した編集部は、爆食系VTuberのおむらいす食堂を記者として迎えました。フルトラで身に着けた体力を持て余すおむらいす食堂による、熱いイベント体験レポと合わせてお送りします。

(インタビュー・執筆:おむらいす食堂、編集:浅田カズラ)

目次

おむらいす食堂が体当たり取材!VRCボクシングレポート
いざ「VRCボクシング練習会」へ
リング上で感じる高揚感!VRボクシング体験スタート
想像以上に「ガチ」なVRボクシング体験
海外からの参加も多数!参加者へ突撃インタビュー
「新しいスポーツの形を作りたい」運営インタビュー
今すぐ参加できる!みんなで作る「VRCボクシング」の未来

おむらいす食堂が体当たり取材!VRCボクシングレポート

今日も元気にいただきます!おむらいす食堂のおむです。

初めましての方は初めまして!「食」をテーマにVTuber活動をしつつ、3D化を機にのめり込んだ「バーチャル世界」の楽しさを発信しています。普段はYouTubeでの動画投稿がメインですが、より多くの方へ体験を伝えるべく、MoguLiveにてライターとしても活動することになりました!

今回は、初めて担当する企画として「VRCボクシング大会」に体当たり取材!……って、ライターデビューとしては色々な意味でパンチが効いていませんこと?

インタビューに加えて、本物のボクシングさながらの「VRボクシング」を体験するとのこと。フルトラで日々動きまくっているとはいえ、運動経験ゼロの私に務まるのか……初めて尽くしの取材に期待と不安を抱きつつ、早速「VRCボクシング練習会」へ潜入です!

いざ「VRCボクシング練習会」へ


(VRChatワールド「VRC BOXING GYM」)

毎週木・日曜の21:00〜23:00に開催される「VRCボクシング練習会」。会場に入ると、オープン直後からたくさんの参加者の声が聞こえてきます。


(取材にご協力いただいたムシコロリさん:ワールド・ギミック制作担当)

ムシコロリ:
ここが「VRCボクシング練習会」の会場である「VRC BOXING GYM」です。

案内された会場には、VRボクシングを行うにあたっての詳細説明があります。ゲームの仕組みからルール・操作方法まで、これを読めば初めてワールドを訪れた人でも安心です!

ワールドの入り口付近には、なんと元WBC世界フライ級王者・内藤大助選手をはじめとした有名人のサイン色紙が!これは今年5月に放映された、テレビ朝日『新世界メタバースTV』にて取り上げられた際の記念品とのこと。その他にも、協賛企業のポスターが掲示されるなど、ワールドの随所からも、メディア・企業からの注目度の高さが伺えます。


(ワールドの一角には「Punching Traning Test」も。スコアを競って楽しみながらトレーニングができるコーナーです)

リング上で感じる高揚感!VRボクシング体験スタート

とり:まずは、ルールの説明から教えます!

ここからは、VRCボクシング大会の発起人であるとりさんにVRボクシング体験をサポートしていただきました! 早速リングに上がってみると、外から眺めるだけでは感じられない高揚感が湧いてきます。

VRCボクシングには、2つのゲームモードがあります。「ノーマルモード」はゲーム性の高い試合を楽しむことができ、「リアルモード」では実際のボクシングにより近い体験ができます。「ぜひリアルモードを体験して欲しい!」というとりさんからの熱い要望により、今回は「リアルモード」にチャレンジします!

練習を始める前に、パンチの打ち方についてのレクチャーを受けました。パンチの速度やフォームによって与えるダメージが変わる為、とりさん曰く「ちゃんとしたフォームでちゃんと殴ることが大事」とのこと!

想像以上に「ガチ」なVRボクシング体験

練習は2ラウンド(1ラウンド2分間、インターバルを挟みつつ2セット)でスタート。「1ラウンド2分って短くない?」と思ったのも束の間、開始直後に猛省しました。いざ体験してみると、2分間が……長い! 思えば、日常で2分間絶えず拳を動かすことがあるだろうか(ない!)。それも、動く相手の「隙」を狙うとなると想像以上の難しさです。

なかなか当たらないパンチの中に、「バシッ!」という音と合わせてエフェクトが散る体験はまさに爽快。周囲からの応援ととりさんの手加減のおかげで、気分は完全に「ボクシング選手」です。これは楽しい!!!!

と、ここでトラブル発生。「ボゴォ!」とゴーグル外から聞こえる音と共に、拳が何かにぶち当たる感覚が……


(ボゴォ!)

とり:大丈夫ですか!?

息切れしながら咄嗟に「大丈夫です!」と口をついたものの、実は全然大丈夫ではありませんでした。バーチャルでとりさんに向けた拳は、リアルの物体に大ヒット。どうやら私はベースステーション(※)をぶん殴ってしまったようです。

※トラッキングをするためのセンサー。VRをプレイする上で非常に重要で高価な機材。

周囲の安全に配慮していたつもりが……床に落ちたベースステーションを繋ぎ直しながら、恥ずかしさのあまり笑いがこみ上げてしまいました。冷静に考えたら、ベースステーションが故障でもしたら全く笑えません。

今回は幸運なことに故障もせず、怪我もありませんでしたが、VRボクシングにおける安全の確保がいかに重要かを思い知らされた瞬間でした(冗談ではなく、本当に気を付けてほしい……!)。

とり:ガード上げて!ボディ空いてるよ!

後半になるにつれて重くなる体、落ちる拳のスピードに抗えなくなっていきます。たった5分足らずのうちに、思うように動かなくなる体がもどかしい……これは想像以上に「リアルの体」を使わないと、相手にダメージを与えることができません!

加えて、体を動かして戦ってもらうための工夫として、リング上では歩行速度が制限されています。最初のレクチャーで言われた「ちゃんとしたフォームでちゃんと殴ることが大事」という言葉が、これほどまでに「ガチ」だとは……!

そんな「ガチ」なVRボクシング体験の中で感じられたのは、リアルとバーチャルが肉体を介して繋がる感覚です。さらに練習を積み重ねれば、相手の動きを見てパンチを避けられるレベルの同期を実現しているとのこと!

「VRボクシングはただのゲームではなく、スポーツとして成立する!」と、強く思わされる体験となりました。


(続いて練習に参加した記者・浅田の体力は尽きていた)

海外からの参加も多数!参加者へ突撃インタビュー

気付けば、会場はたくさんの参加者の声で溢れ、賑やかなムード。日本語だけではなく、聞き慣れない言語の会話もあちこちから聞こえてきます。

「参加者にぜひ話しかけてみてください!」というとりさんの一押しもあり、「VRCボクシング練習会」をさらに深堀るべく、参加者のみなさんに突撃インタビューをすることに!今回は5名の方にインタビューのご協力をいただきました。

【インタビュー①】リメさん・フムオジサン(通訳:YUUCHAさん)

海外からの参加者も多く見られた会場にて、まずは韓国在住のリメさん、フムオジサンの2名にお話を伺いました!通訳は、同じく韓国からの参加者・YUUCHAさんです。


(写真左:リメさん、写真右:フムオジサン)


(YUUCHAさん)

——どれくらいの頻度で練習会に参加されていますか?

リメ:
週2回の練習会(毎週木・日曜)の他、時間がある時に練習に来ています。

フムオジサン:
2週間に1度くらいです。

——もともと運動経験はありましたか?VRボクシングに出会って運動をするようになったのでしょうか。

リメ:
VRボクシングを始める前にした運動と言えば、「呼吸」くらいですね……(笑)。

フムオジサン:
8年前に、1年半くらい趣味でボクシングをしていました。それをやめた後も、サッカーなどの運動は続けていました。

——VRボクシングを始める前後で変化したことはありますか?(体つきなど)

リメ:
体力はかなり上がったと思います! 最初の頃は1〜2試合でバテてしまったけれど、最近では5〜6試合まで普通に続けられるようになりました。

フムオジサン:
体力は上がりました。正確な体重は計っていないので分からないけれど、2ヶ月前はほぼ毎日練習に参加していたので、確かに痩せましたね。

——VRボクシングをしていて、印象的だったエピソードを教えてください!

リメ:
最初に始めた「リアルモード」では全く勝てなかったところ、「ノーマルモード」で少しずつ勝てるようになったことです!

フムオジサン:
7月に開催された「RED° TOKYO TOWER SPARKLInk杯」で全ての試合に勝ち、MVPに選ばれたことですね!ただ残念なのが、未だにとりさんに勝っていないことです(笑)。

——あはは!とりさんに勝つのが目標ですね。

フムオジサン:
最終目標です!(笑)。

【インタビュー②】黒夢モノさん

黒夢モノさんも、同じく韓国からの参加者。日本語にてインタビューにお答えいただきました!

——どういったきっかけでVRCボクシング大会に参加されたのですか?

黒夢モノ:
VR系のe-sportsが好きで、もともと「ペコペコバトル」で遊んでいました。そこでの知り合いがVRCボクシング大会に出ていて、自分も参加したという感じです。

——それまでボクシングをやられていたわけではないんですね。

黒夢モノ:
VRボクシングは去年くらいから遊びでやっていたんですけど……今年の3〜4月頃、ちょうど新人杯のエントリーが終わるタイミングで自分も本気で大会に参加してみようと思いました。

——見る側ではなく、やる側に興味が出てきたんですね!

黒夢モノ:
そうですね。やっててすごく楽しいな、勝てそうだな……勝ち抜けてやろう!みたいな(笑)。

——おお!「勝てそう」と実感したのは練習からですか?

黒夢モノ:
厳密に言うと「勝てそう」というよりは、全然当たらなかったパンチが、ある時から当たるし避けられるようになって「お、できるかも!」と感じて。新人杯だしやってみよう!と思ったら、すごくどハマりしました(笑)。

——すごいですね!上達していった過程が素敵です!

黒夢モノ:
みんなと練習して、同じところを目指して「頑張っているな〜燃えるな〜!自分も頑張ってみよう!」となりました(笑)。

——VRCボクシングで勝ち取りたい夢や目標はありますか?

黒夢モノ:
今回「Vket2023Summer杯」の本戦にも出ていて、本選への出場は最短記録という話を聞いて。ただ、準決勝まで出ていたらかっこよかったんだろうな〜!と(笑)。次は、本当にかっこいいタイトルをつけられるようにしたいと思います。

——うわ〜!すごいですね……!

黒夢モノ:
がんばります(笑)。今の所、タイトルがついている大会の本戦に出ているのは韓国人では自分だけだけど、もっと韓国の選手も本戦に出られるようにしていきたいと思います。

——韓国選手の輪を広めるのも目標の一つなんですね。応援しています!

【インタビュー③】ゆきんこさん

続いてお話を伺ったのは、ゆきんこさん。「VRCボクシング大会」にて実況を務めるVTuberであり、VRCボクシングを初期から見てきた参加者のひとりです。

——どれくらい前からVRCボクシング大会の実況をされているのですか?

ゆきんこ:
今のワールドになる前から、大会の実況をしています。

——どういったきっかけで始められたのでしょうか?

ゆきんこ:
一番最初のきっかけは、「Vket2021杯」の開催が決まった際ですね。Vketの運営と知り合いだったのと、もともとVRChatなどでスポーツ・レースの実況をしていたので「まかせてください!」というかたちで引き受けました。

——そもそも実況を始めたきっかけというか……リアルのお仕事でもされていたのでしょうか?

ゆきんこ:
リアルの仕事ではないんですけど……5~6年前になっちゃうんですが、ユーザーが少なかった頃にコミュニティ内で「レースワールドを作って、明日配信をする!」みたいなことがあって。レースのジャンルで実況をしている人がなかなかおらず、「ワールドは作った!選手もいる!実況がいない!」と(笑)。

そんな時に「ゆきんこさんって、こういうのできたりしませんか?」と知り合いから言われて、「よく分からないけど、できますよ」と引き受けるようになりました。

——すごい!実況の需要があったのですね(笑)。

ゆきんこ:
全然経験もなかったんですけど、ノリと勢いのままにやりまして(笑)。そこから2ヶ月後くらいに、実況と司会に特化したVTuberとしてデビューしました!

——なるほど!それまではVTuberではなかったんですか!?

ゆきんこ:
VTuberでもなんでもなく、VRChatterとして過ごしていたんですけど、過去に配信をしていた経緯もありVTuberに繋がっていきました。

——バーチャルでの活動が、そのままVTuberとしての活動になったわけですね。

ゆきんこ:
そうですね……VTuberデビューした2018年5月時点では、司会や実況をするVTuberというジャンルが珍しかったので需要が生まれたという感じですね。

——わずかな需要を拾って活動に繋げられたのがすごいです……!

ゆきんこ:
個人的に、やったらできたというのが大きかったです(笑)。

——数年間にわたってVRボクシングを見てきて、一番魅力だと感じるポイントはなんですか?

ゆきんこ:
やっぱり、試合だからこそ生まれるドラマがどの大会にも存在することですね。選手とは異なる、実況ならではの客観的な目線で見ているからこそ、そのドラマが伝わってくるのが魅力です。

練習と本番のそれぞれで、選手たちの「本気の熱量」を一番近くで見てきた自信もあって、YouTubeの画面上で見るのとは異なる「現場の熱量」も感じてほしいと思います。

——バーチャルだからこそ、実況で伝えるにあたってもどかしいと感じる部分はありますか?

ゆきんこ:
試合状況や展開の予想はできるものの、やっぱり「現場の熱量」を実況だけで伝えるのが難しくて。「大会の熱量+実況で感じてもらえる熱さ」というものがあって、大会の熱量は「YouTubeの画面」と「実際の現場」で感じ方は違ってしまいます。

実際には飛んでこないんですけど、汗と熱がブワッと飛んでくるような感覚を「実際の現場」で感じてもらわないことには、実況だけで熱量を伝えるのが難しいというのが課題です。

——体験に勝るものはない、という難しさですね。

ゆきんこ:
そうですね。実況としてはそこまで伝えたいんですけど……(笑)。

——実況者としての「伝えたい熱量」をものすごく感じました!ゆきんこさんの実況にも注目して試合を楽しみたいと思います。ありがとうございました!

【インタビュー④】FIRE_EAGLEさん

4人目はFIRE_EAGLEさん。VRCボクシング大会の選手として、数々の結果を残されてきました。なんと、数百人いる日本人選手の中でも「四天王」と呼ばれるほどの実力者です!

——どれくらい前からVRCボクシングに参加されていますか?

FIRE_EAGLE:
だいたい1年半くらいです。

——長いですね!きっかけはなんでしたか?

FIRE_EAGLE:
きっかけは、すでに参加していたフレンドですね。「やってみないか」と誘われました。

——もともとスポーツをやっていて、興味があったというわけではなかったんですか?

FIRE_EAGLE:
そうですね。あんまりボクシング自体には興味がなかったです。運動は結構しているので、「やってみてもいいかな〜」という感じでしたね。

——どれくらいの練習期間で大会に出られたのでしょうか?

FIRE_EAGLE:
最初に大会に出たのは、始めて1ヶ月くらいでしたね。チーム戦だったんですけど、当時のリーダーの方から指導を受けて、みんなで優勝しました。

——すごい!優勝メンバーの一人だったんですね!因みに、練習を始めてみてハードだった思い出はありますか?

FIRE_EAGLE:
自分が結構負けず嫌いなので、だいたい勝てるまでやるっていうのが……その頃は、毎日夜9時に始めて、朝の5時までずっと練習して、寝て、仕事に行くっていう(笑)。

——え!? 8時間!? いま自分が計算を間違ったかと思いました……正直、「大変だな、やめちゃいたいな」みたいな瞬間はなかったんですか?

FIRE_EAGLE:
ボクシング自体がスカッとするじゃないですか。人と勝負して、パンチしてっていうのが。それにずっとハマっていたので、そんなにキツイな〜というのはなかったですね。

——リフレッシュになっていたんですね。VRCボクシングに感じたおもしろさの中で、特別「ここにハマった!」というポイントを教えてください!

FIRE_EAGLE:
みんなと何時間も練習して、一緒に汗を流して、終わったら些細な会話をして。苦しい時間や楽しい時間を共有できるのが素晴らしいなと感じました。それでハマったという感じですね。

——みなさんとの関係値の良さを感じますね!これからVRCボクシングを続けていく中で、目標はありますか?

FIRE_EAGLE:
「最強」になることです。

——うわー!かっこいい!!始めて1ヶ月で参加した大会で優勝メンバーになったりと、才能を感じます……

ムシコロリ:
才能というより、練習量が凄まじかった……!

——(深く頷きつつ)因みに……VRCボクシングに出会う前、VR自体はどれくらいの期間やっていましたか?

FIRE_EAGLE:
だいたい、VRは1年くらい。

——どうやってVRで遊んでいました?

FIRE_EAGLE:
まあ、筋トレが好きだったので、友達と筋トレしたりとか……お酒飲んだりとか……そんな感じですね。

——なるほど〜!VRで体を動かす楽しさはもともと知っていたのですね。体を動かすこととVRの親和性を感じるお話でした!ありがとうございました!

【インタビュー⑤】Binaさん

ラストはBinaさん。韓国からの参加者でありながら、日本語スキルを活かして、韓国選手の通訳を中心とした運営サポートをされています。

——いつからVRCボクシングの運営に関わっていますか?

Bina:
最初に入ったのは、今年の6月です。2ヶ月前ですね。VRCボクシングを見てやりたくなって、一回売ったVRを買い直しました!

——おお!すごい。VRCボクシングに出会うきっかけはなんでしたか?

Bina: もともとVRCボクシングに参加していた韓国のフレンド、Creeikeさんから誘われました。最初は運動しようと思って参加したんですけど、日本語ができるので助けになりたくて、運営として翻訳を担当することになりました。

——サポートをしたい!というところに繋がったのが素敵ですね!今はサポートがメインですけど、試合にも参加されますか?

Bina:
ちょっと体力がなくて……今は練習に集中しています(笑)。

——運営のサポートについて、具体的にどんなことをされていますか?

Bina:
最近だと「RED° TOKYO TOWER SPARKLInk杯」のマネージャーとして、通訳やユニフォームのデザイン、スケジュールの管理をしました。表を作って、同じチームの中でだれが一番強いのか、映像も撮って分析したり……

ムシコロリ:
前提として「RED° TOKYO TOWER SPARKLInk杯」はチーム戦だったんですね。「Team ZEUS」と「Team 夏狩り」の2チームで、Binaさんは「Team ZEUS」のマネージャーでした。各チーム、お互いの選手を分析し合うなど、かなり熾烈だったんですよ(笑)。イベントの表には出ていないけど、裏でも熾烈な戦いだったんです!

——いわゆる「情報戦担当」ってやつですね!しかもクリエイティブもやられるっていう……!

Bina:
映像については、チーム内で撮影しながら戦って「この動きが変」など、みんなで見ながら分析しました。

——マネージャーだ……!もともとスポーツチームのマネジメント経験があったんですか?

Bina:
いや、自分が運動することはあったんですけど、マネージャーとしては初めてでした。

——運動経験としてはボクシングをやられていたんですか?それとも別のスポーツ……?

Bina:
別のスポーツですね。水泳とか陸上とか、乗馬とか。いろんなものをやってきた経験から、みんなの動きを分析するのが好きで(笑)。

——スポーツ経験があっても、そこまでガチな方は少ないと思うので、まさに経験が活かされていますね!

Bina:
あら……恥ずかしい(笑)。

——しかもデザインもするということで、これも好きでやるようになったんですか?

Bina:
そうですね。マネージャーだから、最初は自分でデザインするんじゃなくて、デザインチームが作ったものにフィードバックしていたんですけど……最近は自分でもやるようになって、「Team ZEUS」のロゴや韓国人選手向けのSNSバナーを作りました!


(Binaさんがデザインした「Team ZEUS」のロゴ入りユニフォーム)

——ここまでチームにコミットするようになった、「一番の魅力」はどこにありますか?

Bina:
これもスポーツだから、スポーツマンシップとして、ボクシングを通じて仲良くなるのが良いと思います。


(ここで、筋トレを始める参加者たち……Creeikeさんが逆立ちしている!?)

——え!?あれって本当に逆立ちしてるんですか!?

Bina:
そうですね。Creeikeさんの特技だから(笑)。

——インタビューを通じて、参加するみなさんの関係値の良さや向上心の強さを痛感しました……!これもVRCボクシングがここまで成長してきた秘訣なのかもしれませんね。


(インタビューの最後は、駆けつけたCreeikeさん・とりさんと一緒に記念写真!)

「新しい形のスポーツを作りたい」運営インタビュー

運営メンバーである主催のとりさん、ワールド・ギミック制作担当のムシコロリさんに、「VRCボクシング大会」全体についてお話をうかがいました。

――「VRCボクシング大会」はどのようにスタートしたのでしょうか?

とり:
2年半くらい前、「Udon Boxing」というワールドでボクシングをやっていたのがきっかけですね。現在の「VRCボクシング大会」よりもゲーム性の強いワールドなんですが、遊んでいて「メタバースでヘッドセットかぶって殴り合うのめっちゃ楽しいじゃん」って思ったんです。

そして当時、「Udon Boxing」は海外のプレイヤーはたくさんいたものの、日本人のプレイヤーは全然いませんでした。そこで、日本人向けの練習会イベントを木曜日・日曜日開催という形で始めました。このイベントが前身となっています。

――その時点では”大会”ではなかったんですね。

とり:
ですね。その後、プレイ人口が少しずつ増えてきたところで、「みんなでトーナメントやろうぜ」って話が持ち上がりました。そこで、トーナメントをやる上で大会の名前をどうしようかなと考えた結果、「VRCボクシング大会」でいいかって名前が決まりました。

ムシコロリ:
ほんと安直だったよね(笑)。

とり:
なんにも考えてないですね(笑)。こうして2021年9月ぐらいから大会を何回か開催していきました。2021年12月には、「バーチャルマーケット」と初めてコラボした大会「Vket2021杯」を開催し、アリババクラウドさんなどから協賛してもらう大規模な大会になりました。その後も1ヶ月に1回ペースで大きい大会を開いていたところに、ムシコロリさんが僕の募集を見てやってきてくれたんです。

ムシコロリ:
「如月杯」という、友人の中田らりるれろさんがゲストで出ていた大会を見に行ったのがきっかけでしたね。その大会を見て「熱いじゃん!!」と思い、とても満足した次の日ぐらいに、とりさんのTwitterでの募集を見たんです。

「ギミック作れる人いませんか」という告知だったので、自分も簡単なギミックなら作れるし、ぜひ関わろうと思い、僕からとりさんに声をかけました。そうしたらその後、「『Vket2022Summer杯』に向けて、ゲームギミックを丸ごと作る」という話を聞かされたんですよね。

――「思ってたよりも大きなことになってるぞ」と。

ムシコロリ:
話を聞かされたのが2022年の6月だったと思うんですが、大会があるのは8月。すでに大会の開催日時は決まっているので、ギミックがない状態から大会を実施できるワールドとギミックを作らなきゃ!という状態でしたね。

――そこから2ヶ月でギミックとワールドを制作をされたんですか!?

ムシコロリ:
はい。この練習会ワールドと大会ワールドを制作しました。

とり:
僕の人生の被害者ですね(笑)。まぁもし会場などができなかったとしたら、以前のワールドでやればいいだろうとは思っていたのですが……「この男は多分できるだろうな」と思っていました。

――信頼が厚いですね。

ムシコロリ:
割とできてしまったので。とはいえ、技術力というよりは根性だよね。

とり:
だね。デバッグ期間中なんか、朝10時にVRで落ち合って、そこから夜の11時ぐらいに寝るまでずーっと作業する、というのを1週間ぐらいやってました。休みはなかったですね(笑)。


(制作期間2ヶ月とは思えない完成度の大会ワールド……)

――めちゃめちゃすごい歴史があるじゃないですか! でも、そこで完成して終わりじゃなかったんですよね。

とり:
1年ぐらいかけて、いろいろとアップデートしています。よく「アップデートが早い」と言われるんですが、僕らの中ではこのゲームはまだまだ完成していなくて、「1年前からずっと作り続けている」という感覚なんです。いまも目指したい場所へ向けて、ムシコロリさんと一緒に考えながら毎日取り組んでいます。

――「目指したい場所」というのは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

とり:
「新しい形のスポーツを作りたい」ですね。

ヘッドセットをかぶってメタバースに入るのって、めっちゃ楽しいし、いま僕とおむらいす食堂さんが話しているように、たくさん人と会話してコミュニケーションができますよね。でも、言葉が通じなくても通じ合えるきっかけがスポーツだと思うんです。

例えば、僕がさっき戦ってたCreeikeって人は韓国の方で、僕とはほとんど意思疎通できないんです。話す言葉が違うので。でも、僕は彼に対してすごい信頼感を持っています。一緒にいつも戦ってるし、強くなるために毎日努力して、パンチして、体動かして、息切らしてるのを知ってるからです。

一緒に運動するってことで生まれる人間関係や信頼関係って、絶対にあると思うんですよね。メタバースの世界で一緒に体動かすと、従来のゲームよりも色濃く実現できるのかなと思っています。

――そのあり方は実際のスポーツにも通じるところですよね。

とり:
従来のSNSとかって、言葉ありきじゃないですか。例えば、初対面の人と会ったとき、「こんにちは。俺、こういうことをやっていて、こういう人間で……」って口頭で説明しないと、人間関係が成り立たない。僕みたいにしゃべるのが得意じゃない人だと、ちょっと困る時があります。

でも、一緒に同じこと・難しいことに取り組んで、同じ時間を共有すると、一体感が生まれるんですよ。本当だったら仲良くなれない人間同士でも、スポーツというコンテンツを通じて時間を共有して、汗を流したら、相手のことを認めてあげて、大切にできるし、尊敬もしてあげられる。そうしたことにめちゃくちゃこだわってます。

――きちんと相手を目の前にして、同じ一つのスポーツに向き合うって、言葉はいらないですよね。

とり:
そうなんですよ。だからこそ、「強いか弱いか」は重要じゃないんです。

例えば、このイベントによく来るBlueRinxっていう海外の人がいるんですが、彼はプレイ歴は僕と同じくらいですが、実力で言ったら多分僕よりずっと弱いです。でも、同じ期間、同じだけがんばっていることを知っています。だからこそ、全然意思疎通ができなくても、楽しく遊べるし、お互いのことを大事にできる。そういうゲームを作っていきたいですね。


(画像内の「俺達が友達になれたのは”言葉”が通じるからじゃなかったろ」が胸に刺さる)

――ワールド・ギミック制作を担当されているムシコロリさんにも質問です。このワールドのこだわりなどをお伺いしてもいいですか?

ムシコロリ:
ギミックもですが、ゲームの立ち位置にこだわってますね。今までのボクシングゲームだと、1対1で、そこまで会話はできず、アバターも固定です。だけど「VRCボクシング」では、目の前に人がいて、その人と会話ができます。そして、やろうと思えばそれぞれのアバターでも自由に戦うことができます。

最近発売された『ストリートファイター6』でも、自分のキャラクターを作って戦えるシステムがありますが、その面では「VRCボクシング」が多分先行しているんですよね。「VR空間でのスポーツ」であり、かつ「eスポーツ」でもあるという、時代の流れの先進性みたいなものは結構意識しています。

――やはり自分の姿として戦えるというのが大きいですよね。

ムシコロリ:
現状では同じアバターを使うほうが、手足の長さからくるリーチなどの兼ね合いから、公平性は高いんですが、ちょうど先日の「VRChat」のアップデートでお互いのアバターの身長を揃えられるようになりました。

自分のアバターで戦えるのは魅力だと思っているので、将来的には「自分の好きなアバターで戦う」というところにもチャレンジしていきたいですね。

とり:
もう少し具体的な「目指す方向」についてお話しすると、「自分自身の能力を伸ばす楽しさ」を作り出したいですね。

今のゲームって、「これとこれを覚えて、ここでこうしたら、じゃんけんで勝てる」っていう、知識に依存する要素が多いと思うんですよ。自分の能力を伸ばすというより、勉強したゲームの知識をぶつける、といいますか。

それよりも、自分の手で努力して、自分自身の能力を伸ばしていくことで勝てるゲームにしていきたいですね。


(赤と青がトレードマークのVRCボクシング用アバター)


(自身のアバター姿で練習に励む参加者も)

――その方向性もまさに「スポーツ」ですね。そうなると気になるのが、「VRCボクシング」に参加されている方の現実での経験です。まず、とりさんご自身は格闘技経験はありますか?

とり:
めちゃくちゃやってます。もう現役ではないんですけど、子どものころから12年ぐらいボクシングはやってましたね。

――その経験が今に繋がっているんですね!「VRCボクシング」の参加者にも、運動や格闘技の経験者、それこそ現役のボクサーといった方は多いのでしょうか?

とり:
運動経験者は半分くらいで、格闘技経験者は2割くらいです。もう半分はそこまで運動をしてこなかった女性の方や、一般的な「VRChat」ユーザーの方もいらっしゃいますね。

――参加者の方はどのようにこのイベントを知って、通われるようになったのでしょう?

とり:
シンプルに、イベント告知掲示板などから知ってくれた方がほとんどだと思います。2年ほどやっていくなかで、毎回来る人もいれば、木曜か日曜のどちらかだけ来る人もいて、特定の時間にだけ来る人もいる。いろんな人がいますね。

――運動や格闘技が未経験の人も、「VRボクシング」自体を同じ空間・同じ土俵で楽しんでもらえているってことですよね。

とり:
ボクシングそのものもですけど、ある種の焦燥感・ライブ感に魅せられて来る人も多いと思いますね。

リングに上がって、ギャラリーが応援している中で、相手が殴りかかってきて、自分も一生懸命殴って、歓声が上がり、試合に勝てば次へ進み、負ければ敗退して終わり――そんな緊張感の中で戦うこと自体、なかなか現実世界で生きていると経験できない感覚なんですよね。

――実は私、もっと専門的な集団だとばっかり思っていたんですけど、意外と間口が広いイベントなんだなってあらためて感じました。

――VRボクシングとリアルのボクシングと比べた時に感じる、メリット・デメリットはどのようなものがありますか?

とり:
VRであることのメリットは、「世界も性別も関係なく戦える」ってことですね。

もし、海外の人と一緒に運動して、「お前のさっきの右のパンチ、よかったよ」って言って伝える、ということをするなら、僕らはその国まで旅行しないといけないじゃないですか。でも、VRなら夜中でも明け方でも、世界中の人と一緒に運動して、汗を流すことができます。いま「24時間経営ジム」がはやっていますが、あの感覚で世界中のみんなと遊べる場所を作り出せるのは大きなメリットですね。

そして、女性と男性も同じリングに立てるのが大きいです。現実では難しいと思いますけど、VRでなら男女が同じリングの上で戦うこともできるんです。

逆にデメリットは……「危ない」ですね。

――それは物理的にってことですかね!?

とり:
そうですね。先ほどのおむらいす食堂さんのように、現実のものを殴ってしまったり、それで手とかを怪我することもあるので。

――でも逆に、現実のボクシングでは実際に殴られて怪我をする可能性も高いじゃないですか。そう考えると、バーチャルなボクシングにはそのリスクがないので安心とも言えるのかなって思いました!

とり:
それはもちろんその通りです! なので正しくは「ひとりで怪我をする可能性がある」というのがデメリットと言えそうですね。

――「新世界 メタバースTV!!」や「バーチャルファイター」以後、特に大きく注目度が上がっている印象です。運営サイドから見て直近の変化はありましたか?

とり:
「バーチャルファイター」は、WAKTAVERSEの方から連絡をいただき、イベント開催のために協力させていただきました。このイベントを経て、韓国の友達がたくさん増えたのが大きな変化ですね。実際、「バーチャルファイター」がきっかけで「VRCボクシング」に遊びに来てくれる韓国の人がかなりいます。

とり:
イベントの同時接続数も単体で4万、全体で6万にも届いていて、未だβ版とはいえ、僕らが「VRCボクシング」を通して「古き良きスポ根」を目指していきたいんだよ、というのを広く知ってもらえるいい機会だったと思っています。これは、「新世界 メタバースTV!!」で取材いただいた時も同じですね。

――「新世界 メタバースTV!!」での印象的な思い出はありますか?

とり:
あの内藤大助さんと戦ったことですね! 僕はいま29歳で、ちょうど内藤大助さん世代なんですよ。あの人とVRで戦えたことは……一言じゃまとめられないですね。泣きそうになりました。

――今後、「VRCボクシング」の運営から、発信していきたい場所・人・団体っていらっしゃいますか?

とり:
ちょうどあそこにグローブの写真があるんですが、あれ、VRで遊んでいる時に手を保護するためのグローブなんですよ。実際に手元にあるんですが、これを身に着けていれば指とか怪我しない優れものです。

そのとなりには、eスポーツ向けのグミ製品のポスターもあります。そんな感じで、よりVRボクシングがおもしろくなるような団体には積極的に声をかけていきたいですね。


(大会の賞品としても提供された AMVR Oculus Quest ボクシンググローブ)

――最後に、これから「VRCボクシング」というイベントが目指したいところを教えてください。

ムシコロリ:
僕は「VRCボクシング」を、「VRChat」の中でも健全に成長していくコミュニティにしていきたいですね。子どもに見せても恥ずかしくないものを作っていきたいです。

あと、個人的には日頃運動をしない人にこそ、このイベントをオススメしたいですね。VRをやっている人って、これまで運動をしてこなかったり、なんなら「自分に運動する資格なんてない」って卑屈になっている人も多いと思うんです。

でも、僕自身も運動は苦手ですが、このゲームシステムを作ってから毎日のようにボクシングをして楽しんでます。「VRCボクシング」の中にも、ここで初めてボクシングを初めて、メキメキと強くなっている人がいます。「自分は運動しなくていい」と思っている人ほど、体験してほしいですね!

――我が身に刺さります……! 私もVRの世界に入ってからというもの、フルトラになって「動くことの楽しさ」を日々感じているので、よくわかります!

とり:
サンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』って曲の中に「悲しみで花が咲くものか」って歌詞があるんですけど、僕はこれを目指していきたいですね。

誰かに対して「あれはダメ、これはダメ」って目くじらを立てるんじゃなく、普通に体を動かして、汗を流して、夢中になることが、年齢問わずできる場所。どこまでもバカ健全に、一生”部活”をやっていければなって思います!

――「ずっと文化祭の準備みたいな人生にしたい」と思ってる私にとって、ものすごい共感できる言葉です。本日はありがとうございました!


(2人の関係性が眩しく光るツーショット……尊い!)

今すぐ参加できる!みんなで作る「VRCボクシング」の未来


(運営メンバーも集合!左から、モーリーさん、育良啓一郎さん、とりさん、ムシコロリさん、零落クリエさん)

ふと気付けば、取材を終えたのはすっかり日付が変わった頃。VRボクシング体験からインタビューまで、胸を打たれる内容の連続であっという間の時間でした!


(取材中、強豪選手の試合も目の当たりにすることに。動きが全然違う……!)

今回の「VRCボクシング練習会」の取材を通じて、何よりも感じたのは、参加する人の繋がりの深さ。運営メンバーに限らず、参加者それぞれが持つスキルや経験を活かして活躍されている姿が印象的でした。国籍や性別にとらわれない関係が生まれる様子は、まさにバーチャルならではと言えるでしょう。

「ボクシング」と聞くと、なかなか気軽に参加するのは難しいですが、「VRCボクシング」は違います。初心者から経験者まで、同じフィールドで切磋琢磨し合える環境が確かにありました。その気軽さの一方で、実際に体験できるVRボクシングは「リアル」さながら!

参加者みんなの手で作り上げられていく「VRCボクシング」の未来は、これからも更なる進化をみせてくれるはずです。気になった方は、まずは練習会に参加してみましょう!

(取材後にお邪魔したチルワールドでは、深夜も練習に励む選手たちの姿が絶えませんでした――)

「VRCボクシング大会」公式サイトはこちら。
https://torisan1048.wixsite.com/vrcboxing


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