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VR動画 2020.08.02

【VR映画ガイド第9回】VRアニメの期待の星「Bonfire」がすごい!

アニメのキャラがこちらにリアクションしてくる!

2015年に設立してから数々の映画祭で受賞歴のあるBaobab Studiosの最新のVR映画作品です。2019年に制作され、数々の映画祭を受賞。2019年のアニー賞ではBEST Virtual Realityに輝いています。

主人公はスペーススカウト817として、崩壊してしまった地球の移住先を見つけるミッションを担当します。相棒のロボットともに宇宙を探索しますが、地球から300光年離れた不思議な未知の惑星に不時着してしまいます。

真っ暗闇のジャングルの中で焚き火(bonfire)を囲んでいると、その灯りに惑星の住民が近づいてきます。果たして、住人は敵なのか、味方なのか…。このようなストーリーが非常に可愛らしいアニメーションで描かれます。

Baobab Studiosが当初目指していたビジョンは、体験者が物語に積極的に参加する没入体験でした。実際「Bonfire」は、体験者がキャラクターと関わるほどに、その関係性が変化していきます。従来の映画とは違うVRならではの作品です。

オススメのポイント

1. 空間演出

物語は宇宙船の中と暗闇のジャングルという2つのシーンで構成されています。宇宙船の中は、1人乗りの宇宙船に籠もっているような感覚になれるよう、空間がしっかりと設計されています。

暗闇のジャングルは、体験者が焚き火を囲んで座っているというシチュエーション。手に持っているスカウターで360度見渡すと、惑星の様々な物を発見できます。この演出が、360度見渡す楽しさや未知なる惑星でのワクワクできる体験を促してくれます。またジャングルの奥から惑星の住民や大きなモンスターが現れるシーンでは、その存在感に驚かされるはずです。

2. 自分の存在

ヘッドマウントディスプレイを被ると、主人公となった自分の腕が見えます。腕で周辺の物を持ったり、投げたりと自由自在。相棒のロボットは、食料としてマシュマロをくれるのですが、口元に持っていくと「ムシャムシャ」と食べられます。これが私のお気に入りの演出で、マシュマロの味を脳が思い出して、甘い口当たりがあったように感じられました。

また焚き火に薪を焚べたりする際にも、なんだか本当に暖かく思えてしまいます。動作が周囲に影響を与えてくれるので、作品にスムーズに没入できます。

3. ストーリー

ストーリーはシンプルで自分が何をするべきかが明白です。自分の行動次第で物語を早く進めますが、作中の色々な仕掛けが面白いので私はずっと遊んでしまいました。

4. 新しい試み

今回、Baobab StudiosはAIを使ったストーリーテリングに挑戦しています。そのため体験者が様々な行動を起こしたとしても、周辺の反応やエンディングがそれに合わせて変化します。体験者が何を持つか、持った物をどうするか、キャラクターとどう触れ合うか重要となるのです。

何年もかけて作り上げてきたBaobab Studiosの集大成とも呼べる作品だと言えるでしょう。

作品データ

タイトル

Bonfire

ジャンル

VRアニメーション

Production

Baobab Studios

公開

2019年

本編尺

体験者次第

製作国

米国

体験可能な場所

オンライン:Oculus Store, PlayStation Store, Steam Store, VIVEPORT

PV

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