バーチャルマーケットは、世界最大規模のバーチャル展示会です。膨大な数の個人サークルのほか、有名な企業も多数出展。入場無料、かつ期間中は24時間いつでもアクセスできることから、昼夜を問わず大勢が訪れ、賑わいを見せています。
2020年12月19日から「バーチャルマーケット5」が開催されています。本記事では、そんなバーチャルマーケットについて紹介。「そもそもどんなイベントなの?」という基本から確認しつつ、楽しみ方、アクセス方法、見どころなどを説明します。
「バーチャルマーケット」とは?
バーチャルマーケットは、「仮想空間上での3Dアバター・3Dモデルの展示会」として2018年に始まったイベント。ソーシャルVRサービス「VRChat」のバーチャル空間に作られた特設会場に3Dアバターや3Dモデルが展示され、来場者は自由に試着、鑑賞、購入ができます。
来場者側には参加資格や入場料はなく、誰でも気軽に足を運んでOK。VRヘッドセットも必須ではなく、スペックを満たしたパソコンさえあれば簡単にアクセスできます。
2018年に初めて開催された際の出展数は約80サークル。企業出展も2社のみの小規模なイベントでした。しかし翌年3月のバーチャルマーケット2では出展数が急増。約400サークル、約20社が出展し、3日間で約12万5,000人の来場者数を記録。ネット上で大きな話題になりました。
続くバーチャルマーケット3では、約600サークル、約30社が、そして2020年のゴールデンウィークに開催されたバーチャルマーケット4では、約1,100サークル、約40社が出展。名実ともに「世界最大規模のVRイベント」となり、第5回となる今回もすでに大勢の来場者が世界中から足を運んでいます。
名だたる有名企業も数多く出展し、規模を拡大し続けているバーチャルマーケット。その一方、「個人には無縁のイベントなんじゃ……?」というイメージを抱いている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
出展者の大多数は個人あるいは仲間と一緒に「サークル」として申し込んでいます。中にはプロが作った展示物もありますが、趣味でモデリングしたアバターを展示したり、創作活動の発表の場として出展したりしている人も多くいます。イメージとしては、同人誌即売会やフリーマーケット、マルシェが近いでしょう。
何が楽しめるの?
【World Beyond – NIGHT】アイマリンプロジェクト&ナギナミちゃんねるより
バーチャルマーケットのサークルスペースに展示されているのは、多種多彩なアバターやアクセサリー、VR空間上の家や部屋、そして同人誌や音楽などさまざま。アバターはその場で試着でき、専用のページにアクセスしてそのまま購入もできます。
とはいえ、このような「買い物」は、バーチャルマーケットの魅力のひとつに過ぎません。
出展者の中には、VRアートや研究成果、普段の活動を「作品」として展示している企業やサークルもあります。紙の同人誌やWebページで閲覧するのとはまた違った形で、VR空間に入ってそれらの作品を「鑑賞」できるのも、このイベントならではの楽しみだと言えるでしょう。このような作品展示は、「Default Cube」のワールド群で特に多く見られます。
【Default Cube – DC-01 – Green-01】Arpより
【Default Cube – DC-08 – Yellow-03】VR 草の者より
【World Beyond – SkyCubeL】一般社団法人情報処理学会より
もちろん、企業ブースも必見です。一口に「企業」と言っても、出展している企業の分野は多岐にわたります。人気作品のキャラクターのアバターを販売したり、ゲームを遊べたりするエンタメ企業もあれば、季節のグルメを購入できる百貨店や、オリジナルTシャツを販売するアパレルブランドもあります。
【World Beyond – NIGHT】株式会社大丸松坂屋百貨店より
【World Beyond – NIGHT】株式会社グッドスマイルカンパニーより
特に現在開催中の「バーチャルマーケット5」、ディズニーストアの参加が発表されて話題になっていました。注目の企業ブースについては、記事の後半でピックアップしてまとめています。
アクセス方法は?
バーチャルマーケットへは、以下の手順でアクセスします。
① VRChatのアカウントを作る
② SteamからVRChatをインストールする
③ VRChatを起動し、ログインする
④ メニューを開いて「World」を選択し、検索欄に「Vket5」と入力
⑤ 行きたいバーチャルマーケットのワールドを選ぶ
ちなみに先ほどもふれましたが、VRChatはVRヘッドセットがなくても利用できます。Steamからソフトをインストールし、そのまま起動すれば、デスクトップモードでログイン可能。バーチャルマーケットのワールドにも問題なくアクセスできますので、スペックを満たしたパソコンを持っている方はぜひ試してみてください。
より詳しい手順は、バーチャルマーケットのサイトを参照ください。
また、VRChatの概要やアバターの導入方法については下記記事で解説していますので、興味のある方はあわせてどうぞ。
おすすめの楽しみ方は?
サークルスペースと企業ブースが、各ワールドに点在しているバーチャルマーケット。気になるブースを回るだけでも楽しめますが、友達と一緒にワールドを散策したり、その場にいた参加者同士で交流したりできるのも、イベントならではの醍醐味です。
普段からSNSでやり取りをしている人と待ち合わせてワールドを巡るのは楽しいですし、たまたま同じ場所にいた人と会話が生まれて仲良くなった、なんてこともあるかもしれません。仮想空間を歩きながら話すのは、通常のボイスチャットとは違った刺激があります。
一方で、「気軽に誘える友達がいない……」という方におすすめなのが、写真(スクリーンショット)を撮影しながらワールドを巡る、という楽しみ方。
筆者自身もフレンドが少ないので、期間中は1人でぶらぶらとブースを見て回りながら、いい感じのフォトスポットを見つけたら写真を撮っています。どのワールドも細部まで作り込まれていますし、写真映えするので、隅から隅まで踏破したくなっちゃうんですよね……。
中にはちょっとしたギミックが仕込まれているワールドもあるので、長時間にわたって歩き回っていても飽きません。リアルでは自撮りなんてしないのに、VRでは自撮りが楽しくて仕方がない今日この頃。なかなか遠出ができない今だからこそ、観光気分で仮想世界を巡ってみませんか?
出展するには?
出展者としてバーチャルマーケットに参加するには、事前申し込みが必要です。申し込みは、バーチャルマーケットのホームページから行います。
現在はバーチャルマーケット5が開催中のため申し込むことはできませんが、次回開催が決定すれば、その発表からしばらく後に申し込み受け付けが始まるはずです。
公式サイトでは現在、バーチャルマーケット5の「出展ガイドライン」と「出展規約」を掲載中。次回開催時には改訂される可能性もありますが、現時点での内容を知りたい方はご確認ください。
バーチャルマーケット5の見どころは?
過去最大の出展企業数となった「バーチャルマーケット5」。どの企業の展示も魅力的ですが、ここではその中から、特に注目のブースをピックアップしてまとめました。
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
ⒸDisney/【World Beyond – DAY】ディズニーストアより
おなじみのディズニーストアが、なんとバーチャルマーケットの会場内にオープン! 実店舗とオンラインストア「shopDisney」に続く第三の売り場として、「バーチャルディズニーストア」を期間限定で開店しています。
店内では細部まで加工された3Dモデルの商品を手に取って眺めることができ、実際に購入も可能。おなじみのキャラクターの商品のほか、季節商品やファッションアイテム、ライフスタイル雑貨などを取り揃えています。
加えて、「マーベル」と「ディズニー ツイステッドワンダーランド」の特設コーナーも展開。アイアンマンの等身大フィギュアや、作品の世界観をイメージしたアクセサリーを展示しています。
また、バーチャルディズニーストアを訪れた人に向けた割引キャンペーンも実施中。ハッシュタグ「#Virtualdisneystore」を付けたSNS投稿をリアルのディズニーストアで見せると、会計時に10%OFFしてもらえます。
東宝株式会社
東宝からは、「ゴジラ」が登場。
巨大な鳥居や東京タワー、ビル群が立ち並ぶワールド「World Beyond – NIGHT」に出展しており、ブース外にもゴジラが佇んでいます。ビル群に囲まれたゴジラを見ると、歌舞伎町のTOHOシネマズ新宿を思い出しますね……!
【World Beyond – NIGHT】東宝株式会社(ゴジラ)より
ブースに入ると、精密に作られたゴジラのアバターがお出迎え。
しかもなんと、こちらのアバターは商品として販売されており、購入して着替えられます。つまり、自分がゴジラの姿になってVRの世界を歩き回れるということ。他には尻尾と頭部(被り物)の3Dモデルも販売中です。
極めつけは、VRならではの体験型コンテンツ。ブース内のエレベーターに乗って屋上へ向かうと――そこには、大都市を闊歩する大怪獣の姿が!
「ゴジラが目の前で動いている」というだけでも大迫力ですが、それだけではありません。やがて映画「シン・ゴジラ」の劇中曲が流れ出したかと思えば、ゴジラが熱線を照射。周囲のビルを豪快に薙ぎ払うアクションを目の当たりにすることができます。筆者はVRゴーグルを被っていたため、映画の世界に飛び込んだかのような体験ができて大興奮でした。
そして最後、破壊の限りを尽くしたゴジラは――。
この先はぜひ、ブースで実際に体験してみてください。
株式会社ニッポン放送
【World Beyond – EVENING】株式会社ニッポン放送より
ニッポン放送は、チャリティグッズの販売などを行う「バーチャル愛の泉」をブースに設置。
例年であればニッポン放送社屋の正面玄関で展開していた、キャンペーン活動「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」。それが感染症の拡大によって開催が困難になったことで、今年はバーチャルマーケット会場に「バーチャル愛の泉」を設置しています。
ブースには、ラジオのメインパーソナリティを務める「Kis-My-Ft2」と「SixTONES」のメンバー、総勢13名がアバターの姿で登場。それぞれのアバターに近づくと、メンバー本人の挨拶コメントを聞くことができます。
まとめ
「どこから見ればいいかわからない!」という方は、まずは企業ブースが点在している「World Beyond」のワールド群からアクセスしてみるのがおすすめです。
本記事でご紹介したディズニーストアがある「World Beyond – DAY」をはじめ、ゴジラなどのフォトスポットには事欠かない「World Beyond – NIGHT」、真下からガンダムを見上げられる「World Beyond – EVENING」に、多数のコンテンツを鑑賞・体験できる「World Beyond – SKYCUBE」があります。
あとは、サークルカタログを見て「世界観」が気になったワールドを訪れてみるのもおすすめ。
たくさんのアバターを鑑賞したり試着したりしたい人は「Virtual Showcase」、ファンタジーが好きな人や異世界情緒を味わいたい人は「祝祭のマルシェ」、自然やモフモフな生き物に心惹かれる人は「メテコレプカ」、SF・近未来・宇宙にワクワクさせられる人は「オービタル」、ホラーやカートゥーンな雰囲気が好物な人は「キュリオシティ」、演出も含めたバーチャルな“空間”を堪能したい人は「Default Cube」というように回ってみましょう。
バーチャルマーケット5は、2021年1月10日まで、約3週間にわたって開催されます。年末は忙しいという方も、年始などの時間があるタイミングで足を運んでみてはどうでしょうか。最新情報はバーチャルマーケットの公式Twitterアカウントで確認できます。
筆者:けいろー
【筆者使用3Dモデル】
・アバター:ミーシェ
・衣装:VRChat着せ替え用衣装『 浴衣 』
・アクセサリー:VRChat向け メガネ【Slim Wing】/VRChat向け 首掛けヘッドホン/きつねのおめん 狐面/【VRCアバターアクセサリー】MNイヤリング/ヘアピン詰め合わせ(髪飾り) FBX
・一部写真撮影:VirtualLens/VirtualLens+: 被写界深度シミュレーション