「(ダース・)ベイダーはこの星に残った数少ない生命までも根絶やしにしようとしています。あなただけが、ベイダーと戦えるのです。」
11月22日、スターウォーズを題材としたVRゲーム「Vader Immortal: A Star Wars VR Series 」(以下Vader Immortal)の最終章「Episode III」がリリースされました。ついに、あのシスの暗黒卿ダース・ベイダーと直接対決が実現します。
(「Vader Immortal: A Star Wars VR Series」シリーズのネタバレが含まれます。あらかじめご了承ください。)
(前作Episode IIで主人公の手に渡ったライトセーバー。ジェダイのものとはデザインが大きく異なります)
「Vader Immortal」シリーズは、映画「スター・ウォーズ」シリーズを題材としたVRゲームです。ルーカスフィルム傘下のスタジオ「ILMxLAB」が開発を担当しており、全3部作で展開されます。対応VRヘッドセットはOculus Quest(オキュラス クエスト)とOculus Rift/Rift Sです(日本語未対応)。
これまでのあらすじ ベイダーとの最終決戦の行方は?
Episode IIIの物語は、前作でベイダー卿から“見放され”、巨大な怪物を退けたところからスタート。プレイヤー(と主人公)は、ある目的のために辺境の惑星「ムスタファー」の生命すべてを吸い尽そうとする、ダース・ベイダーに最終決戦を挑みます。
プレイヤーは地下深くの遺跡から、地表の“ベイダー城”に向かって攻撃を仕掛けようとしますが、銀河帝国軍が相手では戦力が絶望的に足りません。しかし、ベイダー打倒に協力してくれた「ムスタファー」の住民“The Priestess”には、ある秘策がありました…。
(ドロイドの大群を見下ろす主人公とThe Priestess)
戦闘システムはさらに進化! しかし…
Episode IIIは、これまでの「Vader Immortal」シリーズのなかで、最もバリエーションに富んだ戦闘が楽しめます。
戦闘には主にライトセーバーを使用しますが、前作での“フォース”の追加に続き、ブラスターやサーマル・デトネーター(手りゅう弾のようなもの)が使用可能になりました。一定の条件を満たすと、フォースライトニング(手からの電撃)も放つことができます。
しかし、本編では、これらの新要素があまり楽しめませんでした。その理由は前作以上のカットシーンの多さ。特に中盤以降はあまりに多すぎるため、「カットシーンの合間にゲームをしている」ような感覚でした。
敵の出現時などに“クッション”が必要なのかもしれませんが、メリハリがついておらず、前作のほうが上手く構成されていたと言わざるを得ません。
(Episode IIIから使用可能になったブラスター。基本的にフォースでトルーパーから奪って使用します。利点は少ないですが二丁拳銃も可能)
また、ドロイドや原住生物といったさまざまな敵が登場した過去エピソードとは違い、本編に出現する敵がストームトルーパー(兵士)のみとなってしまいました。ストーリー展開的には仕方ありませんが、もう少し幅が欲しかったというのが正直な感想です。
さらにチャレンジングになった“道場”
ストーリー本編に関してはやや渋めの感想でしたが、今回も実装されている「Lightsaber Dojo」(道場)は、バツグンに楽しめました。
ライトセーバー戦だけを遊べる戦闘ゲームモードで、四方八方から襲い掛かってくる敵を相手に戦い、高評価の獲得を狙いつつ、ラウンドを進めていきます。今作で道場は「Lightsaber Dojo III」として、さまざまな要素が進化。先述したブラスターなども使用可能です。
これまでの道場と比べると、初期のラウンドから難易度が高めに設定されているように感じました。敵の攻撃も激しく、油断しているとトークン(集めると報酬が解除される)がまったく獲得できないこともしばしばです。
個人的には3つのエピソードをプレイしてきたプレイヤーを想定していると考えれば、納得の難易度調整と思います。本編にも道場と同程度の激しさの戦いがいくつかあれば、より展開がエキサイティングだったかもしれません。
トークンによって獲得できる報酬も大幅に増加しています。トークンが増えることでグローブやライトセーバーの色が変更可能になるのは前エピソードと同じですが、セーバーの種類自体のバリエーションが増加しました。2刀流やダース・モールが使用したモデルなども使用できます。
セーバーの種類追加は、道場を進めていくにあたって、かなりのモチベーションとなります。過去のエピソードでもアンロックを進めると歴代キャラクターのライトセーバーが使用できたのですが、セーバーの“柄”デザインが変わっただけでした。今回はプレイ感に大幅な変化が加わりました。
2刀流の場合は、ブラスターやサーマル・デトネイターがやや使いにくくなるものの、フォースによるセーバー投げが(2本になったことで)使いやすくなります。なんといっても格好いい…!
1刀流のライトセーバーはよく言えば手に馴染み、悪く言えばマンネリ感がありました。しかし追加された新セーバーは新鮮で、「Vader Immortal」を初めてプレイした時のような感覚を再び感じさせてくれました。個人的には「新規のライトセーバーだけのためにEpisode IIIを買っても損はなし」と断言できるレベルです。
総評:ストーリーの満足度は充分!
Episode IIIは、物語の結末と過去のエピソードから更に洗練された戦闘を楽しめる作品です。演出面については過去作と比べるとやや後退した感がありますが、ストーリー自体は冒険活劇の終幕として十分に満足できました。
「映画でも出てきたけど、ベイダーってムスタファーで何してるの?」という疑問を感じている人は、本シリーズをプレイすることでひとつの答えが得られるでしょう。予期せぬ捕縛から始まった辺境惑星「ムスタファー」での物語は、どのような終わりを迎えるのか。結末はその目で確かめてみてください。
Oculus Quest版「Vader Immortal:Episode III」は、Oculus Storeで990円(税込)で販売中です。
キャンペーン実施中
現在、Oculus Qusetを新規購入したユーザーを対象に、「Vader Immortal」全エピソードがセットになったバンドル(同梱)版を無料配布するキャンペーンが行われています。期限は2020年の1月31日まで。期間限定ですが、新規のOculus Questユーザーは本作に大変触れやすくなっています。期間中に購入した方は、「Vader Immortal」シリーズをプレイしてみてください。
ソフトウェア概要
タイトル |
Vader Immortal: A Star Wars Series- Episode III |
開発元 |
ILMxLAB |
パブリッシャー |
Disney Electronic Content, Inc |
対応VRヘッドセット |
Oculus Rift(Rift S)、Oculus Quest |
価格(税込) |
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プレイ人数 |
シングルプレイヤー(1人) |
公式サイト |