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イベント情報 2021.09.30

これぞ、東京ゲームショウの新しい姿! 注目のVR会場を先行体験

国際的なゲームの祭典「東京ゲームショウ」に、今年はVR会場が登場すると発表されました。その名も「TOKYO GAME SHOW VR 2021」。先行公開された動画では、単なるVR展示会の枠に留まらず、様々なゲーム的な要素も確認されており、会場そのもののクオリティも相まって注目を集めています。

今回そんなVR会場を、オープン前に先行体験できました。本記事では、これまでにない東京ゲームショウ会場をレポートします。

「TOKYO GAME SHOW VR 2021」とは?

「TOKYO GAME SHOW VR 2021」は、9月30日~10月3日にかけてオープンされる、東京ゲームショウのVR空間上の会場です。メイン会場となる「GAME FLOAT」と、ゲームキャラクター等のアバターコスチューム販売を行う「GAME FLOAT SKY」の2つがオープンされます。

「GAME FLOAT」は、株式会社ambrが提供する「xambr」で開発されており、VRヘッドセットやPCからアクセス可能です。クロスプラットフォームにも対応しており、最大12名までいっしょに会場を巡れます(対応デバイスはこちら)。

一方、「GAME FLOAT SKY」は、NTTが提供する「DOOR」を採用。WEBブラウザからアクセスできます。PC、スマートフォン、そしてOculus Questのいずれからもアクセス可能なため、より手軽にバーチャル空間を体験できます。

今回の体験会では、メイン会場となる「GAME FLOAT」を一通り見て回りました。

エントランスには有名キャラクターがお目見え

「GAME FLOAT」はどこかに存在するという海上要塞で、中央のエントランスホールと、その円周状に展開された出展エリアで構成されています。

歴代TGSのポスターが並ぶ入り口を抜けて訪れるのが、エントランスホール。ここには様々なゲームキャラクターが展示されています。

チョコボやソニックといった著名なキャラクターや、「MONSTER HUNTER RISE」のマガイマガドなどが、平面のパネルではなくしっかりと3Dモデルで展示されており、本家TGSの立体展示物もかくやという迫力があります。また、近くには各展示キャラクターの解説をしてくれるNPCキャラクターもいます。

そして、ホールの中心には「つながりの結晶」と呼ばれるものが配置されています。実はこの「TOKYO GAME SHOW VR 2021」にはバックストーリーがあり、来場者は「各地に散らばった『つながりのかけら』を集め、コンピューターウイルスによって破壊された『つながりの結晶』を探す」というミッションに挑戦できるのです。

設定は後述しますが、出展エリアでは実際のミッションが登場しました。

出展エリアは探索が楽しい!

出展エリアは「DIGITAL AREA」「URBAN AREA」「WILD AREA」の3つに分かれています。各エリアはシームレスにつながっており、さらにエリアごとにシームレスにBGMが切り替わるようになっています。各エリアともに横の広さはそれなりですが、階段などで登れる建造物が多く、縦の広さをかなり感じられました。

各出展ブースもよく作り込まれています。本家TGSと比べると比較的施工面での成約も少ないためか、かなり自由なつくりになっているのが印象的です。

なかには、VR空間に再現された「アイドルマスター」シリーズの「765プロダクション事務所」など、ファンにはうれしい展示物も。純粋に会場めぐりそのものが楽しいです。

各ブース内にはポスターや動画も配置されています。コントローラーでクリックすると、自分の眼前で楽しめます。最も見やすい位置にポスターやPVを呼び出して観賞できるのは、ゲーム展示イベントとしてはとてもありがたい仕組みです。なお、これらのオブジェクトはユーザー間では共有されないとのことで、同行する友人と取り合いになるという心配もなさそうです。

そして先程紹介した「つながりのかけら」が出店エリア内にいくつも隠されています。かけらは会場内の宝箱に隠されていたり、ポスターや映像を見ることで入手できるようになっていて、その総数は実に80を超えるとのこと。中には「こんなところにあるの!?」と思わず叫んでしまったものもあり、これを全て収集するのはなかなかに骨が折れそうです。

それぞれのかけらは、アバターを飾るTシャツも兼ねています。アイテム欄から各コンテンツへのWebサイトも閲覧でき、リアル会場でもらえる無料配布物のような感覚でした。

かけらの収集状況は全ユーザーで合算値が記録されており、その収集状況に応じて会場内に変化があるとのことです。どのようにストーリーが進展していくかは、当日のお楽しみです。

シアターと「VR COSTUME PORT」

出展エリア以外の別エリアにも、エントランスから移動できます。ひとつはシアターエリア。「TOKYO GAME SHOW ONLINE 2021」の配信を視聴できるエリアです。VRで参加している際はもちろん、デスクトップアプリで参加している場合もブラウザ切り替えをせずに好きな配信を見られ、シンプルに便利です。

もうひとつは「VR COSTUME PORT」というエリア。こちらは「GAME FLOAT SKY」への導線となっています。エリア内には会場となるDOORのURLのほか、会場内で販売されるアバター作成アプリ「Make Avatar」向けのゲームキャラクターコスチュームの見本が展示されており、どのようなものが買えるかを確認してから「GAME FLOAT SKY」へ向かえます。

なお、このエリアでは、「TOKYO GAME SHOW VR 2021」公式アンバサダーおめがシスターズのナレーションが聞こえてきました。おめシスの空港アナウンスのような声が会場の雰囲気とマッチしています!

ゲームとしても楽しめる、新しい東京ゲームショウ

初となる「VRの東京ゲームショウ」ということで、いったいどのような会場となるかと身構えていたのですが、体験した感想としては「想像以上にバーチャルな東京ゲームショウ」でした。

筆者はリアルのTGSに何度か足を運んだことがあるのですが、このイベントの醍醐味は広大な会場を行脚して、最新ゲームの動向を広く集めていくことにあると考えています。

今回体験した「TOKYO GAME SHOW VR 2021」の「GAME FLOAT」は、会場面積こそ幕張メッセほどではありませんが、リアルの会場にはない「縦の広さ」が存在し、なによりVR会場には限られた人しかいないため、相対的に広く感じられました。

0リアル会場の混雑具合もまた風情なのですが、人混みを気にせず、自分の見たいブースをじっくり観賞できるのは純粋に快適です。「最新ゲームの動向を集める」という目的を、これ以上となくゆっくりと、焦ることなく達成できるのは、非常にありがたいことです。

かけら集めによるゲーム性も相まって、純粋にVR空間を探索する楽しみも備わっている点も大きいでしょう。これは構築プラットフォームとして採用された「xambr」が、もとをたどると仮想世界SNS「ambr」が源流にあるため、VR空間上の体験設計はすでに土台ができあがっているからだと思われます。

実際、「GAME FLOAT」の基礎的なUIなどは、多くは「ambr」から変わっていないとのことです。VRChatの「インスタンス」のような機能も実装されており、ソーシャルVRのヘビーユーザーでも親しみやすいものとなっています。

リアルの会場とは異なるものの、その本質を見失っていない。そしてひとつのゲームとしても楽しめる。「GAME FLOAT」は、東京ゲームショウの新しい形を、見事にVR空間上に建造していると感じられました。筆者も取材の件を抜きにして、友人を誘って訪れたいと思っております。かけらを全部集めたいですからね!

公式サイトはこちら。
https://tgsvr.com/

執筆:浅田カズラ


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