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セミナー 2019.09.30

2019年の“今”こそ、ゲーム業界がVR/ARに注目すべき理由とは?【TGS2019】

9月12日(木)から15日(日)にかけて、幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2019(TGS2019)。日本を中心に全世界からゲーム関連企業が出展する本イベントにて、「ゲーム会社がVR/ARにいま注目すべき理由」と題したパネルディスカッションが行われました。

このディスカッションでは、株式会社ヒストリアの佐々木瞬氏、リブゼント・イノベーションズ株式会/時空テクノロジーズの橋本貴久氏、株式会社積木製作の関根健太氏、Epic Games Japanの岡田和也氏、そしてモデレーターとして本誌編集長の久保田瞬が登壇。VR/ARゲームの展望から様々な業界でのVR活用まで語られた、このディスカッションの内容をレポートします。

バラエティ豊かな活用方法が出揃う

久保田瞬(以下、久保田):

今日は「VR/ARのいまの状況」や「なぜゲーム会社がVR/ARにいま注目すべきなのか」についてのディスカッションです。まずは自己紹介と、VR/AR関連での制作事例等からいきましょうか。

佐々木瞬氏(以下、佐々木):

株式会社ヒストリアの佐々木です。弊社はUnreal Engine専門の会社で、ゲームないしゲームと近い分野のコンテンツを作っています。ゲーム分野の柱は家庭用タイトルとアーケード向けタイトル、そしてVRです。売上の割合で言うと、家庭用とアーケード向けで7割、残り3割がVRですね。

タイトルでいうとジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー、VRゲームはバンダイナムコさんの施設VRゾーンMAZARIA(マザリア)パックマンチャレンジの開発。バイオハザードVRも制作しました。

またノンゲーム分野では、建築・自動車を中心に本格的に取り組んでいて。Solid Vision
という、バーチャルモデルルームのパブリッシング事業もやっていますね。


(バーチャルモデルルーム「Solid Vision」)

橋本貴久氏(以下、橋本):

リブゼント・イノベーションズ株式会社/時空テクノロジーズの橋本です。主にライブエンタメやVR/AR、アバターを使ったコミュニケーションサービスvmeets LIVE!やハイビジョンを使った映像制作を手がけています。


(中国のバーチャルアイドル「荷慈Hez」。リブセントが技術・コンテンツのディレクション支援を行った)

代表的なのは、VTuberが出る前の2017年、中国の巨大番組でバーチャルアイドルを使った放送や、現在ドコモさんと検証している5Gを使ったVRのコミュニケーションシステム、VRライブシステムがあります。他にもVRでテニスを体験できるコンテンツやAR水族館、また教育ベンチャーの中高生向けのプログラミング教育の会社もやっています。

関根健太氏(以下、関根):

積木製作の関根です。ゲームエンジンを活用したエンタープライズ向けのコンテンツを開発してます。例えばUnreal Engineを使った建築向けのビジュアライゼーションで設計のイメージを伝えたり、Unityを使って、実際にある空間をVR空間として再現したりです。


(積木製作による、Unreal Engine4を活用した建築ビジュアライゼーション)

また恐竜戯画やBLAST×BLASTというアトラクション、また企業向けに幅広いジャンルのVRを使ったトレーニングもやってますね。

Unreal Engineや、Unityを使ったゲームエンジンを使い、弊社が得意とする空間デザインやUX・ユーザエクスペリエンス(体験の提供)の組み合わせによって、建築建設、製造業、物流インフラ、自然災害、教育から医療業界にサービスを提供しています。

岡田和也氏(以下、岡田):

エピックゲームズジャパンの岡田です。弊社は1991年に設立したゲーム開発会社で、ゲーム制作とUnreal Engineというゲームエンジンの開発・提供しています。Unreal Engine 4は全世界で750万を超えるユーザーをサポートしています。ドラゴンクエストXI キングダムハーツFINAL FANTASY Ⅶ」のリメイクにも使用されていたり。

VRに関する取り組みではVR EditorというVR空間内でゲームを作るVRコンテンツも開発してます。他社事例ですと、バンダイナムコさんのサマーレッスン、海外だとVader Immortalや、VR空間内でミーティングを行うコンテンツ制作なども、ですね。

最近はバーチャルキャラクターと対談するコンテンツや、グリーンバックに映像を重ねて天気予報をより具体的に伝える番組、グリーンバックの代わりに左右正面にLEDのパネルを置いて、そこで映像を共有する……といった取り組みも行っています。

ゲームから始まり、DK1からVR/AR開発へ

久保田:

佐々木さんと橋本さんはゲーム制作からVR/ARに。関根さんは建築系でゲームエンジンを使いこなしBtoBで活躍されている。そしてゲームエンジンをサポートする岡田さん……と、それぞれ取り組みは違いますが、皆さんがVR/ARの開発や取り組みを始めたのはいつごろですか?

佐々木:

僕は4〜5年前ですね。まだ「Morpheus(モーフィアス)」と呼ばれていたころのPlayStation VR(以下PSVR)で、「AKB0048」のコンテンツに携わってました。ほかに自動車業界関連で、Oculusのデバイスを使った案件も。

橋本:

VRはスクウェア・エニックスにいた時代に、DK1(Oculus Riftの開発者キット第一弾)で激酔いして(笑) 辛かった思い出がスタートですね。Oculus RiftやHTC VIVEなどのVR機器がそろう中、テニスのVRコンテンツを作ったら面白くなってきて。そのまま商品化してというスタート、なので2016年ですね。

関根:

自分は2013年、OculusのDK1が国内に入ってきたころです。その前からゲームエンジンを使ったリアルタイムレンダリングの研究をやっていました。当時ディスプレイ画面で見ていたものを、DK1で見たとき「VRだと空間に入れるぞ!」となって、DK1を使ってプレゼンテーションしよう、というのがきっかけですね。

久保田:

積木製作のエンジニアさんは、もともとゲームをやっていた方なんですか?

関根:

2012年ぐらいから、エンジニアのメンバーがゲームエンジンを触って研究を始めていて、1年ぐらい知見がたまったころDK1が出てという流れですんなり入った感じです。

岡田:

僕はARの方が関わりが早く、10年前にARToolKitを使って研究してました。VRはDK1を買って、会社に持ってったんですね。ゲームエンジン好きがいっぱいいて、みんな体験させろ体験させろって。

久保田:

総じて、4〜5年前から取り組まれている方が多いですね。

VR/AR業界の本音「いま盛り上がってるのは?」

久保田:

VRやARをはじめてから時を経て、いまVR/ARで盛り上がっているホットな領域はどこか、業界の本音を聞かせていただけますか?

佐々木:

ゲームでホットな領域というと、アトラクションですね。事例も豊富ですし、いただく案件としてもアトラクション・ゲーム系が多かったです。一般家庭というより、大型施設でハードウェアとセットにした、特殊で強烈な体験を与えるタイプがメインですね。

さらに今年はそれ以上に、建築・車などのノンゲーム、特に自動車業界が盛り上がってますね。あと歩みが遅い業界でもありますが、建築はやっと花開いてきた印象です。積木さんはどうですか?

関根:

建築とVRは相性がいいと考えてたんですね。実際2013年ごろ、DK1を持って企業をまわったんですよ。大変な思いで大きなPCとモニターを抱えて行って、デモした結果「ほかで導入した事例は?」とか「どこの会社が使ってるの?」と。つまり「先行事例を見ないと」という意見が多数で、当時は動かなかったですね。

さらにもう一つ問題があって、建築業界では「360度パノラマ」のことも、VRって呼んでいたんです。こちらは3D空間を自由に動き回るタイプなのに、混同されて「あっちは数十万で作れるけど、どういうこと?」と言われてしまって。そのギャップが埋められず、伸びなかったんですよね……。それがここ2年3年くらいですかね。建築に対しても、VRのプレゼンテーションのツールが伸びてきて、やっと花開いたなと。

佐々木:

うちもちょうど今年になって三井さんと三井住友さんが入って、花開いてという感じです。

関根:

私たちも実質そうですね。今年になって初めて花開いた。最近になってようやく、みなさんVRに興味を持ち始めて「どういうものなのそれ」って聞かれて「それ5年前にも提案しましたけどね」って(笑)

久保田:

楽屋で「今年度分の案件が」って話をされていましたが、やはり建築×VRはホットなんですよね。

関根:

ホットです。VRは課題の解決に使われてますね。企業向けのエンタープライズの場合ですと、企業の問題や、見せたい・伝えたいものにダイレクトにVRが使えるツールになってきています。

ヘッドセットなどデバイスの価格が下がり、手軽になったこともVRが広がっている理由のひとつという気がしますね。

久保田:

橋本さんはいかがですか?

橋本:

場所を区切ってしまえば、いずれもホットな印象があります。家や職場以外は、エンタメもエンタープライズもエデュケーションも、どこでもホットだと思います。

VRで会議や打ち合わせができると、空気感も伝わりますし。でもVRはまだ作業ができない。その点はリアルに勝てない。リアルを超える生産性がVRで出せたときに、一般の方が職場でVRはありえるし、普及し始めるだろうと思います。

岡田:

2〜3年前にPSVRが出たときは、ゲームのVRサポートが多かったですね。最近はノンゲームが増えてきました。いまは自動車業界がホットで、シンプルな車のモデルをショールームで見るといった案件が増えています。さらに後ろでARでモバイルやホロレンズがじわじわきているので、来年は忙しくなるかもなって話しています。

ゲーム開発の知見を活かし、ひとつ先のVR/AR体験を目指す

久保田:

今日はゲームショウなのに、ゲームじゃない業界の盛り上がりを語るという不思議な状況なんですけども(笑) VR/ARの開発では、ゲーム開発のノウハウはどう活かされているんでしょうか? いけると思ったら結構大変だったという、ぶっちゃけた苦労話も聞ければと思います。

関根:

これまでCGで絵を作る際はレンダリングに長い時間がかかりました。下手したら一晩とか。今は実装すればすぐに動く、というスピード感になっています。デザインの部分では、変更した内容がすぐに反映され、空間に入って見られたり、一ヶ月かかっていた車のモックアップを作る工程も、3Dデータさえあればすぐに見られ、スピード感が上がり、かつ製造コストがかからなくなっている状況です。

どの企業も3Dデータ持つという点で活用は可能ですが、ただゲームエンジンの開発ノウハウとしては、見せ方の面でまだまだゲームの方に強みがあると感じますね。例えばUIの使い方や、空間での提案の仕方は顕著です。特に建築の場合、2次元の図面の発想から、空間に転換する際に、どこになにを置く、正しい体験感覚を伝えるには?と考えるとき、いまだ平面的な発想から出られていません。

高層ビルの建築で、作業自体が危険を伴うときに、VRで見れば体験としてイメージがすぐに伝わるので施工の手順を検討する上で、どうすればより安全で効率の良い作業ができるか感覚として伝えることができます。図面だけでは伝わらない感覚を、実際感じられるのがVRの強みだと思いますし、VRを使う開発のメリットですよね。

橋本:

逆にゲーム開発者が、VR/ARに入るのはすごく簡単じゃないですか? ゲームエンジンは使いやすいとは言え、開拓するのは難しい。ノンゲーム側から入るのは大変なんじゃないかな。積木製作さんの場合、2012年あたりからの研究がきいてますよね。

関根:

ハードルは高かったと思います。純粋にプログラマーがいないので、3DCGデザイナーを中心に開発しています。そもそもプログラミングしないので、コードが書けない。で、この建築分野で設計する人たちが持つ、コードがかけないという共通課題をUnreal EngineのDatasmithが解決しているんですよね。

橋本:

CADのデータはどれでも取り込める?

岡田:

自分から説明しますね。今までCADデータは、ゲームで使うモデルに比べてポリゴン数などが非常に多いゆえに重く、VRで動かせなかったんです。なので一ヶ月くらいかけて、CADデータから無駄なポリゴンを削減する作業が必要でした。

弊社のツールであるDatasmithを使うと建築や車のCADデータを自動変換し、すぐにゲームエンジンで使えるということで、好評をいただいています。

関根:

これまでハードル高く感じていた人が、Datasmithによって、一気に流れ込んで。半年の間に業界人口が増えましたよね。

佐々木:

だからこそ、建築分野で最適化できるだけ、では目に見える優位性にはならなくなっています。単なるビジュアライズだけではない付加価値、体験として与えるUIや、ゲーム開発ノウハウを生かしたひとつ先の体験を得られるものにしないと、競争に勝てないですよね。

久保田:

もともとゲームをやっていた方からすると、ゲームエンジンは使えるので簡単では? とのお話がありましたが、実際はどのあたりが?

橋本:

自動車メーカーでハンドル奥の計器パネルを作るチームの方と話したのですが、デザインからハードウェアにくだって戻るまでに3ヶ月とか、とにかく時間がかかってまわらないと。でもこれをVRに取り込んで確認すれば、3ヶ月が3週間、3時間など、スピード感があがるはず、といったことをやろうとしています。

車に有機ELや液晶を搭載し、CGで描かれたスピードメーターが出るんですが、そのCGをつくるCGIStudioといった専用ツールがあって……デモを体験したのですが、どこからどう見ても完全にゲームエンジンなんですよね。

つまり違う分野のツールであっても、機能セットはほとんどゲームエンジンと一緒なので、おそらくUIや3Dのデザイナー、エンジニアなど、ゲームエンジンを使っている方はすぐキャッチアップして、半日あれば扱えるようになります。なのでUnreal EngineやUnityを活用した異分野へのサービス提供も優位性が高いと思います。

久保田:

ありがとうございます。機能セットがほぼ同じだから移行はしやすいのではないか、と。佐々木さん、先ほど話されていたUIの面で優位性がなくなってきている点を詳しく教えてください。

佐々木 :

建築業界のやりたいことが出そろい、一般化されたツールが提供され、みな同じ土俵に乗るとさらに先に行かなければならないというところですね。しかし、ゲームからは優位だと感じています。VR/AR開発ノウハウのカリキュラムを組んでほしいという話がありますが、これって技術的にはほとんどゲームでやってることそのままなんですね。

ゲームエンジンを使えば独自に実装する必要もなく、技術的には全部乗せてくれているので、そこから先は最適化ですね。ゲーム業界は3Dが一般化してから20年の蓄積や技術があるので、異業種から入ってくるのは難しいんじゃないかな。積木さんがノンゲームから入ってここまでできるのは驚きですよね。

関根:

ゲームを使いこなしてる人との着眼点の違いがあったと思います。最初から現実空間の製作=リアルなCGがあったので、逆にゲームエンジンを見たときに「ゲームはCGがチープだな」という印象を持ちました。そこそこのものはできるけれど、最後まで詰めようと思うと、なかなかゲームでネイティブな表現ができなかったので、独自にその先へと手を加えてリアリティがあるものに到達するに至りました。

ゲームもエンタープライズも、やることや見せるものはほぼ一緒で、相手が求める「正しいデザイン」と「体験の提供」ができるかどうかなんですよ。そして、「体験の提供」は、やっぱりゲームの開発会社の強みで、ゲームの経験がないとなかなかできないと思います。

佐々木:

体験の強さや、体験の作り方って、アーケードゲームに似てるんですよね。1回の短いプレイで、強烈な体験を与えられるのが、ゲーム業界の優位性だと思いますね。

久保田:

ゲームエンジンやゲーム開発のノウハウが、どうVR/ARに活かされているのか、エンタメかエンタープライズ向けか出口は違えど、ほぼ同じような工程になるという共通点があったかと思います。

佐々木:

あ、そうだ。話は変わりますが、「切実に苦労している点」は場所です! Oculus Questが出てきて、まわりでも場所、スペースの確保に苦労しています。

関根:

場所はそうですね。とくに環境の提示という点ではまだまだハードルが高い部分があります。最近企業向けのトレーニングを提供することが多いのですが、研修施設が用意してあれば問題ないのですが、現場ごとに機材持ち込みで体験だと、VRを使える人がいなかったり、トラブルの対応ができなかったりというのはありますね。

佐々木:

まだまだ今後地味に開発で困る点かなと思いますね。

久保田:

橋本さんの会社は開発スペースは?

橋本:

開発スペースはトラウマになっていて……(笑) 間違って余分に契約しちゃって。テニスのラケット振りまわしても大丈夫なくらいなんで、ぶんぶん振り回しています。スペースはほんといりますよね。

一同:

(笑)めちゃくちゃスペースがリッチですね。

久保田:

海外では、コワーキングスペースや共同開発スペースがあります。機材一つ一つも共同というケースも今後出るでしょうね。

一同:

Moguraさんが整えたりしてくださいよ(笑)

久保田:

がんばります(笑)

VRゲームからノンゲームまで、VR/ARで活躍の幅が広がるゲーム会社

久保田:

さて、最後にノンゲームやコンシューマ向けの動向も含め「今後VR/ARはどうなっていくか?」「ゲーム会社はどう取り組むべきか?」アドバイスをお願いします。


(エピックゲームズジャパン)

岡田:

今後VR/ARは普及していき、絶対に消えることはないと思います。ARでいくと、みんなモバイル端末持っているので、VR/ARが特別な分野というよりも、テレビか映画かのようなひとつの手段として確立するかと。

それから、いきなりゲームエンジンを使って作るのはハードルが高いです。今日の積木製作さんなんかはレアケース。今の段階ではノンゲームの会社が発注先として、ゲーム会社を探すケースが多く、ゲーム会社が仕事を得るのに適した時期ですね。

関根:

当社には開発ノウハウがなかったのですが、技術が確立されたゲーム開発会社の場合、プロダクトそのものを作る面でのハードルは低いですよね。ゲームは「売れるコンテンツを考える」のが最大の課題だと思いますが、エンタープライズの場合、クライアントが困っている「すでにある課題」を解決するためのプロダクト・サービスを提供するということに尽きます。

ただ正直、それができる会社は少ない印象なので、どんなアプローチで課題を解決するか考えれば、市場は転がっているはず。

橋本:

VR/ARは一度盛り上がり、少し冷めた感じはしますが、日常的に一般の方が触れるものになるでしょうし、これからが本番です。ゲーム会社の人はゲームが大好きすぎるけど、ノンゲームもおもしろいので、ゲームの解釈を広げ、リアルタイムエンターテインメントの場所を拡大してもらうと、めちゃくちゃ活躍する場所がありますよ。

大手であっても収益性が確保できるドメインも出てくるので、ぼくが大手の社長だったらノンゲームとかエンタメ全部圧勝できるはずなので、さっさと取りにいきますね。しかもその仕事っておもしろいですよ。僕はゲームを作る気満々ですが、いまはおもしろいのでノンゲームばかりやってます。VRゲームに加え、ノンゲームまで視野を広げると活躍のフィールドが広がり、ビジネスにもなるのでぜひ挑んでほしい。

佐々木:

ゲームの開発会社という視点で語ると、VRは短いスパンで新しいエクスペリエンス生むゲームデザインができ、かつ非常に楽しいです。

ゲームの大型化で個々のゲームデザイン力が落ちている中、VRゲームはいいサイズで作れて、ゲームデザイン力があがるので、実力がつきます。ビジネス的にすぐ利益が出るかというと懐疑的ですが、ビジネスを置いて飛び込んでほしいと思っています。

久保田:

去年VRゲームのBeat Saberがミリオンセラーを出し、ヘッドセットの販売も増えています。スマホAR、今後発売されるグラス型ARデバイスなど、今後VR/ARの状況が整った後、一斉に取り組むのでは遅いですよね。

「競合が増えたとしても、楽しいからやりましょう」という登壇者のみなさんのパワーも、VRの秘めた可能性じゃないかと思います。体験をデザインする力は時間をかけて蓄えるものなので、ゲームでもノンゲームでも早いうちに飛び込むことが大事なのではないでしょうか。今日はありがとうございました。

(了)


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