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VR体験施設 2019.07.13

「太鼓の達人」「パックマン」の世界へご招待 池袋の新施設「MAZARIA」

株式会社バンダイナムコアミューズメントは7月12日、東京・池袋のサンシャインシティにて、“アニメとゲームに入る場所”を謳うアミューズメント施設「MAZARIA」(マザリア)をオープンしました。

先日、オープンに先駆けメディア向け内覧会がありましたので、MoguLiveではVRアーティストのせきぐちあいみさんと一緒に体験取材を行いました。VR技術だけでなく様々な演出で三次元と二次元を繋いで楽しもうとする「MAZARIA」、新作アクティビティの紹介を中心にその様子をレポートします。

「MAZARIA」のアクティビティ一覧はこちらの記事をご覧ください。

パックマンや太鼓の達人、そしてゾンビホラーの世界に入り浸れる新作

「MAZARIA」で体験できるアクティビティは、従来より同社のVRアミューズメント施設「VR ZONE」で展開されているもののほか、「MAZARIA」のオープンにあわせて登場する新作アクティビティとして「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE(パックマンチャレンジ)」「太鼓の達人 VRだドン!」「パックマン ゴーラウンド」「ゾンビサバイバルゲーム ハード・コール」があります。

「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE(パックマンチャレンジ)」

このアクティビティは、その名の通り自らがパックマンになり「パックマン」の世界に入り込めます。ルールは「パックマン」同様、ゴーストに触れないようにしながら迷路にあるドット状のクッキーを食べるというもの。フィールド上のクッキーを全て食べると次のステージに進み、全5面を256秒以内にクリアするのが目的です。体験人数は1~2人。

本アクティビティはOculus Questを装着し、実際に移動しながらの体験になります。ケーブル無し、バックパックPC無しでフィールドを歩き回れるのはいいですね!

ちなみに、以下の画像の中央のせきぐちさんのように、スカートの上に履く形のパンツを貸してくれるので、スカートで遊びに来ても安心。

手前の黄色の人型がプレイヤーで、手の位置にある黄色の球体がクッキーです。
画像中央の赤いのがゴースト(他に3色あり)で、触れると数秒間クッキーが食べられなくなるペナルティがあります。ゴーストは自分の体と同じような大きさなので、目の前に来られると圧倒されます。

フィールドを歩くことで、VRの中の迷路を進むことができます。VRの中のクッキーに手を合わせてコントローラーのトリガーを引くとクッキーを食べることができます。食べる時にビデオゲームのパックマンと同じ食べる音が聞こえるのは芸が細かい!

壁にはプレイの様子が映し出されます。ゲームの中でも壁はそこまで高くないので、フィールド全体を見渡すことができます。ビデオゲームの「パックマン」に比べたらフィールドは広くないのですが……

クッキーは屈んだり手を伸ばさないと届かないところにあったり、さらには動き回ったりと、クリアするには走ることはなくても結構足を動かす必要があります。

フィールドにあるパワークッキーを食べるとゴーストをやっつけることができます。自分がゴーストに追い詰められていても、仲間がパワークッキーを食べることで自分も反撃可能になり、窮地を脱することができます。

今回の体験では制限時間を20秒くらい残して無事クリア。しかし前述のとおりかなり動くので、普段動かない記者には心地よい、いや結構な運動量でした。

そしてどうやら、隠された条件を満たすと異なるステージも登場するとかしないとか……また挑戦してみたい!

「太鼓の達人 VRだドン!」

こちらもその名の通り、どのゲームセンターにも置かれているであろうアーケードゲーム(ほか、家庭用ゲームやスマートフォンアプリも展開されている)「太鼓の達人」のVR版です。アーケードゲーム版では、ディスプレイの右から左に流れてくる音符を見ながらリズムにあわせて太鼓を叩くというものですが、今回の「VRだドン!」ではその音符が視界の奥から手前に流れてきます。


(画像内、左側のバチの右にある顔のついた赤いマークが音符)

音符が近づいてきたら、音符を叩くように本アクティビティ専用のバチ型コントローラーを振っていきます。このコントローラー、上部の筒状の部分に前後に動くおもりが入っており、後方に引くとおもりが後ろに動き、叩くように前方に振るとおもりが前に動き音を出します。このおもりの動きが手に与えるインパクトと音により、バッチリ叩いている感がします。

今回選択できた楽曲は「千本桜」「色は匂えど」「夏祭り」「天国と地獄」「エンジェルドリーム」の5曲。難易度は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」から選択します。

「VRだドン!」では、なんとやぐらの上で叩くというシチュエーションです。やぐらの中で「どんちゃん」「かっちゃん」からの説明を受けたら、足場がせり上がってやぐらの上へ。観客が徐々に見えてくる様子に、自分がまるでアイドルのように思えてきます。


(「VRだドン!」では視界全部がお祭りな空間の中で太鼓を叩けます)

なんて感動も束の間、記者が体験した「むずかしい」モードではシューティングゲームか!と思うくらいに大量の音符が流れてきます。音符は上下にずれたところにも流れてくるので、手首の動きだけでなく結構全身を使います(今回の体験ではヘッドセットのケーブルの短さとエラー検知領域の広さから動きに制約が出てしまったのが記者的に少々残念……)。自分のペースで休める「PAC-MAN CHALLENGE」と比べると、見た目はファンシーなのに何気にこちらの方が手強いかも!ともあれ、演奏が終わった後に視界に見える観客全員が喜んでいる姿を見ると疲れも心地よく感じられます。VRってすごい!

「VRだドン!」での譜面はアーケードゲーム版と同じとのこと。アーケードゲーム版で遊び慣れてる方は比較するのも面白そうですね。なおアーケードゲーム版と同じ譜面のため、難易度「おに」についてはバチ型コントローラーのセンサーの都合でプレイ不能になってしまったため、実装は見送られたそうです(難易度選択画面で思わず探してしまいました)。
評判がよければ新曲も追加されるかも!とのことですので、ぜひ期待したいところです。

「パックマンゴーラウンド」

こちらは、ゴーストがパックマンを追いかけ、パックマンはイジケ状態のゴーストを追いかけ……とパックマンの世界を模したメリーゴーラウンドです。

記者も乗ってみたのですが、通路の交差点にあるため、室内にありながら意外と周りを見渡せますし、行き交うお客さんも手を振ってくれます。お子さん連れの方も、アクティビティを堪能しまくって一休みしたい方も、ぜひどうぞ。

「ゾンビサバイバルゲーム ハード・コール」

先日「VR ZONE OSAKA」に登場したホラーアクティビティが「MAZARIA」にももちろん登場。体験の様子は下記記事をご覧ください。

「難しい」VRではなく、「楽しい」体験へ

内覧会では、バンダイナムコアミューズメントの小山順一朗さん(通称・コヤ所長)と田宮幸春さん(タミヤ室長)から「MAZARIA」についての解説が行われました。

両名は「VR ZONE」を一から作りあげた方々ですが、その「VR ZONE」を運営したうえで、「VRって難しいな」と考える人がまだまだ多いと実感されたそうです。そこで、難しいというイメージがあるVRを、「アニメとゲームに入れる」、楽しい体験ができるものだと言い切ってしまおうという事で、VRとは異なるコンセプトで「MAZARIA」を作ったといいます。


(バンダイナムコアミューズメントのコヤ所長こと小山順一朗さんとタミヤ室長こと田宮幸春さん)

「MAZARIA」の入口には「ウォールマザリア」という、壁面全面に広がるモニターがあります。そこに映し出される映像が本施設のコンセプトを表現しています。

ビデオゲームの電源を入れた時に表示されるような文字だらけの画面の後に表示されるのは、二次元の迷路を歩き回るドット絵のパックマンとゴースト。さらにマッピーに「ドルアーガの塔」のギルとカイにディグダグにワープマンにギャラガ軍団に……とナムコのキャラクターが所狭しと登場します。

そんな「パックマン」や「ギャラガ」のキャラクターたちは2Dドット絵から3D表現、そして「MAZARIA」でのVRアトラクションでの姿へと進化したり、あるいはドット絵に戻ったりしていきます。それにあわせ、これまたVRアトラクションに登場する「ドラゴンクエスト」のスライムやエヴァンゲリオン、ゴジラにガンダムに「マリオカート」のキラーがドット絵で暴れまわります。

そして最後に表示されるのは、ビデオゲームのタイトル画面に映る「アニメとゲームに入る場所 MAZARIA」のロゴと、そしてENTERの文字。

ドット絵と3Dモデル、VRアクティビティの画像が入れ替わり立ち替わり登場すると、自分という存在の次元もあやふやになってきます。(おっさんとしては、アニメ成分に比べてナムコの往年ゲーム成分が多めじゃない?とも思いつつ)

入場ゲートをくぐった先に見えるのは白い壁の研究所に置かれた巨大VRゴーグル。ここでVRの歴史について真面目に説明があると思いきや、開発中に研究者が失踪したなどあやしげな解説が入り……ここでも何が現実で何がフィクションか分からなくなってきました。

と、アクティビティを体験する前に既に「二次元と三次元の違いとは?リアリティとは?」とさまざまな境界線がぼやけてきた状態で、中に入ると新作とあわせて「VR ZONE」でも体験できたVRアクティビティが並んでいます。その各ブース毎に、アクティビティの世界が飛び出てきたような装飾がなされています。

「ドラゴンクエストVR」では待合室がルイーダの酒場風になっていたり……

「ホラー実体験室 脱出病棟Ω」では、脇の通路が暗くおどろおどろしいので、その先のトイレに行くのもビビりそうです。

アテンダントスタッフも、それぞれの各アクティビティの世界にあった服装と喋り方をしています。その中でも記者が感心したのは「太鼓の達人 VRだドン!」のアテンダントスタッフさん。会話の全ての語尾が「○○だドン」「△△なのカッ」というどんちゃん口調で、しかもほんわかした感じで話しかけてくれるので、待機列に並んでいる間もいらいらせず、完全に癒されました。

通路にも、手をあげるとドラゴンクエストの世界で剣や杖を持った姿が写るARや巨大画面によるパックマンのゲーム、バンダイナムコのゲームに登場する銀河連邦宇宙軍(UGSF)の設定画などがありました。

もちろん技術面でも進化をしていて、「マザッター」という新技術により専用撮影環境を使用せずにVRアクティビティの映像との人物合成をリアルタイムで出力できるようになっており、VRヘッドセットを被らずとも外の人がアクティビティの世界を見ることができます。(オープン時は「極限度胸試し 高所恐怖SHOW」のみ対応)

「MAZARIA」の中には飲食コーナー「Cafe&Bar; SPECIAL FLAG」や物販コーナーもあり、各アクティビティにちなんだフードやドリンク、お土産が揃っています。


(たっぷりボリュームで体力回復!の「MAZARIAバーガー」)


(どんちゃんマシュマロ付きの「どんちゃんフロート」)

料金体系としてはアクティビティ遊び放題なパスポートチケット(「ドラゴンクエストVR」、「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」は別途専用チケットが必要)もあります。今回新規追加されたアクティビティは「もう一度遊びたい」と思わせるような仕込みもあるようですので、料金を気にせずアニメとゲームの世界に入り浸ることができるのはいいですね。

ここまで見たように、各アクティビティ単位でいかにVRで楽しませるかに注力した「VR ZONE」に比べると、施設全体でいかに「アニメとゲーム」に代表される、今生活している世界とは違う世界で楽しませるかにフォーカスが当たっています

その目的のためのひとつとしてVR/ARなどの技術を駆使していますが、記者が施設を一通り巡った時の印象は「これ、室内遊園地という意味でまさにナンジャタウンだ!」というものでした。バンダイナムコアミューズメントが培ってきた、遊戯施設での配置や演出、運営がVRマシンとしっかりと組み合っています。もちろん、これからも最新のVR技術を用いたアクティビティが誕生していくと思いますが、それと同時にどのようにして最新技術を違和感なくエンターテインメントにしていくか、そういう点でもさらなる進化が楽しみな施設です。

おまけ

「PAC-MAN CHALLENGE」と「太鼓の達人 VRだドン!」を全力で遊んで、渾身の取材をして体力を使い切ったせきぐちさんと記者一行に忍び寄り「目一杯遊んだあとにビールと餃子とか、最高じゃないですか」とささやくコヤ所長……。

そうです、「MAZARIA」と下のフロアにある「ナンジャタウン」は施設の中の階段で繋がっていて、片方のチケットで両方の施設を自由に行き来することができます(「ナンジャタウン」のアトラクションを体験するには別途料金が必要、共通パスポートもあり)。

ということで、取材後に「ナンジャタウン」の「ナンジャ餃子スタジアム」を堪能してきました。「ナンジャタウン」でも頻繁にアニメ作品とのコラボレーション企画がありますし、アニメの世界に入る「MAZARIA」と「ナンジャタウン」の連動なども今後楽しみですね。と話しつつ、先に胃袋でコラボレーションしてきたせきぐちさんと記者たちでした。ぷはーっ!


(アクティビティによっては飲酒後体験できなくなるものもありますので、ご利用は計画的に)

(参考)MAZARIA 公式サイト

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. PAC-MAN is a trademark/registered trademark of BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
©BANDAI NAMCO Amusement Inc.


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