Home » 進化した「ピストルウィップ」はVRゲーマーに叩きつけられた“挑戦状”だ


ゲーム・アプリ 2020.12.26

進化した「ピストルウィップ」はVRゲーマーに叩きつけられた“挑戦状”だ

2019年11月にリリースされた、VR射撃リズムゲーム「ピストルウィップ」。スタイリッシュなグラフィックと、リズミカルな射撃で高得点を得られるユニークなシステムが特長で、多くのVRゲームファンに愛されています。

発売から約1年が経過した2020年12月、無料大型アップデートが実施。ストーリーモード「Pistol Whip 2089」が追加されました。

シンプルに“撃つ”だけだった作品に、どんな物語が実装され、ゲームはどのように進化したのか。以前に本作をレビューした著者が、改めて新要素の魅力を掘り下げていきます。

VRゲーマー泣かせの歯ごたえある難易度

プレイヤーは主人公のジョン・アシモフとなり、武装蜂起した殺人ロボットの軍勢を撃退しながら、その背後に隠された謎に迫っていきます。ストーリーは全5章、ステージBGMは新規のものでした。

物語の幕間には、音声付きのカットシーンも用意されていますが、残念ながら翻訳はなし。英語字幕も表示されないので、気合を入れてヒアリングする必要アリです。

ゲーム性自体は、これまでと変わりませんでした。前方から現れる敵をひたすら撃ち倒していきます。


(一斉に狙ってくるタレットたち。このSSを撮った直後、無事死亡)

最初にストーリーモードを選ぶ際、難易度についての警告が出ました。しかし「まあ大丈夫でしょ(笑)」と軽い気持ちでプレイスタート。これが運の尽きでした…。

正直VRゲームに慣れている人であっても、ハードな難易度だと思います。敵の配置がなかなか嫌らしく、“覚えゲー”となっている部分も数か所あります。

最初のステージを何度もリトライしてクリアしたころには、完全に汗だくになっていました。これが“洗礼”というものか…。

しかも、途中にチェックポイントが存在しないのでミスをすると、もう1回最初からのリトライです。これは、VRゲームやり込み勢に対して公式が叩きつけた挑戦状的な内容だと思いました。もし厳しいと思ったら、素直に難易度をイージーにまで落とすことをオススメします。

武器が強化されてからが本番

本アップデートの魅力は歯ごたえのある難易度だけではありません。後半に登場する4点バースト連射の“スマートピストル”が使用できるようになってからが本番でした。

スマートピストルは、通常より弾が数発が多く出るのですが、これにより爽快感がかなり上積みされます。

銃の強化に合わせて、出現する敵の数も増加。それを“薙ぎ払うキモチ良さ”と表現すれば伝わるでしょうか。撃ちながら腕をスイングして、リズムに合わせて敵を一掃した瞬間の快感は、脳汁が出るレベルです…!


(アニメーションも凝っているバーストピストル。弾切れだけには要注意)

ただ、ピストルを撃ちまくるには連打が必要なので、次第に指が疲れてくるのはしんどいところ。(個人的にはトリガー引きっぱなしで連射になる仕様でもよかった印象です)

また記事執筆時点(12月17日)でスマートピストルが、ストーリーモード以外では使用できないのは残念です。早くスコアモードでも実装してほしいところです。

総評:ほぼ満点の内容

筆者のストーリーモードのクリア時間は、(休憩を挟みつつ)1時間半程度でした。体力があり、かつ本作をやりこんでいる人ならば、もっと短い時間で“踏破”できるでしょう。

物語自体については、ネタバレ回避のため細部には触れませんが、王道のSFテイスト。終わった後は、短編コミックの読了感に近いものを感じました。

各カットシーンはアメコミ調で描かれており、かなりカッコいいです。本作のゲームシステムで、どうやって話を組み込むのか疑問だったのですが、上手くまとめられていました。


(ステージの合間に挟まれるイカすカットシーン。日本語非対応なのが非常に残念)

筆者は初回レビューで「価格とゲームボリュームが見合わないと感じる人がいるかも(要約)」と評しましたが、現在プレイできる楽曲は当時の2倍以上増加。不満点は、かなり払拭されたと言えるでしょう。DLCではなく、無料配信なのも素晴らしいポイントです。

公式のリリースノートによれば、「Pistol Whip 2089」は“今年(2020年)最後の”アップデートとのこと。2021年に本作がどのような進化を続けるのかに期待がふくらみます。

「ピストルウィップ」は、Oculus Storeで2,740円(税込)で販売中。しばらく本作を遊んでいないという人も、ストーリーモードに挑戦してはどうでしょうか。

ソフトウェア概要

タイトル

ピストルウィップ

開発元・パブリッシャー

Cloudhead Games

対応VRヘッドセット

Oculus Rift(Rift S)、Oculus Quest、Valve Index、HTC VIVE、Windows MR、PlayStation VR(海外ストアでのみ販売)

価格(税込)

Oculus Store:2,740円(RiftQuest)、Steam:2,570円

プレイ人数

1人

公式サイト

https://cloudheadgames.com/pistol-whip/

執筆:井文


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード