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Meta Quest 2023.10.02

【体験レポ】Meta Quest 3でMRモードを使ったコンテンツ一挙紹介-ゴーストバスターズ、ストレンジャーシングスなど-

Metaの新型VR/MRヘッドセット「Meta Quest 3」。没入感満点のVRゲームだけでなく、自分の周囲の環境の中にコンテンツの世界が融合するMR体験ができます……といっても「MRでできることって何?」「どんなゲームができるの?」と思う人がほとんどではないでしょうか。

Quest 3が発表されたMeta Connect 2023の会場では、MRを使ったいくつかのゲームを体験することができました。この記事は、MRを使ったコンテンツの体験レポートとなります。

First Encounters

First Encounters」は、毛玉の塊のようなエイリアンを集めて、宇宙船に乗せていくというミニゲームです。エイリアンは、部屋の壁を壊し、いたるところに穴を空けながら、部屋の中心にあるロケットを目指してピョンピョン飛んでくるので、ビームを撃って捕獲します。シンプルですが、エイリアンがとにかくかわいいのと、テンポのいいプレイ感で、玉入れをしているときのような気軽な感覚で遊べます。

「First Encounters」は、体験した中でもかなり完成度の高いMR体験でした。もともとMetaがチュートリアルとして用意している「First〜〜」シリーズのQuest 3版です。Quest 3にはプリインストールされているので、まずはこのゲームから遊ぶと良いでしょう。

ゲームの詳細はこちら。

Ghostbusters: Rise of the Ghost Lord

Ghostbusters: Rise of the Ghost Lord」は10月26日発売予定の新作VRゲームです。世界中で知られている映画原作のVRゲームで、街に現れたゴーストたちを回収していくあの体験を最大4人のマルチプレイで遊べるというもの。ソニー・ピクチャーズのVR部門と老舗のVRゲームスタジオnDreamsがタッグを組んで制作しています。

VRゲーム自体もどんな出来か気になるところですが、今回体験できたのは、なんと本編ではなく、MRモードのミニゲーム「Mini Puft Mayhem」でした。ゲーム中で遊ぶことのできるミニゲームとのこと。本編のVR体験とMRを組み合わせているようです。

「Mini Puft Mayhem」は、初代ゴーストバスターズにも登場する超巨大ゴースト「マシュマロマン」をテーマにしたシューティングコンテンツ。コンテンツがスタートすると、天井にヒビが入り、崩落します。不思議な空間から部屋を見下ろしているのは巨大なマシュマロマン。マシュマロマンにビビっている間に、周囲に小さなミニマシュマロマンたちが現れ、ゲーム開始。周囲を飛び回るミニマシュマロマンを手元の回収機で吸い込んでから、マシュマロマンに当てて、さらに爆弾を投げ込んで倒すというもの。マシュマロマンが攻撃する際は部屋の中に赤いサインが出るため、動き回って避けることになります。照準を定めるのが意外と難しく、筆者は制限時間内にマシュマロマンを撃退できず……。

部屋の上から巨大な存在が覗き込んでくる体験はインパクトもあり、MRらしさを分かりやすく味わえるコンテンツでした。天井が丸々なくなってしまうため、3Dスキャンの粗なども包み隠してしまうデザインだったこともよくできており、完成度の高さを伺わせます。

「Ghostbusters Rise of the Ghost Lord」は、10月26日にQuestプラットフォームとPlayStation VR2向けに発売予定。MRで「Mini Puft Mayhem」が遊べるのはQuest 3で遊んだときだけ、とのこと。一方PSVR2版では、アイトラッキングを使った視線を使ったインタラクションやゴーストが近くにいるとヘッドセットが震える機能、コントローラの「アダプティブトリガー」を使った武器を握った感触再現など、PSVR2版ならではの体験があるとのこと。どちらを購入するか迷ってしまいますね。発売後も定期的にコンテンツアップデートを行っていくとのことで、本編ともども気になる一作です。

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サンバdeアミーゴ:VRパーティ

サンバdeアミーゴ:VRパーティ」は、10月発売予定のVRリズムゲーム。流れてくるノーツを叩くようにしてマラカスを振ったり、ポーズを決めたりと体を動かすリズムゲームです。複数のモードがある中で、周辺の環境を見ながら1曲体験ができる「MRパーティ」モードが搭載されています。部屋の中を流れてくるノーツを叩くという遊び方は、VRモードと同じです。ちなみに筆者はプレイに集中してしまい、曲が終わったときにはバーチャル環境に戻っていたことに気づかず。

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Stranger Things VR

Stranger Things VR」は、2023年11月に発売予定のVRコンテンツです。Netflixの人気ドラマ「ストレンジャーシングス」を題材にしたVRコンテンツ。静かな田舎町ホーキンスで子供たちが異世界に繋がる様々な出来事に巻き込まれていくドラマ自体は、2023年9月時点ではシーズン4まで展開されており、シーズン5で完結することが決定しています。ファイナルシーズンの前編となるシーズン4のストーリーに関係する内容を体験していくもの。「Stranger Things VR」では、ホーキンスに恨みを抱える敵「ヴェクナ」の視点でオリジナルストーリーを体験することになります。

ヴェクナ視点でのVR体験が進行するストーリーの中で、「現実世界に異世界と繋がるポータルを開ける」シーンでMRを使った演出が組み合わされています。脳内に響くヴェクナの声を聞きながら、自分の手を握りこむと、テレキネシスで部屋の壁に異世界に通じるポータルが開きます。ポータルを覗き込むと夕暮れのような赤茶けた異世界が広がって、コウモリのような生き物が部屋を飛び回るのは、さながらストレンジャーシングスの世界に自分がいるかのよう。

VRで体験する箇所はデモになかったため、全体のストーリーを体験するのが楽しみです。

https://www.youtube.com/watch?v=7JkE6vedUD8

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Les mills Bodycombat

LesMills Bodycombat」は、2022年に配信を開始した人気のVRフィットネスアプリです。ニュージーランド発祥のフィットネスプログラム「レズミルズプログラム」をVRでインストラクターと体験できるというもので、目の前に流れてくるノーツを殴ったり、障害物を避けて動いたりするというリズムゲーム型のVRフィットネスアプリです。

MRは体験中に「自分の背後を周辺の環境に設定して見えるようにする」という使い方で活用しています。そもそも正面に集中しないと体験できませんが、家族に呼ばれて振り返る、などのシチュエーションで簡単にコミュニケーションがとれる、などのユースケースが考えられます。

正面もMRにしてしまって、自分の部屋でトレーニングをしている体験ができるようになっても良いのかもしれない……他のフィットネスアプリでは、そのような表現が見られるため、アプリによってMRの使い方が異なるかもしれません。

ゲームの詳細はこちら。

Home

ここまで各種アプリでのMRの活用を紹介してきましたが、最後に「Home」を紹介します。いわゆるスマートフォンでいうところの「ホーム画面」に該当するシーンで、これまでのQuestシリーズでは3DCGのバーチャル環境が展開されてきました。Quest 3では、ヘッドセットを装着して、まず見えるのはMRによる周辺の環境です。

コントローラーは目視で掴むことができますし、スマホやPCを操作することもできます(文字が小さいと読めないものもあり)。また、表示されたメニューパネルを掴んで、別の部屋まで歩いていくこともできます。Metaの発表では、今後「Augument」と呼ばれる、MRギャラリー機能が追加されるようです。

Augumentでは、FacebookやInstagramから写真を読み込み、部屋の中に配置したり、アプリの中で獲得したトロフィー(アイテム)を並べたりといったことができるようになる模様。かつてVRで自分の部屋を作ることができた「Oculus Home」のさながらMR版といったような体験が実現しそうです。

まとめ MRをどう活かすか?チャレンジの連続

今回体験したMRコンテンツには大別すると2種類のものがありました。

1.MRコンテンツ
周辺の環境が見えていたり、環境をフルに使ったりとMR体験が中心のコンテンツです。今回体験した中では1つしかありませんでした。

2.VRとMRの切り替え
コンテンツ自体はVRですが、周辺の環境を使ったパートが組み込まれているコンテンツです。VRを体験中にストーリー等の進行上MRになるものと、VRを基本としつつ、MRを使ったモードやミニゲームが用意されているものがありました。

今回体験したコンテンツは、いずれもMRをどう活かすのかチャレンジしたものでした。それもそのはず、これまで一般消費者向けの本格的なMRコンテンツは存在しませんでした。スマートフォンのARは一般的になっていますが、Quest 3での「本当に周辺の環境に何かが存在しているように見える」MR体験とは別物です。

また、Quest紹介動画に登場するような「部屋の真ん中に置いたジオラマのような世界でゲームをする」コンテンツは今回体験した中にはありませんでした。すでに「DEMEO」(2021年発売)、「LEGO Bricktales」などが対応を発表しています。

 

かつて2015年頃から本格的なVRゲームが登場した際に、色々なジャンルで色々なコンテンツが爆発的に現れたときのことを思い出します。Metaによれば、Quest 3向けのMR体験は年内には50を超えるとのこと。世界中のクリエイターが試行錯誤して作った中から「これだ」というコンテンツが出てくる、そんな黎明期のMRコンテンツを楽しめるのは今だけです。

参考:Meta公式サイト


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