VRで他人とコミュニケーションできる『AltspaceVR』や、VRでディスプレイを表示・他人と共有することのできる『Bigscreen』といった、VRで他人とやりとりができる「ソーシャルVR」アプリが増えてきています。
こういったソーシャルVRアプリを活用し、毎日の通勤や職場環境を変える試みを行う人がでてきています。
バーチャルルームで画面共有『Bigscreen』
サンフランシスコでVRコンサルタントやゲームデザイナーをしているEric Florenzano氏は、これまでの働き方や大変な通勤を終わらせるために、ソーシャルVRアプリを活用する一人です。
彼のチームはミーティングや会議通話をする代わりに、『Bigscreen』を利用。
Bigscreenは、メンバーの顔とコントローラーがVRに浮かび、バーチャルルームとモニターを共有することができるOculus Rift/HTC Vive対応のVRアプリです。
VR技術によって仮想空間をオフィスとして利用するバーチャルオフィスの利点は多く、通勤やオフィスの賃借が不要な他、光熱費なども削減できます。加えて、実際に会うのと変わらない感覚で話し合いや共同作業が可能になるのです。
Bigscreenの設立者であり最高経営責任者であるDarshan Shankar氏もまた、毎日の仕事に同アプリを活用しています。
「なにより面白いのは、Bigscreen内でBigscreenの開発をすることです」と氏は話します。
様々なプラットフォームから利用できる『AltspaceVR』
もう一つのソーシャルVRアプリとして、『AltspaceVR』も注目を浴びています。
AltspaceVRもBigscreenと同じく、VRでアバターの共有や動画サイトの鑑賞などができます。本アプリの特長はプラットフォームに依存せず利用できる点で、現在Oculus Rift、HTC Vive、Gear VRに加えて、VRを用いないPC版がリリースされています。
AltspaceVRの最高経営責任者であるEric Romo氏もまた、VR会議を「必要に応じて集まれる場」として、遠くのパートナー企業との話し合いにおいて同アプリを活用しています。
Romo氏は、まだバーチャルオフィスに足りない大事なものとして、VR空間の“遊び”を挙げています。
例えばバーチャルオフィスには冷水器がありません。カフェテリアで話し合いをするのと違い、バーチャルルームには必要なものしかないのです。
しかし、セレンディピティ(偶然の発見)には、“必要でないもの”が必要という側面があります。
そんな中、Florenzano氏はこうした空間の遊びとして、『Pool Nation VR』の活用を提案しています。
同アプリはビリヤードやエアホッケーなど、VRゲームバーで遊べるHTC Vive対応のゲームです。氏は、こうしたアプリが現実における接待ゴルフに取って代わるものになると言います。
Skypeなどを利用したリモートワークのみでの働き方は、今まで「非対面型」という欠点からあまり浸透してきませんでした。しかし、VRでなら遠隔地の相手でも目の前にいるかのように言葉を交わすことができます。
これからさらに拡張されていくであろうソーシャルVRを、ぜひバーチャルオフィスとして活用してみましょう。
(参考)
UploadVR / These VR Apps Are Designed To Replace Your Office And Daily Commute(英語)
http://uploadvr.com/virtual-office-commute-vr-replacement/
※Mogura VRはUploadVRとパートナーシップを結んでいます。