バーチャルYouTuberの動画でも話題を集めているソーシャルVRサービス「VRChat」では、一部のユーザーによるハラスメント(いやがらせ)行為が一つの問題となっています。
VRChatはこれに対し、専用の対策チームによる継続的な改善を行うと同時に、より安心してコミュニティに参加できるシステムの開発を行っていると発表しました。
爆発的に人気の高まるVRChat
昨年初めより配信が始まったVRChatは、オンライン空間で好きなアバターになりきり、他のプレイヤーたちとの交流を楽しめるソーシャルVRアプリです。ゲーム配信サイトSteamでも無料で配信されており、そのレビューも「非常に好評(7,487件)」と多くのユーザーから人気を集めています。
最近では昨年末から話題が広がった「バーチャルYouTuber」による紹介動画も多く、またVRデバイスを持っていなくても楽しめることから、日本でも多くのユーザーがVRChatを楽しむようになりました。
特にSteamレビューでは、2018年1月16日時点で全7,487件のうち6,527件もが直近30日間に投稿されたものとなっており、ここ一ヶ月ほどでの爆発的な人気の高まりが見て取れます。
ハラスメントへの対策を発表
たくさんのユーザーが利用し、より賑わうことで、ソーシャルVR体験もより豊かなものとなります。その一方で心ないユーザーによるハラスメント行為も少なくなく、誰もが安心して参加できるコミュニティを維持することが求められています。
VRChatの開発チームはこうした問題に対し、公開文書による発表を行いました。
「先月からの急速なコミュニティの発展に伴い、私たちはいくつかの問題に直面してきました。サーバーはホリデーシーズン(クリスマスから年末年始にかけての休暇期間)に恐ろしいペースでスケールアップしなければならず、今後も全ユーザーの接続品質を向上させるため努力を重ねています。
もう一つの課題は、無礼な行動や害のある行為をするユーザーへの対処です。こうした課題は体験の質や新規ユーザーのための最優先事項であり、引き続き専用のモデレーションチームにより継続的な監視を行います」
さらに、チームはユーザーがより安心してコミュニティに参加できるシステムの開発に取り組み、近いうちにユーザーへ高品質な体験を提供するとしています。
ユーザーの声にも耳を傾ける
ハラスメント行為に対し、現時点ではミュート/ブロック機能、フレンド以外のユーザーをミュートするといった対策が推奨されています。また、Moderation Report Formからガイドラインに違反するユーザーを報告することもできます。
VRChatはもともと小さなチームで開発されてきたアプリであり、これだけの急発展には対応がままならないこともあるでしょう。チームはユーザーからの声に耳を傾けたいとして、いくつかのコミュニティサービスでフィードバックやアイデアを受け入れています。
Discord(チャットツール)
https://discord.gg/vrchat
Canny(掲示板サービス)
https://vrchat.canny.io/feature-requests
好きなアバターで日本の町並みを歩いたり、VRパブでカラオケ大会を楽しんだりと、様々な楽しみ方が見出されているVRChat。PCさえあれば誰でも無料で参加できるので、気になる方はぜひ一度覗いてみましょう。
(参考)
VRChat Dev Vows To Address ‘Harmful’ User Behavior In Open Letter / UploadVR(英語)
https://uploadvr.com/vrchat-dev-vows-address-harmful-users-open-letter/
An open letter to our community / VRChat – Medium(英語)
https://medium.com/@vrchat/an-open-letter-to-our-community-1b7aa5d9026f