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VTuber 2018.12.01

VTuber界の天然記念物、“ゆっくりハイペース”トーク――.LIVEアイドル部「ヤマト イオリ」の魅力とは

「.LIVE(どっとライブ)」とは、人気バーチャルYouTuber(VTuber)・電脳少女シロさんや、世界初とも言われる男性VTuber・ばあちゃるさんが所属する、アップランド運営のVTuberプロダクションだ。

この.LIVEで、ばあちゃるさんがプロデュースする12人のVTuberグループ「アイドル部」が活動している。 元々は2Dモデルで活動を開始しており、当時のばあちゃるさんのYouTubeチャンネル登録者数である「5万人」前後を目安に3D化することが一つの目標となっていた。

9月3日に北上双葉さん・金剛いろはさんがチャンネル登録者5万人に到達したことを皮切りに、もこ田めめめさん、夜桜たまさん、最近では猫乃木もちさん、花京院ちえりさん、カルロ・ピノさんが3D化を達成。また、.LIVEが新たにVTuberオーディションの開催(現在応募受付は終了)を発表するなど、.LIVE及びアイドル部の動向は目が離せないものとなっている。

今回紹介するのは、そんな.LIVEアイドル部所属の「ヤマト イオリ」さん。
VTuber界が目まぐるしく変化する今だからこそ知りたい、ゆったりとした空気感を放つ彼女の魅力を存分にお伝えしよう。

近所にいてほしい、お話好きの天然お姉さん

ヤマト イオリさんが初めて生放送を行ったのは、2018年5月20日。神楽すずさんと並んで、アイドル部内では最も遅くにデビューした。

.LIVEの先輩然り、VTuberは皆どこかしら「やべーやつ」であるというのがある種の通説。アイドル部のデビュー生放送でも、「この子はどの部分がやべーやつなのだろうか?」という見方をする視聴者は少なくなかった。

しかし一部ファンの予想に反して、ヤマト イオリさんが見せた姿は、さながら「近所の優しいお姉さん」。物腰柔らかく、よく笑い、親しみやすい声でお話を聞かせてくれる。若干天然気味ではあるものの、彼女はVTuber界では非常に珍しい清楚(原義)だったのだ。

根っからの話好きで、「大神」や「マリオカート」といったゲーム実況配信でもプレイ前後に雑談パートを作り、右目さん(ヤマト イオリさんのファンの総称)とお話をしている。言葉選びも丁寧で、荒々しい言葉が飛び出したことは片手で数えられるほどしかない。初めて出た罵倒の言葉が「Getting Over It」配信での「ばっかばっかばー」であったというあたりからも、彼女の心根の清らかさが伺える(後に「ばかは悪口だからやっぱりよくない」と気を付けている)。

「マリオカート」で競争相手に謝りながら機体を走らせ、アイテムを投げつける様子は見ていて微笑ましい。「やべーやつ」とは対極、平成も終わる近頃にはむしろ珍しい「素朴さ」を持ち合わせているのが彼女の大きな魅力の一つだ。

しかし、それだけでは終わらないのが.LIVEアイドル部。

まるでジェットコースター ”ゆっくりハイペース”トーク

ヤマト イオリさんは雑談・トークメインの配信を最も多く行う。

彼女のトークは、一言で言えば“混沌”だ。

話し方や口調はゆっくりふわふわしたものにも関わらず、予測できないハイペースで話が切り替わり、いつの間にか話が終わり、次の瞬間には始まっている。雑談配信は数あれど、このワープ機能付きジェットコースターのようなトークは他に類を見ない。

「【お話】話す事メモがたまりました【アイドル部】」の概要欄にある「ゆっくりとハイペースでお話交流をしようと思います」という文言は本人曰く書き間違えのようだが、結果的に彼女のトークを的確に言い表している。

「【なんだろう】 お・は・な・し・おはなし【アイドル部】」では、彼女の二時間に及ぶトークを聞く事ができる。お話をしたくてたまらない彼女のウキウキ具合、繰り出される怒涛のゆっくりハイペーストークは、サムネにある「お話が止まらないんだ」という言葉が似合う名配信となった。

ヤマト イオリさんのお話を完全に理解する事は容易ではないが、彼女の朗らかな話し方や声質は聞き疲れせず、また天真爛漫に話す姿を眺めているだけで心が軽くなる。初めこそ戸惑うかもしれないが、一度聞けば病みつきになること請け合いだ。

先輩の電脳少女シロさんと通じ合うものがあるのか、Twitter上では二人が仲睦まじく空中戦を行う様子も。

何がどうなったのかは分からないが、2人が楽しそうなのでとにかく良し!

ありのままを見せる、ありのままで楽しむ

このようにめくるめくトークを繰り広げる、「心優しいお姉さん」なヤマト イオリさん。自分を飾らないのが彼女の基本姿勢だ。

お悩み相談で見せたのは、相談者の言うことを否定せず、茶化さず、一緒に考えて彼女なりの答えを出す真摯な姿。「愛ってなんですか?」という質問に「相手を思いやる気持ちが持てたらそれがもう愛情なんじゃないかな」「この世は愛で溢れていると思いますよ」と答える様は、彼女の眩しいほどの純真さと優しさで溢れている。

何事も自然体で、力いっぱい取り組んで楽しむ。言うは易く、行うは難し彼女の在り方は見ていて清々しい。

彼女の配信の最後には、アーカイブで見ているファンへ向けた呼びかけが入る。リアルタイムで配信を見られなかったファンまでも考えた、彼女ならではの気遣いだ。筆者はこの姿勢をとても尊敬している。

同じアイドル部のもこ田めめめさんとコラボした際の配信では、普段見られない煽り合い(じゃれ合い)が繰り広げられた。気を許した間柄だからこその、彼女なりの愛情表現は必見。

私たちがいつかどこかに置いてきた純粋な在り方のまま、ゆっくりハイペースに楽しませてくれるヤマト イオリさん。3D化した姿を披露してくれる時が、そしてその後の活動が今から待ち遠しい。


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