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VTuber 2024.05.27

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~5月24日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

【 VRChat 】Taiko Takibi Dance Night ~Flames of the Soul~

VRChatで開催されている人気のイベント「タイコたき火ダンスナイト」のプロモーションビデオがアップされています。たき火を囲んで生のタイコ演奏を聴きながらダンサーたちが踊りを踊るという、人間の原初の魂を揺さぶるようなイベントです。国内外のあらゆる人から注目を集めており、先日はテレビ番組「金曜のメタバース」で特集もされていました。チャンネル残っているアーカイブから、イベントの様子を見ることが出来ます。

こちらはロンドンの「レインダンス映画祭」にノミネートされています。カメラマンと編集を務めているのは、VRChatの映像作家であるシンセキくん。ダンサーや奏者の、そして会場の生の一瞬を、VRのカメラのシステムで動きながらおさめているというのが興味深いところです。
ある意味スポーツカメラマンのVR版のような特殊な技術です。フォーカスやアングルをきっちり意識しながら被写体を捉え、動きの一番魅力的な部分を映像としてまとめています。知らない人向けへのアピールとしても、参加者の記録としても価値が高そうです。
この動画は美男美女アバターだけでなく、大根のダンスなどまで含まれているのもVRらしくて面白い所。VRChatの混沌とした、それを受け入れる味がしっかり伝わってくる映像でした。

【マイクラ】採掘しながら にじさんじ のマイクラと炭鉱夫ベルモンドの思い出を振り返る【#マイクラリレー】

コメント欄やSNSを見るとベルモンド・バンデラスがアップしたMinecraft15周年記念の動画は、多くのファンを懐かしさで涙させたようです。ベルモンド・バンデラスはMinecraft配信での活躍が特に人気だったこともあり、デビューしてから今までの活動の大きな変化がこの世界にあったことを語っています。特に大きいのは、夢月ロア宇志海いちご小野町春香との思い出です。

まだVTuberが広がり始めたばかりの時期。ベルモンド・バンデラス曰くにじさんじが爪痕を残そうとギラギラしていた中で、癒やされるゆったりとした配信として人気が出たのが宇志海いちごとのコラボ「ストロベル」でした。おじさんと女の子の組み合わせは当時からずっと愛されています。
夢月ロアは現在活動を休んでいますが、多くのファンからも、にじさんじのライバーたちからも復帰が待たれている存在です。思い出をこのような形で動画にしてくれたことで、ベルモンド・バンデラスが彼女との時間を大切に思っていることが伝わってきました。
その他にも引退した海夜叉ノ神の話題も登場しています。当時からにじさんじを知っている人にはとても懐かしいエピソードが満載の、最近知った人にはにじさんじの歴史がわかるような内容の動画になっています。

宇志海いちご、夢月ロア、小野町春香とのコラボはアーカイブに残っているものが多いので、今からでも楽しめます。なぜベルモンド・バンデラスがこれらのコラボの思い出を大切にしているか、それがなぜ人気だったのか、癒やしの時間の数々を見ればすぐに伝わるはずです。

星街すいせいの人生に欠かせない10のアイテム | 10 Essentials | GQ JAPAN

GQ JAPANの「10 Essentials」に星街すいせいが出演しました。普段は一般的なアーティストやスポーツ選手や芸能人が出るチャンネルですが、バーチャルアイドルが出演するのは初めてです。「バーチャル」としての特別な紹介がないのが注目したいところ。他の出演者同様にひとりのシンガーとして登場しています。二次元三次元の垣根を飛び越えた、一人の人間を捉えた撮影の構造になっています。

普段から語っているカナヘイのうさぎの話題などをはじめ、かわいいものから渋いものまで幅広く「星街すいせい」らしさがあふれるチョイスになっています。一緒に住んでいる姉(通称・姉街)の話題も出てくるあたりも含め、かつてからのファンは見逃せないものになっています。
星街すいせいは以前も「ファーストテイク」に出演するなど、VTuberファンではない外部に向けてどんどん活動の幅を広げています。彼女やピーナッツくんやおめがシスターズなどのように、他のVTuberも色物枠ではなく「一個人」「才能」として認められていく時期が既に来はじめています。

🛸【ラプ様生誕祭2024】う、うまれる!#ラプ様と愉快な仲間たち【3D LIVE】💜

ホロライブでは周年イベントや生誕祭を行うメンバーが多く、いずれも大掛かりなものぞろいですが、ラプラス・ダークネスの生誕祭は今までのホロライブの常識を覆しました。人間の男3人しか画面に映らないシーンがたっぷりあるくらいに、突飛でした。自由奔放かつクリエイティブなラプラス・ダークネスの面白さが詰まったイベントになりました。

基本的にはストリーマーとして配信で関わった人たちが集結しており、スタンミじゃぱん、k4sen、蛇足、けんき、しろまんたなどが登場しています。VTuberとしては赤見かるび、天鬼ぷるる、橘ひなのが参加しており、他にもDAOKO、えなこなども出ています。UPROAR!!の羽継烏有以外はホロライブプロダクションの外部な上に、人間の姿そのもので登場しているメンツも多数という、見た目からして異質なイベント映像になっています。人間のストリーマーが実写そのままバーチャル空間に入っている形式で、これは以前戌神ころねがたいらいさおを招いたときにも同じような撮影がされていました。
面白要素が満載なので圧倒されてしまいますが、ラプラス・ダークネス本人の歌唱力がとても高く、かわいいところからかっこいいところまで聴かせてくれているのは見逃せません。

ラプラス・ダークネスは今までも、自身のライブではエンターテイメントとして凝った内容で作り込んでいます。特に2023年の生誕祭では子供向け番組として構成を組んでおり、自身たちの歌唱力やダンス力などをフル活用して楽しませてくれています。

花譜 # 137「ゲシュタルト」【オリジナルMV】

新しい表現に踏み出した花譜の新作MVが登場しました。何よりダンスがキレッキレ! 今まで花譜はあまり歌唱中は動いておらず、ダンスもゆらゆら揺れるくらいの物が多かったのですが、今回はしっかり振り付けされています。コメント欄のファンもこれにはびっくりで、新鮮な印象を受けているようです。

視聴者参加型オンラインデスゲームイベント「ALTÆR CARNIVAL」の主題歌です。花譜ならではの物語性を伝えてくるボーカルはしっかり研ぎ澄まされており、そこに元気に踊るダンスが加わることで軽快さが増加。早いテンポでダンサブルなナンバーと、アッパーな歌詞の組み合わせが、今までの花譜の楽曲とは一味違う面を見せてくれます。かつての謎の少女的な面持ちから、すっかり成長してエンターテイナーとしての貫禄も出てきています。コメント欄の「保育園のお姉さん」という書き込みは、今回の彼女の成長を説明するにはぴったりです。
ダンスモーション映像も配布されており、色々な場所で合成した映像の投稿もできるそうで、ファンのSNS投稿への期待も高まります。このような新しい展開も、これからの花譜の活動の柔軟さを予感させてくれます。

ファム・ファタル – おやすみサンライト (Official Music Video) / (f)EMME FATALE – Goodnight sunlight

ファム・ファタルの3rdオリジナル曲は鬱な感情をパワフルなビートとエモーショナルなボーカルで表現した、諦念を歌う作品です。歌の中心になっている男性は自身に失望しながら、捨てきれない妄想と現実の間で苦しみ続けています。「死んでないだけ」「生きてないだけ」という自らのからっぽな感覚を表現した歌詞が、迷走し続ける苦しみをうまくあらわしています。作詞は感情のきしみ表現に長けている閑地游です。

ファム・ファタル本人のイラストもあいまって、見ていて閉塞感があるのですが、ボーカルのパワーが感情の荒れる強さと苦しみの情熱を押し出しているため、音楽として聞きごたえがあり、歌詞への共感がより伝わる、印象に強く残る作品になっています。繊細かつ迫力のある歌声によって、男性キャラクターの中の哀しみと空虚さがより明確に輪郭を持って表現されました。ゴミだらけの部屋の圧迫感もインパクト絶大ですが、その中にあって心が沈みつつも、感情の乱れが止まらない落ち着かなさが、ファム・ファタルの歌声から伝わってきます。

今までのオリジナル曲は強くて前向きな女性像が表現されており、聞いていて力の湧き上がるものでした。今回の真逆のスタイルの作品を聞くと、彼女の表現力の幅の広さと丁寧な言葉の拾い方がよくわかります。さらに彼女の表現力を味わいたい方はぜひ歌枠を見に行ってみてください。かわいさやかっこよさに加えて、音域の広さと声量を活かした豪華で華麗な歌が多数聞けます。

ハートビート CT Cover Arrange(原曲:C&K)

つつみちぎり(堤 千希里)がアップしたのはNHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」主題歌「C&K – ハートビート」のカバーMVです。VR空間での体験も映像化しているこのドラマを、実際にVRChatを活用して独自解釈で再現しています。アバターが主人公ナオキに似せられているのは見どころのひとつ。おじさんではなくてひとりの女性が、アバターをまとってVRの世界を旅する様子が撮影されています。

元々おじさんの人生について、男性ボーカルで哀愁たっぷりに「夢の中くらいは」と歌った曲です。これを女性ボーカルで、ひとり暮らしの女性のVR生活と表現し直したことで、別の形での生々しさが一気に増加しています。ドラマではホナミという初恋相手に会いましたが、このMVでは一人きり、というのもポイントです。夢の中で味わう美しいひとときに焦点が絞られています。
祈るような堤千希里のボーカルは聞けば聞くほど聞く人の記憶と感情に迫ってくるはずです。メタバースでの体験に感動した人ほど、夢のひとときの儚さを知っているはず。HMDを外して現実の仕事に戻る感情、メタバースへの憧憬のギャップが、歌の切なさからビリビリ伝わってきます。
この作品はドラマ「VRおじさんの初恋」とは別の物語のMVですが、ドラマへのとても強いリスペクトで満ちている短編映像です。メタバースパートでは、誰もいない縁日や銀河鉄道や喫茶店が、リアルパートではナオキの乗っているバイクや出かけた先の場所、毎日通うコンビニ、ナオキの好きなカレーなどまで再現されています。ドラマ「VRおじさんの初恋」がクライマックスを迎える今こそ、繊細な歌を味わいながら見てほしい作品です。

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