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VTuber 2019.09.08

【VTuberデータ分析】2019年上半期・VTuber人気動画ランキング

こんにちは。myrmecoleonと申します。VTuberは現在は1万人近くが活動しており、YouTubeには月に3万本近くの動画が投稿されています。今回は2019年1月から6月に投稿された17万本以上のVTuberの動画から、高評価回数の指標で人気の高い動画を紹介します。


2019年9月1日0時時点での該当動画のトップ30は以下。こちらから代表的な動画をピックアップしてみました。人気動画から、2019年上半期のVTuberの動きを振り返ってみましょう。

トップ3はすべて歌動画 キズナアイのAIAIAIがトップ

Kizuna AI – AIAIAI (feat. 中田ヤスタカ)【Official Music Video】

2019年上半期第1位は元祖「バーチャルYouTuber」キズナアイのオリジナル曲「AIAIAI」のMVでした。キズナアイは2016年10月にデビュー。はじめて「バーチャルYouTuber」を自称したVTuberであり、誰もが認めるVTuber界のトップです。

動画は現時点で700万回以上視聴され、27万人以上が高評価を押しています。2019年上半期にとどまらず、現時点もっとも高評価数が多いVTuberの動画でもあります。

曲はPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅで知られる中田ヤスタカのプロデュースで、VTuberらが出演したテレビアニメ「バーチャルさんがみてる」のOPテーマ。「ちゅめてちゅめて」の歌詞が耳に残ってたまらない歌です。

ダンサーとキズナアイが軽快に踊るハイクオリティなMVも衝撃的でした。7月には同曲のダンス練習用動画も投稿され人気があります。

Kizuna AI – AIAIAI (feat. 中田ヤスタカ)【Dance Practice Video】

キズナアイの動画はやはり人気が高く、上半期ではほか下記が上位に入りました。

PewDiePieさんコラボしましょう!【キズナアイ流LWIAY】
英語が話せるようになりたい!
奇跡のシンクロ「ふぁ○き○ー」!!!【みんなからの投稿紹介】[ENG SUB]
【歌ってみた】2020応援ソング「パプリカ」【踊ってみた】
【バイオハザードRE:2】クレア編実況#1 久々のホラーゲームの長編シリーズだ!

HIMEHINA『 ヒトガタ』MV

キズナアイにつぐ第2位はヒメヒナプロジェクトのオリジナル曲「ヒトガタ」のMV。
ヒメヒナプロジェクトは2018年3月にデビューした田中ヒメに5月デビューした鈴木ヒナを加えた2人組。2018年歌ってみた動画で大きく人気となり、特に2018年8月に投稿したボカロ曲「劣等上等」のカバーはYouTube・ニコニコ動画で大変話題となりました。

「ヒトガタ」は2人の初のオリジナル曲で、本人らも主演したアニメ「バーチャルさんがみてる」のEDテーマでもあります。

MVはニコニコ動画で人気の高い2人組の踊り手・ATYによる振り付けが印象的。バーチャルについて歌う批評的な歌詞も好評を呼びました。ヒメヒナの動画ではほかに1周年記念に投稿された「いーあるふぁんくらぶ」が上位に入っています。

【1周年記念】いーあるふぁんくらぶ【歌って踊ってみた!】

笹木は嫌われている。/命に嫌われている【歌ってみた】

3位はカンザキイオリのボカロ曲「命に嫌われている。」を、にじさんじのバーチャルライバー・笹木咲がカバーした替え歌動画です。
2018年2月からスタートしたにじさんじは3DでなくLive2Dのキャラクターを使ったライブ配信に特徴があり、現在まで80名以上のバーチャルライバーがデビュー・活動しています。

笹木咲はにじさんじゲーマーズとして2018年7月にデビュー、ゲーム実況を中心に活動していましたが、2018年11月に引退。しかし2019年1月に急遽復活し、「しばらくは清く真っ当な活動を心がける」と動画で宣言した2日後に投稿したのがこの動画です。

「復帰流石に早いよ。」「あの時なげたスパチャを返せよ。」とファンに潜在するだろう不満を自ら取り上げて歌うその様は広く話題となりました。

上半期トップ3に入り、6万人以上が高評価をつけたというこの結果は、にじさんじ・VTuberの文脈に留まらず非常によく視聴され、共感を呼んだことが予想されます。それ以降、笹木咲は歌動画を投稿していません。しかしその後も人気を伸ばし、2月に10万登録を越え、6月の配信では3Dモデルをお披露目しました。

【3Dお披露目!】みんなほんまーにありがとう。【笹木咲/にじさんじ】

にじさんじのバーチャルライバーはライブ配信を中心に行う方が多いですが、最近は歌動画も積極的に投稿しています。上半期ではほか下記の動画が人気でした。

【楓と美兎】ロキ【歌ってみた】
【けいおん!!】GO! GO! MANIAC /童田明治
RE:I AM/Aimer covered by 戌亥とこ
幸福な死を / 久遠千歳
【ハナヤマタOP】花ハ踊レヤいろはにほを5人で歌ってみた【オリジナルMV

人気の高いVTuberの歌ってみた動画

以上のように、VTuberでは歌動画に高評価が多い傾向があります。4位を飛ばして歌動画のランクイン上位を見てみましょう。

【wowaka】アンノウン・マザーグース/歌ってみた【花鋏キョウ&獅子神レオナ&流石乃ルキ&流石乃ロキ】

5位はRe:AcT所属の花鋏キョウ・獅子神レオナと、ルキロキチャンネルの流石乃ルキ・流石乃ロキのコラボ歌ってみた動画。Re:AcT(旧称・KAGAYAKI STARS)は音楽・アイドル特化のバーチャルタレント事務所で、花鋏キョウ・獅子神レオナはいずれもその第2弾として2018年8月末にデビュー。またルキロキチャンネルは2018年10月にデビューしたルキとロキの双子の2人組。いずれも歌動画を中心に活動している人気の高いVTuberです。

曲は2017年に発表された初音ミクオリジナルの「アンノウン・マザーグース」。作者はwowaka。4人の歌ってみたはwowakaの訃報が届いた翌週の投稿でした。故人の追悼という難しいところもあるカバーですが、それに恥じない素晴らしい歌唱と映像が支持されたものと思います。

投稿当時は2Dのみだった花鋏キョウ・獅子神レオナはこの後3D化しますが、その間に収益化再申請のため一部の歌ってみた動画も消しており、平坦な道程ではありませんでした。またルキロキチャンネルは9月のイベント出演を最後に引退することを発表しています。ヒットがあっても厳しいVTuberの現実を考えさせられるランクインと言えます。

花譜 #22 「過去を喰らう」 【オリジナルMV】

6位も歌動画。バーチャルシンガー・花譜のオリジナル曲「過去を喰らう」のMV。花譜は2018年10月にデビュー。オリジナル曲とカバーの歌動画を中心に投稿し、いわゆるライブ配信はあまりせず、代わりに短いメッセージ動画をしばしば投稿しています。

8月に開催したファーストワンマンライブ「不可解」は5月にクラウドファンディングを行い、想定以上の支持を得てゴールしました。「過去を喰らう」はこのクラウドファンディングの最中に投稿された動画です。ライブ中でも歌われ、現在の花譜の代表曲といえます。

以下、7位に道明寺ここあの「ロキ」歌ってみた、8位にミライアカリのオリジナル曲「ミライトミライ」、11位に輝夜月の「チカっとチカ千花っ♡」歌ってみたなどが上位に入っています。

【学校で!】『ロキ』歌ってみた!【ゲーム部の皆さんと!】
ミライトミライ/ミライアカリ【オリジナル曲】
【やってみた】チカっとチカ千花っ♡【輝夜様は告らせたい】

歌以外も人気のVTuber動画

もちろん歌動画以外でも人気の高いVTuber動画はあります。

【ASMR】萌恵ちゃんが視聴者をなでなでしてあげる動画【360度VR】

4位はVTuber・夏実萌恵の360度ASMR動画。歌動画以外では上半期トップの動画です。
夏実萌恵は、ヨメミなど多数のVTuberを手掛けるアニメ娘エイレーンがプロデュースするVTuberのひとり。VTuber以前にもアニメ娘エイレーンの動画に出演していましたが、2018年7月に再デビュー、同10月に3D化しました。

英語特化のVTuberで、全編英語で話すのが特徴。このため海外の視聴者が非常に多いです。

動画はASMRを3Dモデルを生かした360度映像と組み合わせたもの。ブラウザでも見られますが、「Oculus Go」などのVRヘッドセットと組み合わせると破壊力が増します。萌恵がとなりに座ってずっと撫でてくれ、疲れたときに見ると癒される作品です。

【重大発表】萌実さんの3Dが完成しました!!!!!!!

歌以外の動画ではエイレーンプロデュースのVTuberが今期強く、19位にも萌恵の姉妹にあたる萌実の3D化動画が入りました。萌実もVTuber以前にアニメ娘エイレーンの動画に出演。のちにエイレーンがプロデュースしたVTuber・ヨメミとチャンネルを共有しながら活動してきましたが、この動画で3Dをお披露目しました。

その後投稿された萌実が歌って踊ってみた動画もランクインしています。萌実は8月に開催された「音楽的特異点」にも出演して歌っており、今後は歌方面の活動も拡大していくのかもしれません。

【おちゃめ機能】萌実が吹っ切れた【歌ってみた】

引退します

26位・27位およびランキング外の31位には同じくエイレーンプロデュースのVTuber・ベイレーンが収益化を失って引退の可能性とお願い、感謝を伝えた一連の動画が入りました。ベイレーンはエイレーン関連のチャンネルの中でも毒舌担当で「クソだお!」が口癖。静止画中心の動画が理由で5月に収益化が解除されています。当初は引退を予定していましたが視聴者に高評価・チャンネル登録を頼み、大きな反響を得ました。なお現在はVTuber・シフィにチャンネルを継承しています。

【お別れの前に】ベイレーンから最後のお願い
お前らありがとな

【バストアップ】レッツ!おっぱい体操!!!!

ほか30位には2018年末にデビューしたばかりのVTuber・ピンキーポップヘップバーンの動画が入りました。ピンキーポップヘップバーンは人気VTuber・輝夜月と同じMika Pikazoのデザインですが、胸の大きさが両極端なことからいじられがちで、この動画はそれを受けた企画。後半は自虐的な歌も歌っています。

【前編】アイドル部 本気の学力テスト ~おバカtuberになるのは誰だ?!~

ランク外ですが、4月1日のエイプリルフールに合わせてプレミア投稿されたアイドル部の学力テストはライブ配信並みの1時間超の長尺ながら高評価の多い動画となっています。

2018年5月から活動を始めた人気の高いVTuberグループ・アイドル部が全員参加の学力テスト企画で、アイドル部全員が3Dモデルで参加した動画は初。アイドル部全員参加動画としては、6月末にマインクラフトでアイドル部・電脳少女シロ・ばあちゃるが逃走劇を繰り広げる企画動画が投稿されており、こちらも大変人気が高いです。

【後編】アイドル部 本気の学力テスト ~おバカtuberになるのは誰だ?!~
【闘走中】どっとライブメンバーが繰り広げる“はんぱない闘走劇“が幕を開ける…【清楚の日】

2019年上半期もVTuberには華々しい動きが多々ありました。一方で著名なVTuberが増えてきたことで、収益化解除や引退などネガティブな話題も目につくようになっています。今回紹介した動画にもそれぞれの時事が反映されているかと思います。VTuberを見慣れていない方はここから、あるいはずっと見てきた方はこれまでを振り返る気持ちでご覧いただければ幸いです。

なお、やはり短い動画の方が見られやすいこともあり、よく見られているものにはライブ配信より動画、特に歌動画が多いようです。ただしVTuberではライブ配信をメインとする方も多いため、次の機会ではライブ配信を中心に紹介できればと思います。よろしくお願いいたします。


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