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にじさんじ 2023.08.09

にじさんじENVTuberのVox Akumaが、ストライキ中の米俳優や脚本家を支援 11時間のチャリティー配信で約670万円が集まる

8月8日(火)「NIJISANJI EN(にじさんじEN)」所属VTuberのVox Akuma(ヴォックス・アクマ)さんが、約12時間に渡るチャリティー配信を実施しました。配信は、8月現在アメリカで行われている「全米脚本家組合」と「俳優労働組合」のストライキを支援するために行われました。

チャリティー配信の背景

2023年5月から、アメリカの脚本家たちが所属する全米脚本家組合がストライキを実施しています。全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)に対して、(ストリーミング配信主流の現在の環境に合わせた)脚本家の経済的な待遇改善や生成AIの規制などを求めています。

俳優側のストライキも7月に開始。俳優労組「映画俳優組合 – アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)」が求めるのも、全米脚本家組合と同様にストリーミング時代に即した待遇の設定と、AIの規制です。

現状、アメリカの脚本家は(ストリーミング配信の増加の影響により)業務量が増えているにも関わらず、実質的な賃金が低下している現状があります。また俳優の場合は、ストリーミングを利用する視聴者が増加した結果、印税(※DVD販売などで発生する二次使用料など)が減少。収入減に直面する俳優が増加しています。この問題を解決するための賃金上昇や、ストリーミングを通じた印税システムの確立などが求められてます。

また、生成AIを活用して、安易にストーリーを制作されることで脚本家の仕事を奪われたり、俳優の演技を学習したAIがコンテンツに登場したりといったことへの強い懸念も、今回のストライキに大きく関わっています。

両ストライキは、8月現在も継続中。映画会社側との交渉は成立していません。ストライキの間、参加する脚本家や俳優は仕事を行わず、従って収入難に直面しています。

Voxのチャリティー配信で約4万7,000ドルが集まる

今回のVoxさんのチャリティーは、こういったストライキの参加者を支援するために行われました。

Voxさんのチャリティー配信は、アメリカ俳優基金に対する寄付という形で行われました。目標額は5万4,000ドル(約730万円)で、Voxさんは配信の開始直後に“本気度”を示すため、自身で5,000ドルの寄付を実施しました。

Voxさんによると当初、目標額を前回(※)と同じ5万ドルに設定しようとしたものの、その後5万4,000ドルに増額を決めたとのこと。

※:3月に行った自殺防止団体を支援する配信の当初の目標額。

Voxさんは、平均的なアメリカの俳優の年収は2万7,000ドル以下であると説明。チャリティーを通じて、仮に、アメリカで活動する2人の俳優が1年間仕事をしなくても生活を維持できるようにしたいと考えたそうです。

また、Voxさんは、にじさんじENに所属する以前から、映画監督を目指していた過去があり、配信でも映画脚本の執筆や、EN所属VTuberの演技指導などを企画。現在、映像作品を制作していることでも知られています。

チャリティー配信では、伝言ゲーム「Gartic Phone」や映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の同時視聴会、“凸待ち通話”などの企画が行われ、Maria Marionette (マリア マリオネット)さんやDoppio Dropscythe (ドッピオ ドロップサイト) さん、金子鏡さんといった、EN所属のVTuberが参加しました。

また、配信の終盤には、寄付額が1,000ドル上昇するごとに、Voxさんが脚をワックス脱毛するという企画も実施され、大きな盛り上がりを見せました。寄付の合計金額は、配信の終了時点で約4万7,000ドル(約670万円)に達しました。

(参考)YouTube


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