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VTuber 2019.04.27

人生初のVRライブに感激 ときのそら・アズリム・かしこまり・天神子兎音が熱演「Vフェス」ライブレポ

こんにちは! バーチャルブロガーの浅田カズラです。普段はデイリーでVTuber・VR関連のニュースをまとめるブログ「ぶいぶいているろぐ」を更新している、VTuberファンの一人です。

いま流行の兆しを見せている、VRライブ。これをクラウドファンディングで実現させよう、という試みが昨年の9月末に始まりました。それが「バーチャル音楽フェス」です。

ときのそらアズマリムかしこまり天神子兎音の4人が出演するライブを実現する」と謳ったクラウドファンディングはめでたく目標額を達成し、バレンタイン間近の2月9日開催を目指し動き出しました。当日のトラブルによって2月9日の開催は叶いませんでしたが、問題改善に着実に努めていった末に、4月10日にリベンジ開催となりました。

僕もクラウドファンディングの出資者の一人として、そして人生初のVRライブとして、このVRライブを心待ちにしていました……! 以下、2か月の再準備を経て開催となった、「バーチャル音楽フェス(以下「Vフェス」)」のイベントレポートになります。PC向けのヘッドセットで体験する当日のVR参加がどうなっていたのか、その雰囲気が伝われば幸いです。

入場〜開演直前

今回開催されたバーチャル音楽フェスのコンセプトは「バレンタイン」。開催時期こそずれ込みましたが、このライブ自体が、いわば4人からのバレンタイン・プレゼントになるということ。最高のコンセプトです。そして会場もバレンタイン色に染まっていました。

めっちゃポップでかわいい!チョコとハートで彩られたこの会場自体が、みんなへのバレンタインのプレゼントなんだよ!と主張するようなデザインです。中央には円筒状の液晶が配置され、粗目のドットが大型液晶めいていて「凝ってるなぁ」と妙な感心をさせられたり。

しばらくすると、かしこまりのマネージャーとしておなじみ、パンディが中央モニターに登場。いつもどおりの軽妙なノリで、今回のライブにあたっての諸注意が通達されました。話の明瞭さはもちろん、コール&レスポンス形式の諸注意で会場を温めることも忘れない彼は、まさにマネージャーの鑑でした。

そして21時ちょうど。会場の照明がにわかに暗くなり、Vフェスが開演いたしました。

前半戦スタート!

かしこまり&天神子兎音「からくりピエロ」

トップバッターを飾ったのは、かしこまり天神子兎音のペア。登場する際に中央モニターがプレゼントボックスのように変化、その中から二人が登場する、という演出にドキッとさせられました。

1曲目は「からくりピエロ」。往年のボカロの名曲のひとつです。文句のつけようがないかっこよさがにじみ出ていました。ただでさえガチ曲なのに、デュエットで見事にハモってくるんだから、思わず「すげぇ……」と立ち尽くしてしまいます。そして、盛り上げ上手なのも二人の特徴。「みんなも歌ってー!」というちゃんまりのコールにハッとさせられてからは、ペンライトを振りながら声援を送っていました。

1曲目からフルスロットルで始まったVフェス。ステージ演出もバッチリ決まっており、早くもテンションがMAXになったことをおぼえていますとも。

アズマリム「人類みなセンパイ!」

トップバッターで会場がチョコが溶けそうなほど温まった中、続けて登場したのはアズマリム。2曲目としてセレクトされたのは、彼女の持ち歌「人類みなセンパイ!」でした。生歌「センパイ」、ありえんかわいい。宇宙が滅びる。

ぴょこまか動き回る姿がとても愛らしくて、息を荒げながらも楽しそうに全力で歌う姿はただただまぶしかったです。「おつおつおー!」コールも最高でしたね。なにより、ここまでいろいろあった彼女が、こうして笑顔でステージに立っていることが我が事のように嬉しかったです。あなたの笑顔は宝物です。

今回の会場のギミックについて

2曲終えた段階で気付かされたのは、会場自体の細かな仕掛け。ステージは四方を客席で囲まれているのですが、観客が居るのはこのうちの一方向のみ。そして、ステージに立つVTuberたちは、必ず「こちら側」を向いてくれる。つまるところ実際は一方向のステージだったのですが、これ、地味にスペシャル感があって気持ちよかったです。VRライブの強みですね。

さらに、観客が立つ位置と、現在のペンライトの色は(おそらく)リアルタイム反映されていました。そしてペンライトの色反映はVTuberたちにも見える仕組みだったようで、「自分たちの色に染まっている!」と嬉しそうな声を上げていました。この同期感が「ライブの一体感」をたしかに生み出していました。だからこそペンライトをしっかりと振りたくなるわけです。

かしこまり「シャルル」

そんな会場演出の小気味よさに舌を巻いていると、かしこまりが再び登場。3曲目は彼女のソロ。言わずと知れたボカロの名曲「シャルル」でした。

黄色一色のサイリウムが会場を揺らす中、力強く歌い上げる姿は圧巻の一言。その上で「家だからって自重すんなー!大きい声出せー!!」と観客を焚き付けていくんだから、こっちも盛り上がって声が出てしまう! 背景のPVチックな映像も本家さながらで、ライブを盛り上げる演出として一役買っていました。

ライブパフォーマンスとして安定感バツグン。3回のソロライブを成功させた、ちゃんまりの貫禄が肌で感じられました。

ときのそら&アズマリム「magnet」

そして続く4曲目。ここで満を持してときのそらが登場。アズマリムとのデュエットで選ばれたのはボカロ曲「magnet」! ここまで名曲ラッシュが続いていて一息つくヒマもありませんでした。

そらリムの「magnet」はとにかく演出が巧みでした。二人が花びらの舞う演出で登場したのですが、VRで眺めるとものすごく鮮やかで息を飲まざるを得ない。全体的に花びらを中心にしたエフェクトが連続していて、ステージ上がとても華やかでした。

二人の歌はもちろん、セリフパートも絶妙。そらリムてぇてぇ……をも超えてセクシーで、ときのそらのSっ気がのぞく瞬間がたまりません。本ライブはOPENREC.tvで生中継が行われたのですが、OPENREC.tv側もカメラワークが最高でしたね!曲全体のシナリオが完璧なステージでした。

一息ついて後半戦へ

トークコーナー

4曲目が終了して全員歌い終わったところで、4人そろってのトークコーナーへ。4人ともかなり性格やカラーが違うのですが、トークに移るとみんなナチュラルに話が弾んでいました。ちゃんまりと子兎音様が話を切り出しアズリムが無邪気に乗っていきそらちゃんがいい具合にまとめていく。絶妙な組み合わせですね。

観客参加型のコーナーもあり、「この中で◯◯だと思う人〜!」という掛け声と同時に、観客のみんなが思い思いにサイリウムの色を変え、それを見てステージ上から「え”ぇ”〜〜〜!!」と声が上がる、ということがよく起きてました。ゆるめの同期コミュニケーションがとても活きている場面でしたね。

天神子兎音「ブラック★ロックシューター」

そして、後半戦トップバッターは天神子兎音。ソロ曲として選んできたのは「ブラック★ロックシューター」。個人的にも世代直撃すぎてヤバい。往年の名曲ラッシュすぎる。感想? 子兎音様かっこよすぎへん!!!!??? これがすべてです。

とにかくサビ部分の声の伸びがすばらしくて、完全に聞き入ってしまいました。フリのつけ方も引き込まれるもので、「全身で歌い上げる」とでもいうパフォーマンスがとてつもなくかっこよかった。

そして、彼女の身振り手振りでパーティクルが舞うという演出が組み込まれていて、これがかっこよさをさらに引き上げていました。「アニメーションか!!??」という身も蓋もない驚きですよ。

素晴らしい歌声と神秘的な演出。「天神子兎音は神様である」と、間違いなく信仰できる場所がそこにありました。

ときのそら「ブレンドキャラバン」

続く6曲目が今回最後のステージになりました。トリをかざったのはときのそら「ブレンドキャラバン」。1stアルバム「Dreaming!」に収録された、彼女のオリジナルソングです。
文句なしのかわいさNo.1。アイドル・ときのそらがそこにいました。

オリジナルソングのライブお披露目が初ということもあって、振り付けも初お披露目だったのですが、これがもうかわいい・かわいい・最高かよ。本人曰く「なんか自分で考えてバーってやりました」とのことなんですが、それでこの完成度って天才では!?と思いましたよね。青空が広がるステージも彼女を象徴しているようで、感極まっておりました。

もういつでも横アリにいけるでしょう。トリをかざるにふさわしい、最高のステージでした!

最後はみんないっしょに!

こうして、全6曲のステージが終わりました。ソロ4曲、デュエット2曲と、4人がいい塩梅で魅せていけるちょうどよいバランスでした。

ここで、この手のイベント恒例のスクショタイム。4人並んでハートマークを作っていたんですが、みんな心の底から楽しんでいそうな雰囲気が伝わってきましたね。

そして最後に、4人いっしょに「バレンタイン・キッス」を歌い上げ、今回のVフェスは幕を閉じました。最後の一曲、そしてエンドロールが流れ終わった直後に、空からハート型チョコレートが降ってくるという演出まで、バレンタイン一色の素敵なライブになりました。

そして最後に表示されるクラウドファンディング支援者のスタッフロール。ここに自分の名前もしっかりと刻まれていました。これだけでも「あぁ、出資してよかった!」と満足できたり、というのはここだけの話。

大きなトラブルを乗り越え、素晴らしいライブに

今回の「バーチャル音楽フェス」は、前途多難な道のりを歩んできました。

もともとの開催予定日は2月9日。しかし、当日まで不具合が多発し、本番アプリがリリースできず順延。また、連絡窓口も万全と言えない体制には、手厳しい意見も寄せられていました。

マイナスに立ち戻ってからのスタートとなりましたが、4月の中旬まで準備を重ねた結果として、十分すぎるほどに素晴らしいライブになりました。ステージ上から観客席に至るまでの細かいギミックや、各楽曲とVTuberに合わせた最適な演出は、「VR参加する意義」を大きく担保していました。ステージ上の歌手と観客が「サイリウムの色」でつながれることがこんなに楽しいものになるとは!

また、OPENREC.tv側でも平行して見ていたのですが、こちらもカメラワークが非常に優れており、画面視聴でも十二分に盛り上がるものになっていた点は高評価です。

そして言わずもがな、今回ステージ上で歌った4人は最高のパフォーマンスを披露してくれました。「延期してよかったねと言えるものにしよう」とアズリムが意気込んでいましたが、長い準備期間はたしかに大きく実りました。本当にありがとう! お疲れ様でした!

ただし、シーンの切り替わりでステージ上のVTuberが読み込まれなかったり、音声ごと止まってしまったりと、安定性はまだまだと感じさせる場面も多いと感じました。視聴アプリそのものが落ちてしまう人も多かったらしく、ライブの合間にアプリの再起動をうながす告知があったのは印象深いです。

発生した不具合はライブ中にも運営さんに伝えてみたのですが、場当たり的な対応ではなく、個々の事象を解明しようと連絡を重ねていただき、最初の失敗を活かそうと努力されている雰囲気が伝わってきました。

各所でいくつも企画されているVRライブですが、「良いところ」も「改善すべきところ」も、まだまだ同じくらい出てくる段階だと思います。おそらくここに奇策はなく、回数と改善を重ねていき、良い方向へ着実に進んでいくことが肝要でしょう。

そんな兆候が垣間見られただけでも、今回のライブは、遅くはなりましたが素敵なバレンタイン・プレゼントになったかな、と思うのです。


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