11月13日(日)秋葉原UDX2階アキバ・スクエアでは同人・インディゲームの頒布展示をするイベント「デジゲー博2016」が開催されました。
VRの専門イベントではないため、VRコンテンツの展示は全体からみると少ないですが、注目作品が展示されていました。
今年、デジゲー博2016で今回展示されていたVRコンテンツは14つ。昨年の展示数は8つであったので、約2倍程度の増加となりました。また、昨年に比べるとデバイスがHTC Vive、PS VR、まだ未発売のOculus Touchなど、デバイスの種類が増えたことも特徴です。
今回は、その中から印象的だった展示を紹介します。
体を動かしてリズムに乗る『SEIYA』
『SEIYA』は株式会社WandVが開発したVRリズムアクションゲーム。体験者は曲に合わせて飛んでくる星に対して身体を左右に動かしてキャッチしていきます。難易度別に複数のオリジナル楽曲を選択できる他、最初に簡単なチュートリアルが入っており初めてプレイする場合も考慮されています。
使用しているVRヘッドセットには振動モーターが内蔵されており星をキャッチした時の感覚を体感することができます。また、振動以外にも星をキャッチするごとに歌詞が表示されるため視覚と触覚の両方で楽曲を体感できる体験になっていました。
制作:株式会社WandV
使用デバイス:Oculus Rift 製品版
視線操作だけで少女を救う『星の欠片の物語、ひとかけら版』
『星の欠片の物語、ひとかけら版』は企画(資)自転車操業、開発をフォージビジョン株式会社が手がけるコミュニケーション謎解きアドベンチャー。数多くの独特なシステムのノベルゲームの制作を行ってきた自転車創業初のVR作品ということもあり会場では長蛇の待機列が出来ていました。
本作は星の欠片に囚われてしまった少女を救出するというストーリー。プレイヤーは視線操作のみでさまざまなオブジェクトを選択したり少女に指示を出して進めていきます。今回の展示では少女と出会ってからチュートリアルの部分までを体験することができました。プレイヤーの頷きに対して少女が答えてくれるなどVRゴーグル自体が「別の世界を覗き込む装置」という設定であり、着用するVRゴーグルの存在を不自然に意識させにくくなっています。没入感が高く製品版への期待が高まる体験でした。
『星の欠片の物語、ひとかけら版』はPlayStation VRで2017年春配信予定となっています。
制作:(資)自転車創業
『Concept Motel 1ーVR Reviewー』
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Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画 –
ジェット機に乗って自由に空を飛行できるVR体験です。今回の展示では富士山周辺からスタートします。
雲間から見える富士山めがけて雲を突き抜けて高度を下げます。ジェット機の操縦席に座っているので地図が表示され自分の現在地などがわかるようになっています。操縦席の窓から見下ろす地上の風景は、実際の飛行機から見える風景と遜色ありません。体験会ではプレイ時間は短いもの。3分間の遊覧飛行の間に、昼間の富士山。上空からみる日没と、地上の明かりが美しい夜景までを楽しむことができました。
窓から見える地上はまるで写真のようにも見えますが、写真ではありません。日本国 国土地理院の基盤地図情報と基盤地図情報数値標高モデルを素材にして作られたCGです。
制作:Project ICKX、技術提供:合資会社ボクセルデザイン
使用デバイス:Oculus Rift 製品版
『VR刺身タンポポ』
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Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画 –
スーパー等で売っている刺身にはよくタンポポが乗っています。あのタンポポをベルトコンベヤーで流れてくる皿に乗った刺身の上に1つずつのせるゲームです。
普通のゲームコントローラーとモニターでプレイするならば、説明を見て誰も遊びたいとは思わないかもしれません。自分の手をVRでそのまま動かせるOculus Touchとの組み合わせにより、VRでは、ずっと続けていたくなるような中毒性があります。
正面にはベルトコンベアー、右から左へ刺身の皿が流れていきます。タンポポが置かれた皿からタンポポを人差し指と親指で摘み、刺身の上に乗せます。1皿に1つ乗せて1円が加算されます。ゲームの後半にかけて刺身の流れるスピードが速くなり、両手で摘まんだタンポポを同時に別の皿の上に乗せることも。
制限時間内にすべてのタンポポを乗せればクリアです。次々に流れてくる皿にすべてタンポポを乗せたあと、「あなたの報酬は38円」という結果にぐったりとした疲労感も味わえます。
制作:フレームシンセシス
使用デバイス:Oculus Rift 製品版
『IDEAL VACATION』
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舟に乗って川下りを体験します。急流をジェットコースターのように下ってスリルを味わうタイプではなく、ゆったりとした川の流れに舟をまかせ、両岸の風景を楽しんでいく癒し系コンテンツです。最初は夜、満開の桜の下からスタートします。橋をひとつくぐるごとに季節が変わり、春夏秋冬を楽しめるようになっています。
ブースには木の枠組の舟が置かれていました。木枠をまたいで座布団に座って体験します。周囲から見ると何をしているか不思議に見える光景です。
片手に持ったコントローラーは扇になります。サイドのボタンで扇を閉じたり開いたりでき、開いた状態の扇であおげば、紅葉が散り、巨大キノコが光るなど舟に乗っていて退屈するどころか、次あおいだら何が起きるだろうと期待感が最後まで続きました。
夏のシーンは立派な滝と花火と無数のホタル。冬のシーンでは川岸には雪ウサギが走っています、じっと見つめると、雪ウサギもこちらを見つめ返すなど可愛らしいです。
現実の木枠があるため、VRでふとした拍子に舟のへりに触っても、現実の木枠に手が触れ、その結果没入間を高める効果がありました。
制作:MACTA
使用デバイス:HTC Vive
『AGE AGE VR』
本作は半円状にブロックが置かれ、下からぞくぞくとせりあがってくるブロックを手でつかみ、同じ色のブロックを3個乗せて消す、株式会社CygamesによるVRパズルゲームです。
VR内ではクラブのような空間で、アップテンポの曲が流れているので、背負った振動パックが音に合わせて振動するとクラブにいるかのような臨場感があります。ゲーム後半になるとブロックが上がって来るスピードが速くなるので、左右を見回し、両手で別のブロックをつかみ、別の場所に置くというかなり忙しくなるゲームです。
VRのパズルゲームは、今回のようなブロックを積み上げていくタイプの場合、ブロックを持った感覚、慌てると落としそうになるバランス感など通常のパズルゲームでは味わえない部分が楽しめることが魅力でした。
制作:株式会社Cygames
使用デバイス:HTC Vive
『VR用試作コントローラー』
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VRヘッドマウントディスプレイはがっちり頭にはめて使うため、装着を手伝う人が必要です。メイクをしている場合落ちやすくなること。髪型が場合によっては入らないことなど、展示会では困ることがいくつかあります。
このVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)には、その問題に対応するための持ち手が付いていることが特徴。マイク内臓で音声認識が可能、ボタンもついているコントローラーで、何よりVRHMDを支える持ち手でもあります。
体験したデモは暗い教室内、自分を中心に円周上に置かれた火の点いたろうそくに息を吹きかけて消します。持ち手のグリップをにぎり、VRHMDを覗いてろうそくに息を吹きかけます。回転しながら消していきます。
持って顔に当てるだけでも、周りの景色が隙間から見えることもありません。
VRヘッドマウントディスプレイの装着の手伝いが必要なくなり、どのような髪型でも体験できるようになることで展示会で重宝するかもしれません。
展示されていたのはGear VRとHTC Vive。どちらもアタッチメントをつけるだけで、コントローラーを取り付けられます。
『The Gunner of Dragoon』
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Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画 –
昨年のデジゲー博2015にも展示され、日本各地の展示会で展示されている『The Gunner of Dragoon』の最新版です。
空を飛ぶドラゴンの背にまたがり、襲ってくる敵ドラゴンを持っている銃で撃ち落とすシューティングゲームです。
グラフィックが一層美しくなり、ドラゴンの存在感が増しています。眼下に見える地上や、夕景の空の美しさは秋葉原の一角にいることを忘れさせてくれました。
制作:Hydrangea
使用デバイス:HTC Vive
同人・インディゲームの展示・頒布を目的としたデジゲー博の大半はVRではなくモニターでプレイするゲームですが、今やVRは会場の一列を占める程になりました。昨年に比べると参加者の列も、ほとんどのコンテンツで体験待ちの列が。会場の外にまで待機列ができたコンテンツもあり、参加者の注目度の高さが伺えました。