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PlayStation VR2 2022.09.14

ドミトレスク夫人の「デカさ」に驚愕 PSVR2「バイオハザード ヴィレッジ」で感じる“ゲームの世界に入る体験”の進化

2023年初頭に発売予定のPlayStation 5向けVRヘッドセット「PlayStation VR2」。その対応タイトルとしてすでに公開されているのが「バイオハザード ヴィレッジ」です。2021年に発売された全世界出荷620万本超えの人気タイトルが”VR対応”することが明らかになっています。

すでにPSVR2のハードウェア自体の体験レポートはお届けしていますが、メディア向け体験会にてプレイできた「バイオハザード ヴィレッジ」のデモの詳細をレポートしていきます。

※本記事には「バイオハザード ヴィレッジ」の序盤の展開に関する具体的な記述・画像・映像が含まれます。
※記事中の動画はメディア向けに提供された素材であり、実際に筆者のプレイ動画ではありません。

バイオハザードシリーズとしては3本目のVR対応

「バイオハザード ヴィレッジ」は、2021年5月にPlayStation 4/5、PCなどのプラットフォーム向けに発売されたホラーゲームです。シリーズとしては8作目となります。シリーズの前作「バイオハザード7」と同じく主人公のイーサン・ウィンターズが奪われた娘ローズを取り戻すために、古びた城を臨む謎に包まれた“村”を訪れる……というストーリーの世界的なサバイバルホラー作品です。

バイオハザードシリーズと言えば、いつ何が出てくるか分からない不気味な雰囲気とゾンビを始めとする敵との戦いが醍醐味です。雰囲気満点の世界観に没入できるVRは特に相性が良いと言えるでしょう。

そういった相性の良さもあってか、バイオハザードシリーズはこれまでもVRで遊べる作品が登場してきました。2017年には初代PSVR向けに「バイオハザード7」が全編VR対応。さらに2021年にはMeta Quest 2向けに「バイオハザード4 VR」がリメイク移植版(開発はArmature Studio)として登場しました。

シリーズとしては3作目となるVRタイトル「バイオハザード ヴィレッジ」。次世代VRヘッドセットであるPSVR2でその体験はどこまで進化したのでしょうか。

画面で見ていたゲームのシーンがVRでそのままに

デモで体験できたのは、「バイオハザード ヴィレッジ」で最も印象的なシーンである「ドミトレスク城に入るシーン」。村から小道を通って城に入っていきます。

まず何よりビックリするのは、グラフィックのクオリティ。同時に体験した「Horizon Call of the Mountain」でも同じ印象を受けましたが、「通常の画面でプレイしたときと同じものをVRで見ているのではないか?」と思ってしまうほどに、イメージ通りの美しさで、雪の積もった小道を歩いていきます。

もともと通常の画面では、4Kのみならず8Kにまで対応している本作。そのグラフィックへのこだわりはVRでも違和感のないレベルで実現していました。

そして、城に入ったあとも、内装や調度類などが模様に至るまでくっきりと見えます。ナイフを手に持って柱などに振ると切り跡が残りますが、顔を近づけてもはっきりと見えていました。

体験会の後、自宅に帰ってからMeta Quest 2で「バイオハザード4 VR」を起動してみましたが、明らかに印象が違いました。処理能力なども異なるデバイスでの比較となりますが、PSVR2では次世代のVRゲーム体験になっていることを実感できるポイントです。

ついに対面、290cmの巨女ドミトレスク夫人

城に入ってしばらく探索して広間に出ると、イベントシーンに突入。城の主であるドミトレスク夫人の部下である3姉妹(通称:ドミトレスク三姉妹)が登場。手に鎌を刺され、主のいる部屋まで廊下を引きずり回されます。

もともと印象的なシーンでしたが、恐ろしくも妖艶な雰囲気の漂う三姉妹に実際に対面し、間近に見ることができるのはVRならでは。手に持つSenseコントローラーによって、主人公の手は自分自身の手と一体になった感覚があるため、手に鎌を刺されるのもとても痛くないのに「痛い!」と言ってしまいたくなる体験です。

そして不思議なことに、ドミトレスク三姉妹に引きずられるシーンでも一人称視点のままでした。通常、強制的な移動や激しい移動をVRで一人称視点で体験させるのは酔いを誘引します。そのため、これまでの様々な作品では、「視界を狭くする」「三人称視点に切り替えてしまう」「等速直線運動にしてカメラを揺らさない」など工夫が見られました。本作でも視界を狭めてはいましたが、びっくりしたのはカメラがガタガタと揺れること。すぐに酔ってしまうはずの表現なのですが、不思議なことにPSVR2の新機能でヘッドセット自体が振動しており、強制的に引きずられるシーンすら没入感のあるものになっていました。

引きずられたあとは、三姉妹の母親であり城の主・ドミトレスク夫人と対面します。このシーンも非常に特徴的です。なぜなら、ドミトレスク夫人は恐ろしさと独特の妖艶さを放ちながら、さらに身長290cmの巨体だからです。発表時から話題になり、本作の象徴でもある彼女は、プレイヤーの目の前に実際の背の高さで現れます。彼女に見下され、こちらが見上げる感覚。そして近づいてきたドミトレスク夫人に手の血を吸われる感覚は、これもまた三姉妹と同じでVRならではの不思議なもの。

その後、このイベントシーンは終わるのですが、三姉妹の登場から夫人が登場するこのシーンは、何度か繰り返し体験したくなるくらい、キャラクターの魅力が満点のシーンでした。

これまで、バイオハザード7、バイオハザード4では、バイオハザードの独特な雰囲気の世界観にVRで入ることができるという点が圧倒的な魅力でしたが、本作ではキャラクターとVRで対峙できるという点も大きな魅力になっていると感じられました。

敵との戦いの緊張感

ドミトレスク夫人たちとのシーンの後は、天井に吊るされている状態から逃れ、再度城の中を探索していきます。途中では敵のゾンビが現れ広間で戦うシーンもありました。

「バイオハザード ヴィレッジ」では、敵がゆっくり近づいてくるということもあまりなく、スピード感のある戦いが特徴的ですがVRでもそれは同じ。悠長に銃を構えている暇はないので、緊張感のある戦いでした。

なお、銃は銃弾の装填や装填後に撃鉄を起こすコッキングを手元で操作しなければなりません。手元にあるハンドガンに装填できる銃弾の数は10発。敵が迫ってくる中、少しパニックになりながらも装弾し、銃を構えて打って敵を倒していきます。

緊張感のある戦闘シーンを終えた後は、城を探索し、最後に三姉妹の一人に見つかって追い立てられ逃げる……シーンでデモ体験は終わりました。

「バイオハザード4 VR」よりも圧倒的に高いクオリティのVRに仕上がっており、ボス戦がどのような体験になっているのかも気になるところ。また、「バイオハザード7」のVRモードでは、ゲームコントローラーでしか操作できなかったので、左右の手をそれぞれ自由に動かせるバイオハザードはPSVRでは初めてとなります。

またいずれの作品もグラフィックのクオリティが落ちてしまっていることは感じざるを得ませんでした。そういう意味では、PSVR2で「バイオハザード ヴィレッジ」はついに、「ゲームの世界にそのまま入るというのはこういうことか」と感じられる体験に非常に近づくことができた、と言えます。

筆者はホラーが大の苦手なのでVRのホラーゲームを敬遠しがちなのですが、本作はどのような体験になっているのか、怖いけれど続きを体験したくなる。まさに本編全体の仕上がりが気になるデモ体験になっていました

なお、この体験レポートは「バイオハザード ヴィレッジ」に関する記事の前編となります。後編ではデモ体験で気になったポイントや見過ごしたポイントも含め、カプコンの開発チームのインタビューをお届けします。


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