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ARはどこへ行くのか――世界最大級の業界イベントから見る、ARの現在と未来(前編)

ARをテーマとした業界の一大カンファレンス、AWE(Augmented World Expo)。本記事ではAWE2019の注目トピックやARデバイス・ARグラスの現況、各企業の取り組みや業界動向について、Mogura VR News / MoguLive編集長の久保田瞬(すんくぼ)と、編集部の水原由紀がレポートします。

目次

1. そもそも:AWEとは何か?
2. 注目を集めるAR/MRグラスやデバイス
3. 企業への導入が進むスマートグラス
4. ハードが充実。AR/MR分野が大きく動いた2019年
5. 期待が高まるアップルのARグラス
6. グーグルはソフトウェアで先を行く

そもそも:AWEとは何か?

すんくぼ:

AWEは正式名称の「Augmented World Expo」という名前の通り、AR(拡張現実/Augmented Reality)がテーマのイベント。内容としては、初日はセッション(講義)のみで、後半の2日間から展示も加わる。今年は登壇するスピーカーの数が300名、セッション数だけでも100以上開催されていた。

水原:
セッションの概略などを見ると、どちらかと言えば業界内、ビジネス開発系のイベントですね。

すんくぼ:

開発者のセッションは少なくて、「うちはARをこんな風に使用しているよ」という事例紹介や、自社のARサービスを他社に売り込む内容が多かった。アメリカだけでなく、ドイツやイスラエルのテルアビブ、中国の深圳でも開催している。AWEは「年に一回行われる、世界的なXRの展示になりつつあるイベント」という感じ。

水原:
さっき調べたんですが、AWEは2009年から毎年開催されているんですね。HoloLensとかMagic Leapみたいなデバイスが出てくる前から。
すんくぼ:

そうそう。2009年からずっとAWEのオーガナイザーを務めている人が今年の基調講演を担当していたんだけど「当時のコミュニティは全体で数百人くらいだった」と。次第に参加者が増え、昨今のAR/VRの盛り上がりにあわせて成長、およそ7000名近くが参加してる。AR関連ではかなり注目度が高いね。

注目を集めるAR/MRグラスやデバイス

水原:
過去のAWEと比較しても、今年は特にARグラス(※)が多かったような印象を受けます。現地ではどうでしたか?

(※ARグラス/MRグラス……現実の床、壁、物体などをカメラやセンサーで認識し、バーチャルな情報やオブジェクトを表示する際、それらの現実を考慮するARデバイス/MRデバイスの中でも、メガネ型のものを指す。「スマートグラス」とは異なる)

すんくぼ:

ARグラスやMRグラスはかなり多かったね。1月に開催されたCES(Consumer Electronics Expo、世界最大規模の家電見本市)に似た印象を受けた。今回のAWEのテーマはスペーシャルコンピューティング(Spatial Computing/空間コンピューティング)で、「AR/VRの到来により、今後のコンピューターは(平面的な画面ではなく)空間で操作/空間的に存在するようになる」といった感じ。かなりAR/MR寄りだった。

水原:
余談ですけど、最近ARとMRの境界線ってかなり崩れてきている気がしますね。現実にある床や壁、物体や人をきちんと認識して、それをバーチャルな方に反映できるARデバイスやソフトウェア、開発者向けのフレームワークも増えてきていますし。
すんくぼ:

ほとんど呼び方の問題だよね。学術的な定義もあるけど、企業ごとに好みの言葉を選んで使っていて、ときどき混乱しそうになる、というのが正直なところ。ちなみに今回はARのハードウェアに関する新発表は、実はそこまで多くなかったんだけど、ARグラスを作っている企業やエンジニアは展示会の至る所にいた。で、今回の目玉は、中国nreal社のMRグラス「nreal light」の発表。


(nreal社の「nreal light」。読みは「エンリアル」とのこと。スマホやPCと接続して使うMRグラス)

水原:
nreal lightはグラス側に空間認識用のセンサーが付いていて、本体をできる限り軽量化するためにスマホやPCと繋ぐ方式にしているんですよね。
すんくぼ:

バッテリーとコンピュータ部分を、スマホやPCで置き換える仕組みだね。こうすれば本体を可能な限り軽量化できる。史上初のサングラス型MRデバイスだと言っていいと思う。CES 2019で既に発表されてたけど、AWEでは具体的な発売時期と価格の発表があった。

水原:
開発者版は2019年9月、一般ユーザー向けは2020年初旬に発売。価格は一般ユーザー向けが499ドル(約54,000円)ですね。外付け型かつスマホは別途必要になるわけですが、対応する機種の幅についてはどうなんでしょう?
すんくぼ:

対応機種はまだ少ない。SoCで言うと「Snapdragon 855」を搭載したLGやoppoなどごく一部のスマホメーカーのフラッグシップモデルになる。「2020年にはSnapdragon 855搭載のスマホが普及して、全世界で1300万台ほどがnreal lightに対応する見通し」とは言っていたけどね。どうしても空間認識とレンダリングのためにパワーが必要になるから、最初はそのあたりがネックになるんじゃないかな。

関連記事:メガネ型MRデバイス「nreal light」499ドルで2020年一般発売 開発者版は今年9月から提供

水原:
最近のAR/MRデバイスの動向を見ていると、MRデバイスのMagic Leap Oneあたりも含めて、外付け型がひとつの流れになってきている気がしますね。


Magic Leap One。バッテリーと処理部分は外付けの「Lightpack」に格納されており、グラス部分は空間認識とセンサー、ディスプレイがついている。メガネと言うにはちょっと厳しいサイズだ)
すんくぼ:

外付け型だと、身体に直接装着するハードウェアを小型・軽量にできるメリットが大きい。やはりARデバイスはメガネ型・グラス型に寄せたいという狙いがあって、nrealはかなりメガネに近づいていると言えるね。

今後アップルが出すと推測されているARグラスも、特許を見る限りではスマホに接続するという説が有力視されている。外付け型AR/MRグラスがしばらくの“流れ”になるのは間違いないと思う。

水原:
現状ではプロセッサーやバッテリーを詰め込むスペースが足りなくなりがちですからね。一般ユーザー向けのメガネ型かつ一体型のデバイスは、様々な部分が小型化・軽量化されて、さらに排熱の問題あたりもクリアする必要が出てきます。
すんくぼ:

有線型にすると複数の課題をクリアできるんだけど、今度はコードが抜けるという問題もあるんだよね。途中で接続が切れるとARは使いものにならないから、大型でも一体型にはそれなりの需要はあると思う。法人向けになるけど、マイクロソフトの「HoloLens 2」や、今回展示フロアにあったレノボの「ThinkReality A6」がそうだね。


(マイクロソフトの「HoloLens2」。2016年に発売されたMRデバイスHoloLensの次世代機だ)

水原:
外付け型と一体型、2つの方向性がありますね。Magic LeapはNTTドコモが出資して取り扱う話が出ていましたし、nreal lightもKDDIがパートナーシップを締結しているので、一般ユーザー向けのデバイスの展開も見えてきました。
すんくぼ:

一般ユーザー向けを想定しているものについては、見た目や軽量化などの観点から、CPUなどは外付けになっていきそうだね。逆に業務用を想定している「HoloLens2」や「ThinkReality A6」は一体型で安定性を追求する形になっている。対比すると面白いかもね。

企業への導入が進むスマートグラス

すんくぼ:

空間認識をするAR/MRデバイスは、現実とズレないよう高い精度と技術水準が求められる。翻って、AWEではスマートグラス(※)の展示も多かった。先日発表されたグーグルのGlass Enterprise Edition 2はスマートグラスだし、「ポケモンGO」のナイアンティックが出資しているDigiLensもまずはスマートグラスを出すことを表明していて、AR/MRではなく「視界の一部に情報を出す」スマートグラスは結構あったね。

(※スマートグラス……「ディスプレイが目の近くにあり、視界の一部に情報を表示するデバイス」「HoloLens等と異なり、現実を認識する機能は備えていない」ものを“スマートグラス”と呼称する)


(グーグルの「Glass Enterprise Edition 2」。現実側のオブジェクトを認識する機能は搭載されていないものの、遠隔で作業指示を受けるためのカメラや情報表示システムを備える)

水原:
Vuzix社の「Vuzix Blade」なんかもそうですね。このデバイス向けに、日本のメルカリが“ハンドジェスチャーで検索できる”アプリのプロトタイプを開発しています。
すんくぼ:

あとはカナダのスタートアップNorthのスマートグラスFocalsかな。これはかなりメガネに近い。現実のオブジェクトを認識するためのカメラが不要だから、かなり洗練された形状になってる。スマートグラス分野は、コンシューマ向けでいけそうなメガネ型のデバイス、それからカメラをつけたりして業務用に振り切ったもの出てきているね。


(North「Focals」。外見はほぼほぼメガネで、Spotifyなども使える)

水原:
スマートグラスは物流大手のDHLが採用したり、業務利用で実証実験を行う企業も増えてきている印象です。着実に使われはじめているというか。
すんくぼ:

スマートグラスはディスプレイに情報を表示するだけで、空間認識をやる必要がないから、比較的作りやすいというのもあるのかもね。当然ディスプレイ側や表示の難しさはあるとは思うけれど。遠くのオペレーターと繋いで現場の様子をデバイス越しに見せながら、遠隔で作業を支援する……というだけであれば、スマートグラスでも可能と言えば可能。導入しやすく、業務用のAR/MRデバイスに比べて価格も安い。

水原:
Magic Leap OneやHoloLensも以前から使われていますが、導入コストや開発のしやすさという点では、今はスマートグラスなんですかね。
すんくぼ:

やはり「空間全部を舞台にして何かを作る」AR/MRグラスと、「平面ディスプレイに表示する」スマートグラスでは、アプリ開発のしやすさに違いがある。スマートグラスはスマホの画面をただ表示するだけのものも多い。特にAR/MRデバイスはこれから。しばらくはスマートグラスの方が先行するだろうね。将来を見て、実際に使うシーンを考えると、しばらく「ボリュームゾーン」はスマートグラスの方なのかも。

ハードが充実。AR/MR分野が大きく動いた2019年

すんくぼ:

翻って、AR/MRを活用したソフトウェアの展示はBtoBのソリューションが多くて、ゲームやエンターテインメントのアプリはほとんどなかった。BtoB向けのイベントとはいえ、まだBtoBが盛り上がっていてBtoCはこれからという状況を示していると思う。

水原:
BtoBのソフトというと、ARで作業手順や説明書、動画を表示したり、あとは空間にメモを書いて貼れるといったアプリですよね。

すんくぼ:

そういうアプリは既に複数出てきているね。すぐに業務で活用できるという点では、スマートグラスや、アップルのARKitを使ったものがメインだった。

水原:
AR/MRグラスは今後開発の知見がストックされていき、デバイスが出る過程でより洗練されていくだろう、ということですね。
すんくぼ:

そうだね。AWEのハードウェア周りをまとめるなら、ハードウェアが続々と発表されて、nreal lightが低価格で一般発売されるなど、2019年はAR/MRの分野が大きく動いた年だったと思う。ソフトウェアももちろんだけど。

期待が高まるアップルのARグラス

水原:
発表はされていませんが、特許や部品調達の話などから、「2020年にアップルがARグラスを出すのではないか」という見方が強まってきています。
すんくぼ:

AWEの参加者アンケートには「注目しているARデバイスは?」という質問があるんだけど、1位がHoloLens、2位がMagic Leap One、そして3位がまだ発表されてもいないアップルのARデバイスなんだよね。開発者やビジネスユーザーの期待値が非常に高い。

水原:
アップルということもあり、法人向け特化ではなく、一般ユーザー向けで皆が使いたくなるようなデバイスを出すのではないか、という期待感があるんでしょうね。
すんくぼ:

最近のアップルの動向を見ても、今年の開発者会議WWDC2019で発表された「ARKit3」は精度が高く、スマホのカメラだけでモーションキャプチャができたり、現実とデジタルなオブジェクトの前後関係を正しく表示する「ヒューマンオクルージョン」が話題になっていた。

水原:
この「現実とARの位置関係を、両方とも正しく表示すること」には様々な企業が取り組んでいて、技術的なハードルはかなり高いものとされていました。今回それを実装してきたということは、アップルはARに本腰を入れていることの裏付けにもなりそうですね。

関連記事:アップル、ARKit3を発表 モーションキャプチャなど人を認識するように

グーグルはソフトウェアで先を行く

水原:
いわゆるテックジャイアントで言うと、グーグルも今年5月に年次開発者会議I/OでAR関係の発表をしています。
すんくぼ:

ARKitと並ぶAndroid用のフレームワーク「ARCore」がアップデートされたね。特にGoogle Lens(グーグルレンズ)は、スマホをかざしてボタンを押すと文字を翻訳したり、レストランでメニューの文字を読み取るとGoogle検索と連動してメニューの画像が出てくるとか、文字・物体認識の機能がどんどん強化されてる。検索結果にARの検索が統合され、ARのモデルが登録された物に関しては、すぐに3Dモデルを空間に表示してARで見れる機能も追加された。

水原:
グーグルマップもアップデートされましたね。

(グーグルマップのAR機能。まだ限定的な提供だが、カメラで映した現実空間上に矢印が出て道案内してくれる)


すんくぼ:みんなが夢に描いていた「現実世界に矢印が出て、ズレもなく正確に道案内する」機能だね。今はまだ使えるのは歩いてる時だけだし、電車の乗り換えや車の運転中は使えないけれど、あのグーグルマップがARの機能を入れたのは非常に大きなことだと思う。

水原:
AR/MRグラスが注目されがちな昨今ですが、グーグルはハードウェアではなくソフトウェアに軸足を置いているように見えます。
すんくぼ:

グーグルマップが音声認識で操作可能になると、スマホを取り出す手間がなくなるんだよね。「AR/MRって便利そうだけど、実際どうなんだろう?」と思っていた人たちがAR/MRグラスをつけるようになった時に、使い方のイメージができる上に便利なアプリを作った、という点でグーグルは一歩前に出た気がするね。

(後編へ続く)


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