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活用事例 2020.02.25

米陸軍のHoloLens導入は、米軍にとって“お値打ち”? 予算抑制に寄与か

アメリカ合衆国陸軍は2018年11月、マイクロソフト製MRヘッドセット「HoloLens」の10万台導入を決定しました。この契約は、米国の軍事予算にも大きく影響を及ぼしています。

マイクロソフトは10万台のMRデバイス「HoloLens2」を納入する予定であり、契約金は4億8千万ドル(約540億円)。米陸軍は本格的にMRデバイスを実戦と訓練両方に大型投入する狙いです。

HoloLens2ベースのデバイスを10万台導入

契約が結ばれた新システムは「Integrated Visual Augmentation System (IVAS)」と呼称されており、先進機材を使用した「致死性の攻撃に対する防御力の向上」「攻撃能力の向上」が目的です。

デバイスには戦場の地図や、訓練時のシミュレーションを投影します。またHoloLensと武器を同一プラットフォームで接続したり、兵士の評価や生体情報データを取得することも意図しています。

軍の財務マネジメントを担うLt. Gen. Thomas Horlander氏は、IVASについて”抑止要因”であると説明します。「誰も、自分が勝てないと思う相手に対して戦いを挑まないでしょう」「完成段階のこの能力をすべて保持すること。これが我々の成し遂げるべきことです」

10年前と比較して「費用は100分の1」

陸軍ではまず約4万台のIVASユニットを購入、最終的に10万台まで増やそうとしています。2020年は実際のデバイス調達を予定しておらず、2021年末までに配備する方針とのことです。

IVASプログラム構築に際しては、随時マイクロソフトの提案を受けながらプロトタイプを作成、「10年前なら23億ドル(約2,560億円)かかるであろうところ、2,300万ドル(約25.6億円)の費用で済んだ」としています。

このように巨額の投資を行っているIVAS導入ですが、陸軍は先端技術の活用により、最終的にはコストを抑制しうるという見方です。

軍事関係でのXR(AR/VR/MR)活用については下記の記事でも紹介しています。

(参考)FCW


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