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活用事例 2025.03.24

「Roblox」日本企業によるビジネス活用事例まとめ TBS、住友商事、Hondaなどが参入

オンラインゲームプラットフォーム「Roblox」は、若年層を中心に世界各国でヒットしており、2024年第4四半期のDAUは8,530万人となりました。日本のユーザー数も著しく伸びており、日本の企業も続々と市場に参加しています。

本記事では、Robloxへ進出した企業をピックアップし、公開したバーチャル空間の内容を紹介。あわせて、それらの開発に携わってきたRobloxの専門企業についても紹介します。

目次

そもそもRobloxとは? ビジネスへの活用法は?
TBS
よしもと FANY X Lab on Roblox
バンダイナムコエンターテインメント
文化服装学院
藤子・F・不二雄プロ
住友商事
タカラトミー
Honda
日本企業のRoblox進出に携わっている企業の役割とは?
Robloxでのビジネス傾向
Moguraはメタバース制作〜運用まで伴走します

そもそもRobloxとは? ビジネスへの活用法は?

Robloxは、世界的に人気なオンラインゲームプラットフォームです。2024年2月時点では、アクティブユーザー数が7,950万人に到達、月間アクティブユーザー数は、3億人を超えています。ユーザー同士がゲームを通じて積極的にコミュニケーションをとっており、独自の経済圏を構築していることから、メタバースプラットフォームとしても注目されています。

特に10〜20代ユーザーからの人気が高く、若年層に向けた多種多様なゲームコンテンツが充実しています。Roblox運営は「世界のゲームコンテンツ収益シェア10%獲得」を目標にしており、現在もプラットフォームの成長と拡大に向けた施策を打ち出しています。

また企業によるビジネス利用も活発です。そもそも、Robloxではゲーム内のワールドやアバター、アイテムを自作して販売でき、その売上から現実の収益を得られる仕組みとなっています。自作したワールドでプレイヤーが長時間遊ぶほど収益が増加する仕組みとなっていることから、何度も繰り返し遊ばれやすいゲームコンテンツが制作される傾向にあります。そのため、コンテンツの制作やイベント(ゲーム)の運営といったビジネスのアプローチをはかる企業が多く見られます。

また、現実の商品のプロモーションを目的とした企画や、ユーザーとのコミュニケーションによるブランドへの愛着獲得のためにRobloxが利用されるケースも多く、下記にその具体的な事例と関連する開発スタジオをピックアップして紹介しています。

TBS 風雲!たけし城

TBSはバーチャル空間「Roblox風雲!たけし城」を公開しました。「風雲!たけし城」は、ビートたけしが城主を務める「たけし城」のアスレチックを一般人が攻略していく伝説的テレビ番組。本バーチャル空間では番組のアスレチックをRoblox向けに再現しており、「竜神池」や「だるまさんがころんだ」といった再現ステージを攻略しつつ、最後に待ち受ける城主を倒すことを目指します。

「たけし城」は日本だけでなく海外でもムーブメントが起きた番組としても知られており、Robloxにいる海外の若年層ユーザーに向けて配信されたものと思われます。先行プレイ体験会も開催され、初心者でも遊びやすいゲーム性を実現していました。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/12566669965/FREE-UGC-Takeshis-Castle
訪問数(記事公開当時) 約280万回
公開日 2023/3/22(最終更新2025/2/21)
企業 TBS

よしもと FANY X Lab on Roblox

吉本興業の子会社FANYでは、AIやメタバースなど、先端テクノロジーとエンタメを融合させるプロジェクトを行ってきました。2023年より「FANY X Lab on Roblox」を設立。次世代のおもしろいを拡張することをテーマに、Roblox向けコンテンツを開発しています。

これまで公開したのは、AI化されたよしもと芸人と交流できる「FANY X 月面劇場」の他、「よしもと障害物競争」「ダイアン落とし ~スーを差し上げます~」「無限ジョイマン ~ありがとうオリゴ糖~」です。吉本興業所属の人気下人の姿を再現したキャラクターが多数登場し、テレビで放映されるネタをイメージしたワールドとなっています。また、池田模範堂との企業コラボプロジェクトとして、「かゆみハザード -デリケアエムズ研究所からの脱出-」も制作しています。

また、マヂカルラブリー野田クリスタルさん自身が監修し、nextReality Gamesと共同で制作したゲーム「NOBU ~ 信 ~」を公開。巨大化した千鳥ノブさんを打倒するため、その場で集まったユーザー同士で協力しながら戦うというマルチバトルアクションゲームとして展開されています。

バーチャル空間はこちら。
・FANY X Labのゲーム一覧
https://www.roblox.com/ja/communities/17356750/FANY-X-Lab#!/about

ワールドアクセス 「NOBU ~ 信 ~」
https://www.roblox.com/ja/games/16748526998/UPD-NOBU-Battle-a-True-Hero
訪問数(記事公開当時) 約95万回
公開日 2024/3/15(最終更新2025/1/27)
企業 よしもと

バンダイナムコエンターテインメント ONE PIECE GRAND ARENA

バンダイナムコエンターテインメント「ONE PIECE GRAND ARENA」は、Robloxで遊べるONE PIECE公式ゲームです。ONE PIECEのキャラクターの技や能力を駆使して、最大20人のプレイヤーとのバトルが楽しめる大乱戦アクションとなっています。

本作では、スキルを使うと、ルフィやエースなどONE PIECEキャラクターの姿に変身できます。キャラクターたちの再現度が高く、2024年12月公開ながら、早くも訪問数が960万回を突破しています。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/18139069423/ONE-PIECE-GRAND-ARENA
訪問数(記事公開当時) 約960万回
公開日 2024/6/21(最終更新2025/3/13
企業 バンダイナムコエンターテインメント

文化服装学院

文化服装学院では、電通グループおよびRobloxと提携し、「デジタルファッションプログラム」を開講。バーチャルファッションコースの後期授業として実施され、学生らはRoblox上でのデジタルファッション制作プロセスを総合的に学習します。

卒業制作では、ファッションショーで披露された作品の一部がRoblox上でもデジタルファッションアイテムとして制作され、展示されました。現実でデザインしたファッションがRobloxのアバター向けに調整され、ファッションのコンセプトを崩さぬよう工夫されています。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/79503413229926/Bunka-Graduation-Fashion-Runway-Class-of-2025
訪問数(記事公開当時) 約681回
公開日 2025/1/28(最終更新2025/2/28
企業 文化服装学院

藤子・F・不二雄プロ ドラえもん のび太のゴーゴーライド!

「ドラえもん のび太のゴーゴーライド!」は、藤子・F・不二雄プロ監修のもとで企画・開発が行われました。ドラえもんやのび太をはじめとしたお馴染みのキャラクターたちが多数登場するパーティーアクションレースで、車や船だけでなく、ひみつ道具や恐竜など、さまざまな乗り物、方法で楽しむことができます。

ワールドのクオリティが非常に高く、原作のキャラクターや秘密道具まで作り込まれています。また、自分だけのオリジナルのコースを作り世界中のプレイヤーに発信できる「コースクリエイター機能」も搭載。訪問数は430万回以上で、継続的なイベントやアップデート、キャンペーンが開催されています。また少年誌『コロコロコミック』にて特集記事も組まれました。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/16903687098/Doraemon-Nobita-s-Go-Go-Ride-Matchmaking
訪問数(記事公開当時) 約430万回
公開日 2023/5/29(最終更新2025/3/19
企業 藤子プロ

住友商事 Omochi Studio

住友商事では日本のクリエイター・制作会社と連携してゲームを制作し「Omochi Studio」という制作名を用いて複数のコンテンツを公開しています。ホラーやクレーンゲーム、キャラクターIPを活用したものなど、すでに複数のバーチャル空間が配信されています。

和風ホラーゲーム「ペタペタサマ」は、Robloxクリエイターと共同で制作した作品。廃墟となった旅館からの脱出を目指す内容で、無料で遊べるコンテンツながら有料アイテムを購入して何度も体験するユーザーもいるとのこと。訪問数は日本発のコンテンツではトップクラスの1億回を突破しました。

「あさみみレストランへようこそ!」は、TikTokで人気を博しているSimple Side Mascotsのキャラクタータレント「あさみみちゃん」を題材にしたゲームです。あさみみちゃん達と一緒にレストランで働き、接客や料理をする内容となっています。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/14451515684/PETAPETA-New-Lobby
訪問数(記事公開当時) 約1億回
公開日 2023/8/16(最終更新2023/8/16
企業 住友商事

・あさみみレストランへようこそ!
https://www.roblox.com/ja/games/15953395741/Welcome-to-ASAMIMI-Restaurant

タカラトミー BEYBLADE CITY

タカラトミーでは、2023年10月にBEYBLADE X(ベイブレード)を題材にしたバーチャル空間BEYBLADE PARK(ベイブレードパーク)を公開。コンテストで選出された16組のクリエイターによる作品と、ベイブレードを使い複数人で同時に遊べる公式ゲームが体験できました。

さらにBEYBLADE Xのグローバル展開を記念して、2024年8月より「BEYBLADE CITY」へと大規模アップデート。ベイブレードを武器にして最大6人のプレイヤーと街の中で、勝ち残りバトルが繰り広げられます。訪問回数は1,470万回を超えており、1,000万回の時点でさらなる新機能が追加されるなど、勢いを増しています。

ワールドアクセス https://www.roblox.com/ja/games/14478075491/UPD-BEYBLADE-CITY-Official
訪問数(記事公開当時) 約1,470万回
公開日 2023/8/16(最終更新2023/8/16
企業 タカラトミー

Honda Rewired / Tiny Hero

HondaはRoblox上でパワープロダクツ事業のキャンペーンを展開。「Honda Rewired」では耕うん機や草刈機、除雪機など8つの製品を模したモジュールを頒布し、モジュールが組み込まれたバーチャル空間も公開しています。

さらに「Honda.Improbable Mobility.」キャンペーンでは、子どもたちのラクガキをRoblox上でモビリティ化して動かす企画を実施。バーチャル空間「Tiny Hero」を公開し、受賞作品を具現化させています。

バーチャル空間はこちら。
・Honda Rewired
https://www.roblox.com/ja/games/11774926498/Honda-Rewired
・Tiny Hero
https://www.roblox.com/ja/games/15291734946/Tiny-Hero

日本企業のRoblox進出に携わっている企業の役割とは?

近年日本企業のRoblox進出が続いていますが、その多くに携わっているのがRobloxを専門としている企業やクリエイターの存在です。主にコンテンツ企画・開発・パブリッシングを担っており、日本企業のRobloxへの参入をサポートしています。

GeekOut株式会社は「風雲!たけし城」やドラえもんなど、今回紹介した事例の多くに関わっています。他にも講談社と提携した「進撃の巨人」のRobloxゲームコンテストなど、クリエイター支援も行ってきました。

BEYBLADE CITYに携わる株式会社ロブラボは、Roblox専門クリエイター&インフルエンサー集団です。 テレビ朝日で放送されていた「新世界 メタバースTV!!」のRobloxゲームを制作した他、Roblox上のハロウィンイベント「ロブフェス-ハロウィン」を主催しています。

不動産会社のオープンハウスグループが出資する株式会社モンドリアンは、フォートナイトとRobloxなどでゲーム、メタバース事業企画・開発をしています。「メタバースクリエイティブアワード」を開催し、クリエイターの手掛けたRoblox作品を表彰しました。

株式会社DEVLOXは、日本最大級のRobloxクリエイターコミュニティや、Robloxに特化したプロスキル学習サービス、受発注マッチングサービスを運営する会社です。Hondaの「Tiny Hero」の企画・開発も担っています。

Robloxでのビジネス傾向

本記事で紹介してきた内容を振り返ると、企業主導によるRobloxでの施策には、何度も繰り返し遊べるタイプのミニゲーム系が多い印象です。 これは、ワールドへのアクセス数や滞在時間を獲得するための工夫のひとつと言えるでしょう(実際にアクセス数の多い試作ほど、そういった傾向が強く出ています)。また、内容やデザインも10代に分かりやすいポップなものとなっており、若年層を明確にターゲティングしたワールドやコンテンツ、アイテムが多い状態です。

一方で、文化服装学院のように次世代のクリエイターを育成する目的でRobloxを活用するというケースもあります。Robloxは、他メタバースと比較して、ワールドやアバターを自作するツールが自社のもので完結しており、マニュアルも充実しているため、ゲーム・メタバース制作の経験のない初心者でも比較的参入しやすいものとなっているため、バーチャル空間でのモノづくりを経験する足がかりとして活用するという選択肢も今後ますます増えていきそうです。

Moguraはメタバース制作〜運用まで伴走します

「プラットフォーム選定を適切に判断し、予算を勘案し、リサーチから運用まで寄り添ってくれる会社はないのか?」とお悩みの方は、ぜひ株式会社Moguraにご相談ください。

Moguraでは、“Mogura NEXT”という、AR/VR/メタバース/アバター(VTuber含む)領域に特化した、リサーチ・コンサルティング・開発サービスを展開しています。

国内最大のXR専門メディア「Mogura VR」を運営する株式会社Moguraによる業界随一のコンサルティング力を武器に、開発・調査・アドバイザリー等幅広く企業・行政機関のXRの取組を支援しています。特に、メタバースの制作に関しては、ご相談ごとにパートナーの開発会社やクリエイターとチームを組成。XR・ゲーム・メタバースの開発経験が豊富なメンバーが実際のサービスやコンテンツ開発までサポートしています。また、業界メディアを運営している知見とネットワークを活かして、メタバースのPRや広報のサポートも行っています。

・建築×Fortnite展開事例(長谷工コーポレーション様)
https://mogura.co/posts/20241031
・ブラウザメタバースを使ったメタバースモデルルーム(長谷工コーポレーション様)
https://mogura.co/posts/20240802
・VRChatを活用した観光PRとデジタル人材育成(鳥取県倉吉市様)
https://mogura.co/posts/20240229
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