Robloxは開発者会議RDC 2024にて、同社が運営するメタバースプラットフォームRobloxの新たな目標を発表。それに関連して、ユーザーの没入体験を充実させる新たな機能を多数発表しました。その中でも「クリエイターが作品を通じて人々を結びつけるための支援」として、パーティ機能及び音楽に関する一連の機能が発表されました。
Robloxはゲームを中心とするメタバースプラットフォームです。毎日アクセスするデイリーアクティブユーザーは7,950万人、全てのコンテンツはクリエイターが制作しており、アバターやそのファッションアイテムをRobuxという通貨で売買できる経済システムも組み込まれています。近年では、ブランドの展開するなど企業の活用も進んでいる他、各種課金システムや広告などクリエイターのマネタイズのための手段も追加され、巨大なメタバースプラットフォームとして展開しています。
Robloxの新たな目標は「世界のゲームコンテンツ収益シェア10％獲得」
RDCの基調講演に登壇したRoblox CEO、デヴィッド・バズーキ氏は、同社の最終目標である「デイリーアクティブユーザー10億人」（2024年8月時点では7,950万人）の達成に向けて新たなマイルストーンとして「世界のゲームコンテンツ収益シェア10％獲得」を掲げました。Robloxにおける経済活動に注目することで、Robloxのプラットフォームを支えるクリエイターへの収益分配をさらに充実させることを狙いとしています。
バズーキ氏は、この新たな目標のために3つの重点領域を掲げています。
- クリエイターが作品を通じて人々を結びつけるための支援
- クリエイターによるロブロックス上でのビジネス構築の支援
- クリエイターのロブロックス上での作品とユーザー数の規模拡大の支援
本記事では、1点目の「クリエイターが作品を通じて人々を結びつけるための支援」に関連する2つの大きな発表を紹介します。
友達との遊びをスムーズにする「パーティ機能」
Robloxはゲームを中心とするメタバースプラットフォームですが、マルチプレイの性質上、友達となっているユーザー同士で遊ぶコミュニケーションプラットフォームでもあります。
今回、ユーザー同士のソーシャル体験を充実させるために新たに「パーティ機能」が発表されました。ユーザー同士がスムーズにグループを結成して、ボイスチャットで会話をしながらお気に入りのバーチャル空間を見つけて一緒に参加できる機能です。これまでは、同様の試みをする場合は、Discordや各種メッセージツールなどを組み合わせて体験しなければなりませんでしたが、Roblox内でコミュニケーションが完結することとなり、さらに同じサーバーに自動的に入室するなど、「一緒に遊ぶ体験」がスムーズになります。
新たに「音楽」を軸に
クリエイターとユーザーを繋げる新たな施策としてRobloxが発表したもう１つの機能は、音楽に関するものです。Robloxはゲームを中心とする「エクスペリエンス」と呼ばれるバーチャル空間が無数に並ぶプラットフォームです。今回、Robloxは、空間だけでなく「音楽により没入し、共有できる」プラットフォームになることを発表。音楽のアーティストとユーザーが出会える場としていくことを目指します。
「当社は、音楽と創造力が育まれる環境を提供することで、Robloxがデジタル音楽に関する発見とエンゲージメントにおける次世代のトレンドの最前線に立つことを、ビジョンとして掲げています。Robloxは、アーティストがエンゲージメント率の高い大規模なコミュニティと深くつながり、ファン基盤を構築していくための、唯一無二の機会を提供します。ユーザーがバーチャル空間で新しい音楽を発見したり、ファンハブ（ファン向けの交流場所）や音楽鑑賞パーティでアーティストとつながったりできるようになるなど、Robloxはファンとの交流やコミュニティ構築を行う新たな方法を生み出し、アーティストが革新的な方法でファンと関わることを可能にします。このような没入型の選択肢を提供することで、アーティストはファンとのつながりを深め、思い出に残る瞬間を作り出すことができます。そのような思い出は、Roblox上でのエンゲージメントの拡大にもつながるでしょう」（Roblox、シニア・ディレクター グレッグ・ハートレル）
具体的には、音楽配信サービス「DistroKid」との連携を開始し、Robloxでアーティストの公式楽曲をバーチャル空間に組み込めるようになるほか、Robloxのメインサイト上で、「再生中の楽曲（What’s Playing）」、「人気楽曲ランキング（Music Charts）」など音楽を軸にバーチャル空間を探すことができるようになります。
（参考）RDC2024 Keynote
