道路や建物の建築、工事現場でVRを活用すると、実際に近い形で作業手順を確認したり、危険な行動について知ることができます。
イギリスのある道路工事現場では、作業員にVRシミュレーターでトレーニングを行い、現場の安全性を高めようとしています。
[ads]
地上5メートルでの作業の安全確保
BAM Nuttall、Morgan Sindall、VolkerFitzpatrickの3社で構成するBMVジョイントベンチャーは、オールドベリーのM5高架橋補修現場にVRを導入しました。Nationwide Platforms社から導入したVR技術を使い、地上5メートルの高架橋やその真下で作業を行う、現場の作業者の安全を確保する狙いです。
この工事では、作業者たちは高架橋の下を流れる全長2.3キロメートルの排水路を交換し、枠組みをコンクリートで補修します。これまでの修繕箇所はおよそ6,000か所にも上ります。
様々なシーンをVRで学び、リアルタイムでフィードバック
工事で必要な高所作業車のほかに用意されたのは、VRシミュレーターです。VRトレーニングは今年4月に開始し、現在では計33名の高所重機械安全推進国際連盟(Internation Powered Access Federation、IPAF)公認オペレーターを育成しています。
VRトレーニングは、作業者の乗る籠部分とコントロールパネルのレプリカ、モーショントラッキング可能なVRヘッドセットで構成されています。作業者は、異なった地面の状態に慣れたり、立ち入り制限、頭上の危険、積み下ろし、など様々なシーンを学ぶことができます。
またこのシミュレーターは、オペレーターに対してリアルタイムでフィードバックを返します。オペレーターはより安全な作業のために、自分のスキルや行動がどのようなレベルか、知ることが可能です。
ツールを提供したNationwide Platforms社の責任者であるPeter Douglas氏は、次のように述べています。「作業員らが、安全かつ統制された環境でミスを体験できるのは意義深いことです。彼らは、どのように危険に対応するか準備できるだけではありません。我々が現場の潜在的なアクシデントを減らすと考えている貴重な体験を、(VRを通じて)体感することができます。こうして、建物や器具へのダメージも減らせます」
日本における現場の安全確保のためのVR活用事例は、下記の記事などで紹介しています。
(参考)PBC Today