ARを使った遠隔サポートアプリ「TeamViewerパイロット」を手掛けるTeamViewer社は、古参のAR企業Upskillを買収しました。産業向けAR分野における、堅固な地位確立を目指します。
ARでの作業支援に強み
買収されたUpskillは2010年からARプラットフォームを手掛けており、この分野の先駆けとも言える米国のスタートアップです。同社の「Skylight」は、ウェアラブルデバイスや空間に情報を表示し、ハンズフリーでの作業支援を提供します。マイクロソフトのHoloLens他、スマートフォンも含めた多数のデバイスに対応しています。
一方のTeamViewerは、ARを使った遠隔サポートアプリ「TeamViewerパイロット」を提供。離れた場所にいる相手のスマートフォンなどのカメラ映像を通して、矢印や手書き機能を使い指示できる遠隔サポートアプリです。Skylight同様、作業の効率化や現地へ赴く移動費の削減を実現します。
北米でのプレゼンス向上へ
今回の買収について、TeamViewerは「Upskillの拠点を維持し、米国でのさらなる拡大、 Upskillのパートナーシップを足がかりとした事業展開を計画する」と表明しました。Upskillは北米で強い存在感を持っており、TeamViewerは産業向けARソリューション企業として同地でのプレゼンスを高めたいとの意向です。
TeamViewer社CEOのOliver Steil氏は、「統合後のARチームは、ウェアラブルコンピューティング技術を作業現場に導入する、という分野において、今や世界で最も経験のある企業になりました」とコメント。成長著しいエンタープライズ向けAR市場において、実力を発揮すると意気込んでいます。
新型コロナウィルス流行の影響もあり、展開が加速する遠隔での作業支援。Mogura VRでは他にも下記のような記事で紹介しています。
(参考)Nasdaq