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中国のMRグラス企業Nrealが語る、日本展開を重視する理由

10月7日、中国Nreal Ltd.は都内で日本のメディアに向けた事業説明会を開催した。同社のVPであるJoshua Yeo氏らが登壇、日本の開発者を対象とした支援プログラム「Project Eve」や今後のSDK開発ロードマップなどについて語った。

この説明会を通して、同社のねらいや今後の方向性について掘り下げてみよう。

NrealLight

まずはNrealの沿革、そしてMRグラス「NrealLight」のおさらいから。2017年創業のNrealは、2019年1月のCES 2019でNrealLightを発表。スマートフォンとつないで使用することで、88gという軽量性を実現。広めの視野角、そして何より慣れ親しんだ“メガネ型”であることから話題を呼んだ。

続く5月、NrealはAWEにて発売時期と価格を明らかにしている。2019年9月には開発者バージョンがリリースされ、一般向けの販売は2020年初旬を予定。開発者向けキットは1,199ドル、一般向けは499ドルとなる見通しだ(日本での価格は未定)。“早い段階”からやりとりした結果、2019年6月にはKDDIとのパートナーシップ締結を発表するなど、日本での展開に力を入れ始めている。


(Nreal Ltd. VPのJoshua Yeo氏。日本地域のCountry Managerも担当する)

NrealのVPであるJoshua Yeo氏は、NrealLightやその経緯を振り返りつつ、今後の事業ロードマップについても言及。NrealLightが次世代移動体通信である「5G」時代、そしてクラウドコンピューティング時代のデバイスであることを強調した。

5Gの提供が本格的にスタートするのは2020年。Nrealはその直前である2019年にデバイスを発表し、開発者らにSDKを提供している。5G導入後、テック業界の“巨人”がMRグラスに本格参入するよりも早くNrealLightを普及させたいという考えは、説明会で披露された今後のロードマップから垣間見える。

写真は公表できないが、Nrealが紹介した統計では世界全体のARグラス出荷台数は2020年に100万台を超え、2021年に500万台、2022年には1,100万台を超えるという予測がなされている。ちょうど“普及前夜”である2019年に先手を打った格好だ。

SDKの充実や開発サポートの拡大を図る

説明会では今後のSDKのロードマップなども明らかにされた。写真はNGだったのだが、2020年Q1にはハンドトラッキングやフェイストラッキング機能をSDKに追加、さらに2020年中にはアイトラッキングや人物認識機能も予定しているという。こうした機能について、後ほど尋ねたところ「すでに手や顔の認識は開発が進んでおり、社内でテストもしている。音声認識もテストが終わったところで、結果は良いものだった」とのこと。


(2019年5月に開催されたAWE2019では3,000名以上の開発者が登録)

なお、世界各地に向けて行ったNrealのSDK「NRSDK」の申請に関するデータも公開された。SDK申請時の情報では、アメリカの企業や開発者が全体の24.9%を占め、二番目は日本の12.7%、続いて中国の12.5%。想定用途別ではTo Bが62%を占め、To CとTo B&C;を合わせても38%に留まる。NrealLightはまだハイエンドなスマートフォンにのみ対応しているため、ビジネスユースやエンタープライズ向けを意識せざるを得なかったのだろう。

エヴァンジェリスト募集も開始、日本からはすでに3社が採択

説明会では、NrealのOverseas Marketing DirectorであるTien Wu氏より、日本での「エヴァンジェリスト」募集についての解説がなされた。エヴァンジェリストはNrealと連携し、日本におけるNreal関連の情報拡散やコミュニティマネジメントを担当、そしてNrealと開発者やユーザーの仲立ちを行う。日本市場のサポート役というわけだ。


(エヴァンジェリストはNrealのプロダクトやロードマップに直接的な影響を与える可能性があるほか、Nrealからの情報をいち早く得ることもできるとのこと。2019年10月7日から10月31日まで募集しており、[email protected]宛てに必要事項を記入して応募する)

日本のエヴァンジェリストは先行して3社が採択されており、株式会社MESON株式会社ENDROLLGraffity株式会社であることが発表された。いずれもAR/MR等のクリエイティブに関わる企業であり、Yeo氏曰く「3社は2019年5月のAWE前後から関係があり、日本からNrealやNrealLightに関して協力してくれた。ずっと協力関係を続けていきたい」とのこと。エヴァンジェリストに求めることについて尋ねると、Yeo氏は第一に「MRが好きな人」、次に「最先端の技術があり、日本市場での開発を手伝いたいと考えている企業」を挙げた。

Nrealは「コンテンツ重視」。開発者向けプログラムもスタート

さらにNrealは、日本の開発者向け支援プログラム「Project Eve」の詳細について明らかにした。9月に発表されていたこの支援プログラムは、XR(AR/VR/MR)アプリの開発実績がある企業や個人を対象としており、採用された場合はNrealLightの開発用キットの無料レンタル、公式デモ化(の可能性)などが特典として付与されるというものだ。


(「Project Eve」は2019年10月9日から申請を受け付けており、アプリの情報と動画資料を添付して[email protected]に申請、1~2週間の選考を経て、採用された場合はNrealLightを使ったMRアプリ開発を行う)

内容としては既存のVR/AR/MRアプリをNrealLightに対応させるための支援プログラムだが、一般向け発売前に、NrealLightへコンテンツを供給する意味も兼ねているのだろう。Nrealは「自社でApp StoreやGoogle Playのようなプラットフォームを立ち上げる予定」とのこともあり、できる限り良質のコンテンツを多く供給できるよう、優先的に取り組んでいるように思える。Yeo氏は「日本はクリエイターが強く、特にゲームやコンテンツで協力したい」と話したことや、日本法人がスタートしたことも、それを裏付けるようだ。

ちなみに、Yeo氏にどのようなコンテンツへのニーズが強いか尋ねたところ、「各地域の営業からの意見は、どれも結果がバラバラです。いろいろな開発者に『作りたいMRアプリはなんですか?』と聞いても同じ。まだ『これだ』と言えるジャンルはないのです」のこと。AR/MRグラスはスタートを切ったばかりの産業であるがゆえに、ユーザーも開発者も「何ができて、何ができないのか」「何が求められているのか」をまだ正確に把握できていないのかもしれない。Yeo氏が「今は市場も初期段階ですが、100、1000とアプリが出揃えば、その中から人気の高いものや傾向が見えてくるはず」と語ったことからも、今はProject Eveなどを通して様々なコンテンツを取り揃えたい、という意向が強いようだ。

なお、NrealLightはクロスプラットフォームに対応しており、コンテンツは専用のもの以外にも、既にリリースされているスマホ向けのARアプリや一般的なAndroidのアプリを動かすこともできる(Androidネイティブのアプリは仮想ディスプレイを使うとのこと)。Nrealによれば、2019年8月時点では、Google Playで配信されているAndroidアプリの数は200万を超えている。

映像は鮮明。課題は「熱」

筆者は今回、NrealLightのハンズオンデモを体験した。以前体験した際は机の上に設置されたマーカーを読み取るタイプだったが、今回マーカーはなくカメラで床面を認識しているようだ。スマートフォンと接続したNrealLightを手に取り、装着する。スマートフォンを操作してアプリを選び起動すると、会場の床に置かれた机と「バーチャル猫」の姿が見えた。デモではIKEAのARアプリ「IKEA Place」やアマゾンのARビュー機能のように、床に家具を試し置きしたり、あるいは猫と簡単に遊んだりすることができた。


(当日デモで使用されたNrealLightとスマートフォン。当日はFinch TechnologiesのVR向けコントローラーと組み合わせた体験もあったが、こちらは機器の不調できちんと体験できなかったことが悔やまれる)

再度の体験になるが、NrealLightの映像は鮮明で視野角も広い。「見る」という用途については不安なく、レンズ部分の上25%ほどが覆われていることも大して気にならない。何より圧倒的に軽い点は嬉しい。しかし一か所だけ気になるところがある——熱だ。

実際に体験した筆者は「熱い!」とまでは行かないまでも、グラス部分とスマートフォンが双方とも、少々度を超して熱を持っているように思えた。体験の順番が中ごろだったこともあるかもしれないが、このままでは長時間使い続けるのは少し難しい。しかし、これは何もNrealLightだけの問題ではない。おそらく小型でメガネに近いMRグラスを作るにあたって共通して大きな課題となるだろう。そもそも小型化に伴う排熱の問題は、スマートフォンやPC、VRヘッドセット……あらゆるデバイスの開発者がこの問題と戦ってきたわけで、いつか丁度良い落としどころが見つかることだろう。

2019年6月にNreal Ltd. CEOのChi Xu氏に尋ねた際も、「リファレンス機だとまだ熱には問題があるが、今後改良される予定」とコメントしていた。排熱問題にはさらなる改善を期待したい。

コンシューマー向けAR/MRグラスの座を獲得できるか

Nrealに先行するAR/MRデバイスの代表格はマイクロソフトの「HoloLens」や、Magic Leapの「Magic Leap One」だ。前者はエンタープライズやビジネスユースの実績が多数あり、後者はエンタメやアート関係での事例が見られる。各社、目指す路線はすでにある程度決まりつつあるようだ。

しかし一般ユーザー向けの価格帯とビジュアル、そしてコンテンツを備えた、まさに“コンシューマー製品”と言えるAR/MRデバイスはまだ登場していない。他のデバイスのユースケースや方向性が徐々に固まり基盤を広げつつあるなかで、Nrealはコンシューマー市場を開拓し、明確な指針を打ち出すことはできるだろうか。「Nreal Light」の一般向け発売予定まで1年を切った、ここが正念場となりそうだ。

(参考)Nreal. Ltd


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