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業界動向 2019.03.01

Magic Leap、初の海外販売を韓国で開始 5Gでの普及目指す

MRデバイス開発企業Magic Leap(マジックリープ)は、2018年8月に発売されたARヘッドセット「Magic Leap One」の販売に関する契約を、韓国の通信会社SKテレコムと締結しました。Magic Leap Oneの米国外での販売契約は今回がとなります。

5G通信開始が背景

今回の契約の背景には、2019年に予定される第5世代移動通信方式(5G)の開始があります。通信会社は5G通信の利用を促進するデバイスを求めており、これにMagic Leap Oneが合致したとのこと。SK以外では2019年1月には米国の通信大手AT&T;がMagic Leapとの提携拡大を発表、5G通信と法人向けモデルのMagic Leap Oneを活用した法人向けビジネスを推進するとしていました。

Magic Leapは累計20億ドル以上の巨額の資金調達を行い、2018年8月にMagic Leap Oneをリリースしました。「空間コンピューティング」ヘッドセットを謳っています。その性能には賛否両論あり、またマイクロソフトのMRデバイスHoloLens、そして2月に発表されたHoloLens2のような競合製品も存在します。

Magic Leapの最高製品責任者Omar Khan氏は、韓国での販売契約締結の理由として、同国がスマートフォンや4G通信導入の先駆けであったことを挙げています。「韓国は5G通信の整備と導入においても、最先端を行くと考えています」「5G通信は物理的な境界を取り去ります(中略)空間コンピューティングは5Gの最初のユースケースとなるでしょう」とKhan氏はコメントしました。

スマホに代わるデバイスとなるか?

Magic Leapのデバイスを、Wi-Fiネットワークのない屋外で利用できるか否かは、その有用性を判断するために重要な観点です。Magic Leap OneやHoloLensのようなデバイスは、スマートフォンに代わる製品として期待されてきました。しかしその高価格と大きなサイズから、コンシューマー向けのメイン製品にはなり得ないとの意見も受けています。

マイクロソフトのHoloLens/HoloLens2がエンタープライズ用途に注力しているのに対し、Magic Leapは一般消費者を含めた広いユーザーをターゲットとしています。これは同社が、スターウォーズのアプリ等コンシューマー向けのコンテンツを提供していることからもうかがえます。

しかしMagic LeapがスマートフォンやPCに代わるコンシューマー向け製品となり得るには、更に多くのアプリや広い販売網が必要だと考えられます。その一環となる今回のSKテレコムとのパートナーシップには、コンテンツ、販売、研究開発での提携も含まれています。「我々はAR市場とそのエコシステム拡大のために、様々な手段を追求していきます」とSKテレコムのエクゼクティブ・バイスプレジデントは述べました。

(参考)Financial Times


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