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巨大なAR/VRコンテンツは生まれるか?ゲームプロデューサーと語るXRへの期待

2020年12月8日から10日の3日間にわたって開催された、国内最大級のVR/AR/MRカンファレンス「XR Kaigi 2020」。期間中に行われた50以上のセッションの中から、あらためて振り返っておきたいセッションをMogura VR編集部がピックアップ。

今回はTHINK AND SENSEとDeNA、およびMoguraによるトークセッション「大手コンテンツプロデューサーから見たXRへの期待と展望」をレポート。XRが実現する新しい体験とは何か、そしてXRコンテンツが成功するための条件を、ゲームを軸にひも解いていきます(※記事内に登場する各種データはXR Kaigi 2020開催当時のもの)。

XR普及のためにキラーコンテンツが求められている

久保田瞬(以下、すんくぼ):

まずそれぞれの自己紹介と、今回のディスカッションのきっかけについて松山さん、お願いします。


(株式会社ティーアンドエス、松山周平氏プロフィール)

松山周平氏(以下、松山):

株式会社ティーアンドエス   THINK AND SENSE部 部長の松山周平です。XRに関する体験の設計、XRに限らず空間演出やアートインスタレーションを美術館や海外のアートフェスティバルに出展するなど、エンジニア兼UXデザインの活動をしています。

以前からすんくぼさんとの対談やインタビューを通じて「XRの普及にはキラーコンテンツが必要」と話していたのが今回のディスカッションのきっかけです。今回はディー・エヌ・エーの佐々木さんも交え、既存のゲームとは異なる、XRならではのコンテンツや体験を実現させる答えを見つけられたらと考えています。

2020年、"XR"に携わる人が心がけるべきこと――対談:松山周平×久保田瞬 | Mogura VR

2020年、"XR"に携わる人が心がけるべきこと――対談:松山周平×久保田瞬 | Mogura VR

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(株式会社ディー・エヌ・エー、佐々木悠氏プロフィール)

佐々木悠氏(以下、佐々木):

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)、ゲーム事業本部 事業本部長の佐々木悠です。入社後しばらくはサイト運営や広告営業をやっていたんですが、2010年からゲーム事業部でまる10年ゲーム市場に携わり、現在は日本国内で開発するゲーム事業の責任者をしています。

ディー・エヌ・エーというと野球やスマートフォンのゲーム会社という印象が強いんですが、実はXRの取り組みもやっていまして、サムスンさんのGear VRに初期からコンテンツを提供していたり、横浜DeNAベイスターズの「ハマスタVR」をclusterさんと一緒にやっています。

久保田:

佐々木さんがこれまで携わった具体的なゲームタイトルを教えていただけますか?

佐々木:

有名なのはスクウェア・エニックスさんと製作した『Final Fantasy Record Keeper(ファイナルファンタジー・レコードキーパー)』でしょうか。今もタイトルの運営をしながら、私自身も生放送番組などに出ています。


(『Final Fantasy Record Keeper』 ※画像は公式サイトより)


(株式会社Mogura、久保田瞬プロフィール)

すんくぼ:

司会の株式会社Moguraの久保田です。VRとARを世の中に広めようと、5年以上XRのメディアに携わってますが、まだ一般に普及したとは言えない状況です。最近、業界内外からキラーコンテンツの重要性が問われており、今日はそのあたりを考えていきたいですね。

松山:

年々拡大するXR市場も、まだ一般的にはサブカルチャーの一種と捉えられています。技術の成長とともに、XRは遅かれ早かれメインストリームのカルチャーへと広がるはずで、それに合わせてコンテンツも成熟する必要があります。

今回は大きな市場を持つスマホゲームをプロデュースされている佐々木さんにXRへの期待や展望をうかがいながら、「コンテンツの成功とは何か?」や「XRが実現する新しい体験」についてもお話しできたらと思います。

XRの課題は「市場を作ること」と「UI設計」

すんくぼ:

スマートフォンという、今や誰もが持っているデバイスで楽しむコンテンツを作っている佐々木さんから見て、「大きなコンテンツを作る」とはどういうものなんでしょうか?

佐々木:

難しい質問ですね(笑)。大きなポイントはやはり、幅広いお客様に遊んでもらうためにはどこまで手軽に楽しめるか、つまり「ハードルをいかに下げるか」ということですね。例えばスマートフォンはほとんどの人が持っているのでハード所有の制約が少なく、そこで勝負ができるのは大きなアドバンテージだと思います。また、スマートフォンゲーム市場は最初からコンテンツがあふれていて、参入障壁が低かったというのも市場が広がる要素として大きいですよね。

もうひとつ重要なのは、「そのコンテンツ単体でちゃんと経済が回る」ということ。コンテンツ継続のために何かしら投資し続けないといけない状態だと、どこかで体力が尽きてしまうので。(参入障壁の低かった)スマホゲームでは、チャレンジする人もたくさん出てきて市場が大きくなった。市場が大きくなったことでまた大きな勝負ができるようになり、そのサイクルを繰り返すことでスマホゲーム市場は拡大を続けてきたと思います。

XRでもそういう市場が見えてこないと、「1回限りのコンテンツ体験」という状態から抜け出せないのではないかと。つまり「市場をどう作っていくか」ということとセットで考える必要があると思います。

今のXR市場を考えると、マーケティングや1つのコンテンツで終わってしまい、投資し続けられない状態になっています。VRゲームでも単体で売上100万本を突破するVRタイトルが出てきたり、着実に市場は成長していると思います。ですが、ゲーム業界から見ると「まだ少ない」というのが事実です。

それに外から見ていると、まだ「XRは難しそうだ」という印象もあって。例えば何かXRコンテンツを作ろうとなったときに、「相場感がわからないうえに、やたら高い」という話も聞こえてきたりとか。一般的な企業が普通にXRにチャレンジするにはまだハードルが高いのかなと。

松山:

僕らがXRコンテンツを作るとき、スケールすることはあまり考えずに作ってますね(笑)。XRに限らず、事業化どうこうより「面白そうだからやる」から始まることが多いかも。僕自身がプロデューサーではないというのもありますが、XR業界内でも長いスパンを見据えてXRコンテンツを語っている人はあまりいない印象ですね。

すんくぼ:

海外で今まさにミリオンを売り上げているゲームにはひとつ特徴があって、それらはゲームの中でも「インディゲーム」に属するものだということです。大手のゲームスタジオにいた人たちが「自分たちには作りたいゲームがある!」と言って旗をあげて、そこから数人で作り始める。

それがたまたま彼らの場合は「VRだと面白いものが作れる」ということでVRで作ってみて、その中で『Beat Saber』や『SUPERHOT VR』など、上手くいったものがバカ売れをしていると。ゲームビジネスというか、大作を作るという観点からではないタイトルが売れていますね。スタンスは松山さんのおっしゃってたものに近いと思います。

VRリズムゲーム「Beat Saber」の売上本数が400万本を突破。快進撃は続く | Mogura VR

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VRシューティング「SUPERHOT VR」の売上が200万本突破、根強い人気 | Mogura VR

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佐々木:

弊社内でも一時期、VRをどう事業としてやっていくかって話をしたことがありまして。

まずスマホゲームの話だと、ゲーム機ではなくスマートフォンでゲームを作ったというのが大きな転換点だったなと思います。スマートフォンにはコントローラーもボタンもないので、本当の意味でUIを1から作る必要があったんですよ。スマホゲームの初期ヒット作品って、どれもUI自体がちゃんと作り込まれているゲームでした。

VRも同じですよね。移動ひとつとっても「十字キーを前に倒したら進む」などの概念がない世界なので、ひとつひとつ定義が必要で、しかもその難易度が異常に高いんです。事業として考えてもどう進めていけばいいのかわからず、社内でも結局「VRは難しいね」という話になっていました。

3Dのアセットや空間を作るハードルは実はそれほど高くはないんです。ただ、プレイヤーの身体の動きとシンクロさせたり、「ゲームとしてどう遊ばせるのか」という点でVRゲームは従来のゲームとは大きく違いますね。かといって普通のゲームの文法でVRゲームを作ると「これってVRにする必要ある?」となってしまいますし。

そうした試行錯誤を戦略的に取り組むというのは難しいと思います。そこは「面白いからやってみよう」というやり方でないとなかなか踏み出せないですし、そこをどう超えていくのかがXRの課題のひとつだと思います。

日本が得意とする「キャラクター」はXRと相性がいい

すんくぼ:

UIに関しては、スマホゲームでも当初はいろいろ議論がありましたよね。ゲームを作る側も市場側もこの10年でかなり変化があったと思いますが、佐々木さんから見てどうですか。

佐々木:

スマホゲーム初期のころはずっと「ヨコ持ちは流行らない」と言われていて。また、日本の場合は電車に乗っているときなどの隙間時間に遊ぶものとして「ゲーム体験は1サイクル3〜5分じゃないとユーザーが離脱する」と定説のように言われていました。

ですが、スマートフォンでの動画視聴が当たり前になったことで、今ではヨコ持ちも普通になりましたよね。ヨコ持ちが当たり前になると、いわゆるバーチャルパッドもかなり普及しました。今ではタテ持ちだろうがヨコ持ちだろうが関係なく、ゲームのワンプレイのサイクルも長くなっています。

これはスマートフォンの使われ方が変わったから、ということなんですが、同様にXRでも日常での使われ方がもう少し生活に寄り添うようになると、普及のハードルをひとつ越えられるんじゃないかなと。

松山:

スマートフォンのヨコ持ちの話はとてもわかりやすいですね。私もコロナ以前にすんくぼさんと「今年はもっとARが流行るはず。というよりもうARって流行っているよね」という話をしていて。じゃあ今誰が一番ARを使ってるかというと女子高生で、InstagramやTikTokのフィルターをARと認識しないで使っていたり、ARと呼ばれないAR技術が世に広まりつつある現状は非常に面白いですね。

そうした流れをキャッチして、そこに上手くはまるコンテンツを作っていくという動きはまだないかもしれません。そこに逆に大きなチャンスが潜んでいると感じます。

佐々木:

InstagramやTikTokは女子高生だけでなく20代、30代の人も今では普通に使っていますし、『ポケモンGO』にいたってはおじいちゃんおばあちゃんも遊んでいるわけで、みんなが当たり前に使うものの中にARが入り込んでいる。そういう意味で土壌は整っているはずなんですよね。

「ポケモンGO」2020年は過去最高収益か 新型コロナ対策が功を奏す | Mogura VR

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あと、日本が生み出したコンテンツである「キャラクター」はXRと相性がいいと思うんです。XRで表現されるキャラクターの実在感は今までの2Dの画面とは比になりませんし、大きな武器になるはずです。

すんくぼ:

キャラクターやIPの観点で言えば、既存のIPがスマートフォンという新しいプラットフォームを使って多くのファンや新しい層まで取り込んで、IPともども大きくなっていくという光景がここ数年見られますよね。

一方でVRやARでは「なんとか(作品名)VR」みたいな、一回きりのコンテンツになりがちです。せっかく相性がいいはずなのに、1回やってみて「もうVRはいいかな」となってしまうのはもったいない。

佐々木:

体験をひとつひとつ手作りしないといけなかったり、そのハードルを乗り越える労力が高すぎる点も「1回でもういいや」となるケースが多い理由かもしれません。逆にそこをしっかり作り込んでVR/AR体験のデファクトスタンダードのようなものができれば、みんなが乗りやすくなりますよね。

長期目線で「市場を作る」とイメージしたうえで、他の企業と協働して作っていけたらいいですね。それをやらずに全員が単発のコンテンツだけで勝負を繰り返していると、どこかのタイミングで超大型資本が参入してすべてを持っていってしまうかもしれないので、それは避けたいです(笑)。

メジャーなコンテンツ作りに必須のマーケティング思考とは?

すんくぼ:

次のトピックは「メジャー感」というキーワードです。

松山:

最初の質問と近いんですが、大予算のスマホゲームなど、メジャーなコンテンツを作る時ってどうやって作るんだろう、というのをシンプルにお聞きしたいです。

佐々木:

大事なことは「ターゲットの捉え方を広くすること」ですね。そもそも広くないとそれ以上には広がらないですし。「誰に遊んでもらいたいのか」の“誰に”の部分をどこまで広く取れるかが重要です。ただし、ただ広く取ろうとして作ってもそれは失敗の元になります。なぜなら「一般人」や「マス」という人はいないから。「マス向け」と言ってもどこまでがターゲットになるのか、という話です。

それと大事なのは、「リリース後の広がり方」まで考えたターゲット設計・制作をしていくことですね。スマホゲームも含め、どのようなコミュニティを形成するかはかなり重要なテーマで、コミュニティでの“使われ方”を最初からちゃんとイメージしないといけません。

日本はまだまだテレビの力が強いですけど、個人が「このコンテンツ、メジャー感が出てるな」と感じるのって、隣の人からその名前が出てくるときで、それこそ会社の同僚がそのコンテンツについて話していると、途端にそのコンテンツにメジャー感が出てくるんですよね。

ゲームも今や一人で遊ぶものでもなく、ほとんどのものを共有しながら生きている今の世界にどう伝播するのか、最初からその設計を考えておくのが必須条件になるんじゃないかと。なので、「自分のゲームプレイをどう自慢してもらうか」を最初から組み込みますね。社内でも最近「これ、どこをスクショするの?」なんて話はよく出ます(レアキャラやレアイベントのスクリーンショットをSNSなどにアップして他人に自慢してもらうため)。遊ばれ方だけじゃなく、“話され方”もちゃんと考えましょうと。

松山:

そういう観点で作ったことないな(笑)。

すんくぼ:

そもそもVRやARコンテンツだと「スマホゲームにおけるスクリーンショットに相当するものは何か」というところから考えないといけないですよね。

佐々木:

今だと配信ですかね。VR/AR体験をどうやって共有するかも含めて設計しないと、一人でやって終わりになってしまいますよね。

XR体験を当たり前にするコンテンツ作りの本質とは?

松山:

佐々木さんから見て、人がXRで体験したものをどう伝えてどう遊ぶのか、XRならではの体験で「こういうことができたらいいのに」というものはありますか?

佐々木:

例えば『ポケモンGO』だと、おじいちゃんから小さい子供まで、みんながスマホのカメラをかざして、みんなが同じ行動を取るじゃないですか。それってかなりエポックメイキングな出来事ですよね。『ポケモンGO』に限らず、それと同じように「何かあったらとりあえずスマホをかざしてみよう」みたいなことが当たり前の行動や体験になるといいですよね。

そのためには世界中どこにでもコンテンツがある状態にならないといけないので、コンテンツ提供者が必要になります。とはいえ、すべてを企業が作るには限界があるので個人の力が必要ですし、コンテンツを作るハードルを極端に下げるということも重要でしょうね。

すんくぼ:

XRから話は逸れますが、海外のオンラインゲームプラットフォームに『Roblox(ロブロックス)』というのがあります。そこでは中央集権的に誰かがサービスを提供するのではなくて「ユーザーが自分たちでミニゲームを作って、みんなで遊ぶ」というエコシステムで成長を続けています。この広がり方はXRでもすごく大事になると思いますね。

VRにも対応、海外の大人気ゲームプラットフォーム「Roblox」株式公開を検討中か? | Mogura VR

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佐々木:

まさにXRでそのエコシステムを作る人が次の時代を作っていくんでしょうね。今後はリアルとバーチャルを区別しなくなる世界というか、どこまでいっても「そこにいる」という感覚など、境目がない体験を作り込めるのかが勝負になるのかな、という気がします。

松山:

XRがどうかは関係なくて、結局は時代を読むということですよね。時代がどう動き、考え方やコミュニケーションやライフスタイルがどう変化しているのかをキャッチし、それを基にコンテンツ考えていくのが本質なんだなと。

すんくぼ:

コンテンツの大事な点は変わってなくて、コンテンツの表現方法として新しくVRやARが出てきているということですよね。それでは最後にお二人から一言ずつお願いします。

佐々木:

XRは日本が潜在的に持つ力を生かせるジャンルですし、世界に広まることを生み出せると思うので、みなさん一緒にチャレンジしてXRを盛り上げていきましょう。

松山:

普遍的な本質をしっかり押さえたうえで、XRの技術や体験を考えることが重要なんだということを再確認しました。要は「基礎練習をたくさんやれ」ということですね(笑)。

すんくぼ:

本日はありがとうございました。

https://www.youtube.com/watch?v=32_0Fqrt5zw

XR Kaigi 2020のセッション動画をYouTubeで公開中

今回レポートしたセッションをはじめ、XR Kaigiの公式YouTubeチャンネルではセッション動画を多数公開しています。イベントに参加した人も未参加の人も、ぜひ一度チェックしてみてください。

(参考)XR Kaigi 公式YouTubeチャンネル


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