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企業動向 2024.10.10

VR音楽サービスを閉鎖したWaveが新サービス開始 “24時間年中無休のVRフェスプラットフォーム”目指す

バーチャルライブを手掛ける米Waveが、新たなプラットフォームのローンチを発表しました。2021年1月にVRアプリ「Wave Beta」の提供を終了した同社ですが、今回は24時間365日稼働する「仮想音楽フェスティバル」プラットフォームの構築を目指すとしています。10月17日からクローズドベータ版の提供を開始し、VRだけでなくモバイルや2D配信など、多様なプラットフォームでのアクセスを可能にする予定です。

Waveは北米を拠点とするスタートアップ企業で、バーチャル空間での音楽ライブ体験を提供するプラットフォームを開発・運営してきました。同社のサービス「Wave Beta」は、ユーザーがVRヘッドセットを装着し、DJや観客としてVR空間でライブを体験できるアプリケーションでした。

一方、2020年、新型コロナウイルスの流行を受けてWaveは事業展開を加速。同年6月にはシリーズBラウンドで3,000万ドル(当時のレート換算で約32.1億円)の資金調達に成功し、Netflixから新たなマーケティング責任者(CMO)を迎えるなど、経営面でも積極的な動きを見せていました。

しかし2021年1月、Waveは「Wave Beta」を終了。アーティストのバーチャルライブの制作や技術提供を行っていました。その理由として、VR技術の発展速度が想定よりも緩やかであることや、連携していたグーグルのVR/AR向け3D素材共有サイト「Poly」のサービス終了などが挙げられました。当時、Waveは「いつの日か(VR体験を)より進化した形で復活させるために、全力を尽くすことを約束する」と述べていました。なお2023年1月にはPICOとの提携を発表し、VRコンサートを開催しています。

Waveが今回発表した新プラットフォームの特徴として、以下の点が挙げられます:

1. マルチプラットフォーム対応:モバイル、2D配信、VRなど、様々なデバイスやプラットフォームからアクセスが可能

2. グラフィックスと性能の向上:Unreal Engineの採用により、より高品質で没入感のあるショー体験を提供

3. アーティスト体験の向上:カルバーシティよばれるバーチャル空間に「Wave Stage」と呼ばれる没入型スタジオを設置し、パフォーマーと観客の双方向のインタラクションを可能に

4. 効率的なショー制作:コンテンツ制作ツールをアップグレードし、より迅速かつコスト効率の高いショー制作を実現

5. クリエイター支援:ベータ版クリエイターと提携し、フォーマットを前進させるために必要なツールとベストプラクティスを提供

Waveは2024年10月17日からクローズドベータ版を開始する予定です。同社は初期ユーザーを招待してプラットフォームをプレビューし、フィードバックを収集して改善を図る方針です。

同社は今後、コメディ、スポーツ、トークショーなど、他のエンターテインメントコンテンツへの拡大も示唆しており、業界にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目です。

(参考)Wave


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